トミーフード

2014年12月26日

会津若松市にかつてトミーフードという店があった。前述したラーメンタカノの影響を受け、昭和50年の創業以来「カリーナ」「ナポリ」と同様の焼きそばを提供し会津若松市民に愛されてきた。それを他店でも真似るようになったのが会津カレー焼きそばの始まりだという。

さて、そのトミーフードだが惜しまれつつも2003年頃に閉店してしまった。しかしその後も復活を望む声が多く、その味を再現して2007年の7月に五代目店主が再開したのが現トミーフード。場所は野口英世青春広場にある。

野口英世青春広場 トミーフード

訪れたのは昨年の8月下旬。土曜日のランチタイムという時間帯だが野口英世青春広場はそれほど混んで居なかった。入り口右手から奥へとテナントが並び、そのひとつが目的のトミーフードだ。

客席は外にテーブル2卓と店内にカウンター6脚。テーブルでは家族連れが焼きそばを突いている。カウンターにはテイクアウト待ちが一人立っていた。女性スタッフが調理も接客も一人でこなしている。ソフトクリームの注文が入ったりして忙しそうだ。

トミーフード 焼きそばメニュー

カウンターに腰掛けてまずはメニューを確認。カレー以外にミートソース、ブシマヨ、ソース、そしてミックスがある。一番人気と聞くミックス焼きそばをシングルサイズ500円で注文。気さくな店員さんだったので色々と質問してしまった。

「焼きそばを食べに遠くから来る人も多いんですか?」
「いえ、地元の人が懐かしがって食べに来ることが多いですね」
「あー、このパンフレットに昭和50年からと書いてありますね」
「35、6年前に先代が始めたんです、今の方も先代からのお客さんでして」

新潟県中越・下越地方と福島県会津地方は地理的に近く、幕末のエピソードを紐解くまでも無く互いに密接な関係にある。イタリアンからカリーナ、そして会津カレー焼きそばと連なる系譜は文化伝播の実例として興味深い。

そうこう言っている間に焼きそばが出来上がった。

ミックス焼きそば シングル 500円

麺はやや細めで柔らかい。具はキャベツ、人参、モヤシ。ソースの味付けは薄めに押さえて、カレーの辛味とミートソースの酸味が効かせてある。ボリュームはほどほど。大盛にしておけば良かった。紅生姜の付け合せなども含めて、やはりイタリアンやカリーナを思い出させる味だ。

「思ってたよりカレーがスパイシーで美味しいですねー」
「先代がカレーも焼きそばに合う味を試行錯誤したんですよ」
「へー、なるほどー」

美味しく作ろうとすると「昔の味と違う」と言われるのが悩みどころだとか。うーん、「美味しい焼きそばじゃなくて、あの焼きそばが食べたいんだ」という客の気持ちは大いに分かる。私も美味しさより「昔ながらの味」を求める比重が高い。でもそれだと新しい世代のお客さんには受けなかったりするのだろう。難しい問題だなあ。

トミーフード

店舗情報TEL:090-6689-1032
住所:福島県会津若松市中町1-23 野口英世青春広場内
営業時間:11:00~17:00、Bar Time 19:00~(不定期営業)
定休日:不定休
ホームページ
主なメニューミックス(ミート&カレー)、ミート、カレー、ブシマヨ、ソース
H(ハーフ) 350円
S(シングル) 500円
L(大盛り、1.5玉) 650円
LL(ダブル、2玉) 900円

目玉焼きトッピング 50円