やまと庵 本店
JR奈良駅から興福寺へと伸びる三条通り沿いに店を構える食事処、やまと庵。地元の郷土料理や地場食材を使った創作料理を提供しているお店で、和そばを使った焼きそばもあるそうな。
訪れたのは2012年4月中旬、平日の夜20時過ぎ。あいにくと満席で15分ほど外で時間を潰してから、さらに店内で待つこと5分ほど。随分と人気のある店で、着席したあとも引っ切り無しに客が訪ねてきた。
まずは生ビール(中・450円)とざる豆腐(550円)を注文。思っていたよりしっかりした硬さの豆腐だ。醤油もあったが薬味と塩でいただいた。旨し。この日の突き出し、あぶらげと小松菜の煮物も出汁が滲みてて旨い。
続いて地酒の朱雀門・純米(1合半・950円)、それと大和肉鶏の黒胡椒焼き(1140円)、刻み奈良漬(380円)を注文。切子のグラスに雅な冷酒器が洒落ている。ただ奈良漬の酒粕の風味と被ってしまい、ちょっとこの組み合わせは失敗だった。大和肉鶏はしっかりした歯応えの腿肉で、皮もパリッと仕上がっていて旨かった。油通しした付け合わせの野菜も嬉しい。
そして締めに例の品、和そばのピリ辛ヤキソバ(750円)を注文。細めの和そばが、豚肉、キャベツ、玉ねぎ、人参、パプリカ、ホウレン草などの具と炒められて出てきた。トッピングに刻み味付け海苔。ピリ辛と謳っているが軽く胡椒とソースで味付けされてる程度で、辛さはほとんど感じない。野菜はシャキシャキした歯応えとそばの風味が意外にマッチして美味しかった。
1時間ほど滞在してお会計は4740円。忘れたけどたぶんあと一杯何か頼んだんだな。カウンターだけで片寄せあって呑むような店が好みなのだが、たまには流行の創作料理系居酒屋も悪くない。忙しい中、接客も笑顔で好印象の店だった。
志賀直哉が「奈良に美味いものなし」と言ったらしいが、確かに奈良に郷土料理は少ないし、どれも特別美味しくはない。奈良漬、柿の葉寿司、三輪素麺。あとは茶粥にスタミナラーメンか。海無し県で売りになる農作物も無く、美味しいものが食べたくなれば大阪や京都に気軽に行けるという地理的条件はなかなか厳しい。店としては工夫して創作料理を生み出すしかないのだろうなあ。頑張ってくださいまし。
店舗情報 | TEL:0742-26-3585 住所:奈良県奈良市三条町495-1 バナナビル 1F 営業時間:11:30~14:30、17:00~24:00 定休日:無休(臨時休業あり) → ホームページ |
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主なメニュー | 和そばのピリ辛ヤキソバ 750円 ざる豆腐 550円 大和肉鶏の黒胡椒焼き 1140円 刻み奈良漬 380円 生ビール(中) 450円 |
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