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岩崎屋

2015年8月17日

前回前々回に続き3.11繋がりで……というわけでもないがまさにあの日、私はバイクで北関東をウロウロしていた。勿論、焼きそば目当てである。特徴的な太麺の焼きそばを提供する太田市の岩崎屋もその日訪れた一軒だった。

太田市 岩崎屋

静岡の富士宮、秋田の横手、そして群馬の太田。これらの地域の焼きそばはB1グランプリが開催される前から日本三大焼きそばと呼ばれ、『三国同麺』などの企画を通して次第に全国に認知されていった。どれも今ではおなじみとなったが、そのひとつ群馬の太田焼きそばの中で、恐らく最も有名なのがこの岩崎屋だろう。なお、富士宮焼きそばや横手焼きそばと異なり、「太田焼きそばにはこれが必須!」という条件は特にない。各店舗で味付け、麺、トッピングなどまちまちである。

さて、岩崎屋に伺ったのは昨年の3.11、13時過ぎ。地震発生はこの店を出て約1時間半後のことだけどそれは置いておこう。創業五十余年の人気店で昼飯時は混雑必至なのだが、昼休みも終わって、客も丁度まばらになったところだった。テーブルに着席して、焼きそばの中サイズ(315円)を注文する。

岩崎屋 メニュー

岩崎屋の焼きそばはサイズに幅がある。小210円に始まって、中・大・特大、ジャンボ、ダブル、トリプル、さらには「特に名は無い」1575円まで。価格は麺の量に正比例してるので、1575円は中サイズ五人前という計算だ。追加の具は選べない。ドカ盛好きにも人気の店で、他の客もジャンボだのダブルだのオーダーしていた。また、レジ脇の椅子に座って待つ持ち帰りの地元客も多い。

お冷やを飲みながら店内を観察してると、真っ黒な焼きそばがやってきた。そう、岩崎屋の特徴はそのソースにある。見た目が黒い。イカ墨でも入ってるのではないかと勘ぐってしまうほど黒いのだ。ウスターソースをベースに独自調合したものらしい。

焼そば(中) 315円

麺はかなり太めの平打ち麺、柔らかめで量が多い。これを5人前はなかなかきつかろう。具はキャベツのみだが、青海苔は多めに掛かっていた。真っ黒ソースによる味付けは見た目と違ってあっさりまろやか。モチモチした食べ応えで、しっとりした食感である。テーブルにはソース、七味、コショウがあったが、そのままで十分美味しい。

私がこの店へ初めて来たのは2006年、現店舗へ移転した直後だった。日曜の夕方、自分の直前の客で麺が切れてしまい、オーダーストップで悔しい思いをした。しかし、こうして再訪し味わえたことは素直に喜ばしい。

麺にソース、キャベツと青海苔。その他トッピング類は一切無し。とてもシンプルなのだが岩崎屋の焼きそばには有無を言わせない訴求力があるのだろう。その黒いソースには人を病みつきにさせる五十余年の何かが調合されているに違いない。

岩崎屋

店舗情報TEL:0276-37-0258
住所:群馬県太田市寺井町697-8
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜日
主なメニュー焼そば
小 210円 中 315円 大 420円
特大 525円 ジャンボ 630円 ダブル 840円
名はない 1050円 トリプル 1260円
特に名はない 1575円

焼まんじゅう 一本170円