えんどう
おでんや甘味、遠州焼きなどと共に長年親しまれてきた静岡の焼きそば&駄菓子屋文化。昨今のB級グルメブームで盛り返した感はあるが、店主の高齢化や後継者不足などの理由で近年多くの店が廃業している。私が訪問しようとリストアップしておいた店だけでも、ここ2年余りでざっとこれだけの店が閉店してしまった。
- 清水 えんどう (2012年3月30日閉店)
- 静岡 いもへー (2012年4月25日閉店)
- 静岡 美好 (2012年12月28日閉店)
- 蒲原 磯屋 (2012年12月頃閉店)
- 島田 増田鯛焼店 (2013年4月2日閉店)
- 静岡 松芳堂 (2013年5月末閉店)
- 三島 一福黄金饅頭 (2013年12月末閉店)
また牧之原市のすずや菓子店もパンや駄菓子、おでんの営業は続けているが焼きそばは2012年頃に止めてしまった。どうしようもないこととは言え、それぞれの店の文化が失われて行くのは寂しい限りだ。地元で長年愛された各店への敬意を込め、「えんどう」と「磯屋」の記録を留めておこう。
サッカーで有名な清水東高校のすぐ傍に「えんどう」という軽食屋さんがあった。以前は店が三軒並んでいて「前店・中店・横店」の「中店」と呼ばれていたそうな。プロで活躍する清水東出身のサッカー選手たちも、高校時代はこの店の焼きそばとおでんが楽しみだったらしい。
訪れたのは2011年11月下旬。平日の午前11時過ぎ。客席はテーブル2つにカウンター3席ほど。先客は居なかったが持ち帰りの注文が入ってるのか、おばちゃんが一生懸命調理していた。
メニューは壁に貼られているのだが、その値段設定にまずビックリ。焼きそば200円、カレーライス300円、おでんは一本40~50円。うーむ、安い。子供の頃、自分も近所の駄菓子屋でおでんを食べて育ったが、その当時とほとんど変わらない値段だ。
「いか入り焼きそば(300円)をひとつ。あと、おでん貰うよー」
「はーい」
おでんは赤い印のある串が50円、それ以外は40円である。はんぺん(50円)とジャガイモ(40円)を選び、味噌ダレに付けてダシ粉・青海苔を掛けてテーブルに運ぶ。うーん、懐かしい味だ。特にジャガイモは久しぶりに食べた。
後からポロポロと地元のお客さんも入って来て、焼きそば・おでん・おにぎり・カレーライスなど注文する。途中から店の旦那さんもやってきて、厨房を手伝い始めた。奥さんと何のかんの言い合いながら一つ一つ注文をこなしていく。私の焼きそばも出来上がったようだ。
麺は中太でちょっと固め。キャベツが多めに使われていてイカもたっぷり入っている。紅ショウガと青海苔がトッピングされているがダシ粉は使われてない。食べてみるとソースが意外にスパイシーだ。全体的にしっとりとした濃いめの味付けである。300円とは思えないボリュームで、かなり満足度が高い。
店内がだいぶ混んできたので、ささっと食べ終わってお勘定。焼きそばとおでんで390円。コストパフォーマンスは抜群だ。前述の通りこのえんどうは2012年3月30日を以って閉店してしまった。残念なことだが長年お疲れ様でした。もう一度行きたかったなあ……
店舗情報 | ※2012年3月30日、閉店しました TEL:054-365-0927 住所:静岡市清水区大手3-4-7 営業時間:11:00~18:00 定休日:月曜日 |
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主なメニュー | TEL:054-365-0927 住所:静岡市清水区大手3-4-7 営業時間:11:00~18:00 定休日:月曜日 焼きそば 200円 大盛 250円 焼きそば肉入り 280円 大盛り 350円 焼きそばイカ入り 300円 大盛り 370円 ピラフ、カレーライス 300円 大盛り 400円 おでん 一本 40~50円 |
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