食堂いとう
昨年末、焼きそば仲間の講釈師・神田鯉風先生と会津まで焼きそばを食べに行ってきた。それも青春18切符を使い東京から日帰りで、というのだから随分と酔狂な企画だ。だがまあ焼きそば好きという時点で酔狂なのだから仕方ない。いまさらなにをと言われそうな気がする。
時は昨年のクリスマス、12月25日未明。暗い中をとぼとぼ歩いてJR中野駅へ。午前4:25発の中央線始発に乗って新宿で乗り換え。山手線・埼京線と乗り継いで赤羽で鯉風先生と合流。寒い寒い。
東北本線・磐越西線とさらに繋げて、会津若松から先は各自別行動に。目的の喜多方駅に私が着いたのは、もう昼も近い11時過ぎ。この時点で出発から約7時間。はー、草臥れた。
喜多方と言えば蔵とラーメンのまち。駅前で借りたレンタサイクル(500円)を走らせると蔵造りの建物や老麺会の看板をそこかしこに見かける。そんな喜多方でラーメンを炒めた品を名物と謳う店があるのだ。それが今回紹介する食堂いとう。創業は昭和32年。中央通りを北へと走り、11時半頃に着いた。
店内は蔵を意識した内装で奥の壁には会津唐人凧が飾られている。会津弁で会話していた家族らしき男女3人が店員さん。客席はテーブルが4卓。先客はおっちゃんが一人。既にお銚子を2本空けていたが、そのうちタクシーが迎えに来て帰って行った。
壁のメニューは麺類と丼物が中心。定食もある。炒めそば(700円)には「当店名物」の煽り文句が付いていた。そいつを注文して、お冷を飲みつつ待つ。10分少々で出来上がり。付け合せの椀物と御新香と一緒に配膳された。
麺はいかにも喜多方らしい手打ちのモチモチ平打ち麺。食べやすいようにという気遣いか、麺一本一本が4~5cmほどの長さに調理されている。具はサイコロ状の豚バラにキャベツのみ。ソースでクタクタ、つゆだく状態で紅生姜がトッピングされている。
一口食べたら滅茶苦茶熱くて火傷しそうになった。フーフーしながら食べ進める。具材の旨味とソースが渾然一体となって癖になる味わいだ。GABANの黒胡椒を掛けても美味い。
付け合せの椀は澄んだスープで、こちらもいかにも喜多方ラーメンと感じる美味しさ。すっきりかつ深いコク。御新香は沢山の沢庵。思っていたより全体の量もあって満足できた。
食べてる最中、近所の年配女性が立ち寄った。店員さんとの別れ際、「ごめんくなんしょ」とこちらへも会釈してく。会津弁って和むなあ。炒めそばと会津弁にほんわか温まって店を後にした。
※同日別時刻に訪れた神田鯉風先生のブログ記事もどうぞご一読のほどを。
店舗情報 | TEL:0241-22-0970 住所:福島県喜多方市字一丁目4625 営業時間:10:30~17:00 定休日:不定休 |
---|---|
主なメニュー | 炒めそば 700円 炒めそば定食 850円 らーめん(しょう油) 550円 蔵らーめん(塩味・しょう油味) 800円 カツ丼 850円 チャーハン 650円 ニシンの山椒漬 500円 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません