石田屋
ソース後掛け焼きそば特集。今週は宇都宮の代表的な焼きそば専門店を3軒ご紹介いたします。
石田屋は宇都宮市街の表通りから小路を入ったところにある焼きそば専門店だ。宇都宮の焼きそばの祖と呼ばれている創業50年以上の老舗で、下野新聞社が刊行している『ソース香る懐かしの味 栃木の焼きそば』という小冊子では、「宇都宮の焼きそばを語る上で外すことはできない」と紹介されている。
訪れたのは昨年の2月中旬、土曜日の夕方。静かな通りなのに目的の店の周囲だけが何となくせわしない。みな駐車場や店の前に車を止め、店内で持ち帰りの袋を受け取って慌しく出て行く。噂通りの人気のようだ。
引き戸を開けて中に入る。思っていたよりも明るい内装だ。ホール担当の女の子が声を掛けてきた。
「いらっしゃいませ、持ち帰りですか?」
「いえ、食べていきます」
「ではお好きな席へどうぞ」
明るくハキハキした接客で気持ちよい。客席はテーブルが5卓ほど。一番奥のテーブルに腰掛けてメニューを確認。
売り物は焼きそばのみで、サイズとトッピングで価格が変わる。価格設定の法則は一定しているのだが、唯一例外がある。それが石田屋特製ミックスだ。肉・ハム・玉子・野菜のオプション全てが揃っているが、本来の値段より100円安い。お得であり、店もおすすめ品にしている。ただし最小サイズが限定されている。
「このミックスって、並サイズはできますか?」
「ごめんなさい、並はできないんです」
「そうですか、じゃ、ミックスの中(600円)をください」
トッピングにハムがあるのが石田屋の特徴だが、ソースを後から掛ける点も面白い。壁にはこんな貼紙もあった。
以前、鹿沼のまつやそば店の記事でも書いたが、宇都宮や鹿沼周辺には薄味かつソース後掛けタイプの焼きそば屋が点在している。恐らくはこの石田屋がその元になっているのだろう。
「おまたせしました、お好みでソースをお掛けください」
麺は扁平気味の太麺でもっちりした食感。具はキャベツ、豚肉、ハム、玉子。中サイズでもボリュームは十分だ。味付けは下味がほんのり付けられている程度だが、石田屋特製なる卓上のソースを掛けると一変し、円やかな酸味の複雑でふくよかな味わいになる。目玉焼きを崩して黄身と絡めたところに、ソースをたっぷり掛けると美味いこと美味いこと。そこに七味を掛けても美味しかった。
平らげた後、温かいお茶を啜って余韻を楽しむ。その間も客足は絶えない。こういう店、家の近所にもあればなあ。ちょっと宇都宮に引っ越したくなった。
店舗情報 | TEL:028-634-6945 住所:栃木県宇都宮市中央5丁目8-9 営業時間:10:00~17:30 定休日:水曜日 |
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主なメニュー | 石田屋特製ミックス(中) 600円 野菜(並) 400円 野菜・玉子(並) 450円 野菜・ハム(並) 450円 野菜・ハム・玉子(並) 500円 肉・野菜(並) 500円 肉・ハム・野菜(並) 550円 肉・玉子・野菜(並) 550円 ※中・大・特大はそれぞれ100円増 |
ディスカッション
コメント一覧
初めてまして。
味のある外観、そして焼きそば専門店というフレーズがたまりませんです。
宇都宮行く時は是非とも行きたい一店です!
これからもちょくちょく覗かせていただきます。
専門性が高い焼きそば記事、楽しみにしてます!
りっきー
りっきーさん、コメントありがとうございます!
宇都宮を含め栃木県は専門店が多いのでぜひ行ってみてください!
焼きそばというニッチなテーマですけど今後ともよろしくお願いします!