たこ焼き&焼きそば をごちゃん 裏巣鴨本店
巣鴨に「をごちゃん」というたこ焼き屋がある。たこ焼き屋なのに、焼きそばが一番人気らしい。どんな品か気になるので、ふらっと足を伸ばしてみた。
訪問したのは12月中旬、日曜の夜18時半ごろ。JR巣鴨駅の北口を出て、ロータリーの向こうの路地へと歩く。雑然とした飲み屋の並びに、「をごちゃん」の看板が出ていた。
看板を頼りに、焼鳥屋・鳥昌の脇道の一番奥へ進むと、目当てのドアがあった。「こんばんはー」と中へ入る。「いらっしゃいませ」と、迎えてくれるのは、店主の小郷さん。私の顔を見て、「あ、焼きそばの!?」と認識していただけた。Twitterで相互フォローしているので、顔を覚えてくださっていたのだ。恐縮しつつ、挨拶させていただいた。
客席はカウンターと小上がりだけの、こじんまりしたお店である。早い時間だったため、先客なし。小郷さんの趣味全開で、プロレス関連のグッズやギターなどが所狭しと飾られている。「お好きな席へどうぞ」と促され、カウンターの一番奥に腰掛けた。
まずはドリンクってことで、エビスの小瓶(680円)を注文した。ちびちび飲りながら、小郷さんの来歴やお店について、お話をうかがう。ちなみに写真のグラスが歪んでいるのは、カメラのせいではなく、実際にそういうグラスなのだ。
お通しはたまごせんべい。名古屋あたりの駄菓子屋で提供されている品だ。現地だと大きなえびせんを使うのが一般的だが、このお店ではカレーせんべいだった。ソースがたっぷり塗られてて、良いおつまみになる。
落ち着いたところでフードメニューを見てみよう。たこ焼きと焼きそば、鉄板を使った豚平焼きやイカ焼きなどコナモン主体の構成だ。たこ焼きはいろんな味が用意されているが、シオ味が一番人気らしい。ではそれをいただきましょうかね。
注文を受けるとたこ焼き器に火を入れて調理開始。熱くなった窪みに、1人前=8個分の生地を流し込み、手慣れた感じで焼き上げてゆく。目の前でクルクルと手際よく作られる、そのライブ感が楽しい。
しばらくして熱々のたこ焼き(シオ・680円)ができあがり。1粒1粒にキメの細かい塩があしらわれ、自家製の生姜が添えられている。
食べてみるとふわふわで柔らかく、中身はとろとろ。1個目・2個目は火傷しないように慎重に食べたが、3個目以降は程よく冷めて丸ごと頬張れた。塩味だと、生地の出汁の風味がよく分かる。美味しいなあ。これだけ柔らかいので、テイクアウトは不可。ぜひお店で味わってほしい。
たこ焼きを平らげたところで、「キンミヤのウイスキーサンピースハイボール(580円)」と共に、お待ちかねの焼きそばを注文。冒頭で述べた通り、この店の人気No1メニューで、「をごちゃん特製もちもちソース焼きそば(780円)」と命名されている。
麺は特注麺をその場で茹であげる。鉄板であらかじめ炒めておいた肉・野菜に、水で締めた麺を加えて調理する。麺については小郷さんの広い人脈を活かし、いろいろなアドバイスを受けて研究を重ねたそうだ。
注文から20分ほどでできあがり。麺はもちもちの角太麺。豚肉とキャベツのほか、干しエビやサキイカも使われている。トッピングは花鰹に自家製の生姜漬、そしてハート型の目玉焼き。なるほど、オリジナリティに溢れる個性的なソース焼きそばだ。
味付けは濃厚なソースがベースだが、はちみつやオリーブオイルなど、様々な要素が重ねられている。最初にはちみつなどの甘みが来るが、あとからスパイスがきっちり効いてくる。干しエビ・サキイカの風味も味わい深い。
麺は、ところどころわざと焦がすように意識して焼かれている。そして予想以上にボリュームがある。すごい煮干しラーメン・凪でおなじみの「いったん麺」が、一筋混ぜられているのも楽しい。「何でもあり」で「そうきたか」と思わせる、遊び心に溢れた焼きそばだ。
なお、太麺なので茹でるのに時間が掛かり、調理工程も複雑で、鉄板のサイズ制限もあって2人前が限界らしい。状況次第で提供までの時間も変わるので、注文の際はご承知おきを。
他にも食べる予定で来たが、焼きそばが予想以上にがっつりしたボリュームだったので、ここでお会計をお願いした。店主さんが「こうしたら面白いんじゃないか?」と感じるままに体現してみた。そんな印象のお店であり、焼きそばだった。ここ、「をごちゃん」でしか食べられない一皿。ご興味ある方は看板を探してみてね。
店舗情報 | 住所: 東京都豊島区巣鴨2-9-27 営業時間: 19:00〜26:00(金・土・祝前日: 〜27:00) 定休日: 不定休 → ホームページ |
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主なメニュー | をごちゃん特製もちもちソース焼きそば 780円 たこ焼き(シオ) 680円 |
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