いづみや 本店
大宮駅の東口に「いづみや」という大衆酒場がある。右が本店、左が第二支店で創業は昭和22年。毎朝9時半から店を開け、大宮競輪場で懐が寂しくなった先輩方をいつでも温かく迎えている。
訪問したのは12月中旬の週末。大宮駅の東口を出るとすぐに看板が眼に入った。初めてなのでまずは本店の方に入ってみよう。店内は結構広い。左の壁際にカウンター5席。中央には長細いテーブルが並べられ合計40席ほど。さらに右の壁沿いに4人掛けテーブルが4卓。午前11時という早い時間なので客もまばらだ。入り口近くに適当に腰掛けたが、冷たい風が入り込んで失敗だった。
メニューは壁にびっしりと貼られている。定食やラーメンもあって、どれも手頃な値段だ。「なんにします?」と女性の店員さんに訊かれ、一瞬迷ってから瓶ビール中(460円)とモツ煮込み(170円)を注文した。
ビールは嬉しいサッポロ赤星。モツ煮はこの店では定番の品。シロ主体でトロッとした感じに煮込まれている。量は少なめだがこれで170円なのだから文句なし。
店員さんは男性スタッフもチラチラ見かけるがほとんど全員おばちゃん、もといお姐さん。ホールと厨房でそれぞれ2・3人ずつ配置されている。滝正宗を入れたヤカンを手に、常連さんのコップに注いで回るのがなんとも素敵だ。さすがに写真は撮らなかったが、厨房の壁も前衛芸術のようで趣があった。
追加の肴は悩みぬいてカレーコロッケ(300円)をオーダー。揚げたて2つが千切りキャベツに乗っけられてやってきた。一つめはソースを掛けてガブリ。ふーむ、ジャガイモのみで挽肉皆無とは潔い。二つめは醤油でいただいた。
ついでにビールのお代わりで選んだのは梅割り(220円)。この店では予め梅割りにした焼酎を瓶詰めしておくようだ。角6勺のグラスに並々注がれ、早速一口。うーん……きくー。
〆に焼きそば(550円)を注文。店頭のガラスケース内には600円と書かれていたが、ま、安い分には気にすまい。焼きそばを待つ間に梅割りをお代わり。
「伝票の文字が赤いのと青いのとあるけど何故です?」
「あー、書く人によって色が違うのよ」
「へー、なるほど」
店のお姐さんととりとめもない会話をして待つことしばし。「はい、お待たせ」と焼きそばがやってきた。食事メニューは何も言わずにお冷が付いてくるのだろうか、その心配りが嬉しい。
麺は中太で柔らかめの蒸し麺。具はキャベツ、ニンジン、モヤシ、玉ネギ、豚肉。何故かニラも一切れだけ入っていた。青海苔は無しで脇に紅生姜。味付けはソースであっさりめ。野菜不足になりがちな飲兵衛に優しい焼きそばだ。なめたけの空き瓶に入った七味をパッパと振って、つまみ代わりに平らげた。旨し。
私の焼きそばがやってきた直後に他のお客さんも焼きそばを注文していたが釣られたのかな。お会計は〆て1920円。「1500円以上御飲食の方に粗品進呈」とレジに書かれていたので一体何かと思ったらウコンのドリンク剤だった。これは助かる。どこまでも飲兵衛に優しいお店だなあ。
店舗情報 | TEL:048-641-0211 住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-29 営業時間:9:30~22:00 定休日:月2回不定休 |
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主なメニュー | 焼きそば 550円 モツ煮込み 170円 カレーコロッケ 300円 ビール(中瓶) 460円 梅割り 220円 |
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