お好焼 ぼちぼち 高円寺北口店

先週末、注目の新刊『お好み焼きの物語』の出版記念トークイベントが池袋のジュンク堂で開催された。知り合い二人の声を掛けて参加した帰り、ちょっと遠回りして訪れたのが高円寺にある「ぼちぼち」というお好み焼き店だ。

お好焼 ぼちぼち 高円寺北口店

内装は昭和30年代の大阪下町がテーマだそうで、店内はレトロな雰囲気を醸している。広尾の辺りにも似たような店があったな、と案内してくれた人に訊いたら、どうやら元系列店でつい最近閉店したらしい。

お好焼 ぼちぼち 高円寺北口店

パリパリキャベツ(230円)、やまいもピクルス(380円)に90分飲み放題(1600円)も注文して、まずは乾杯。店の公式サイトによると、「ぼちぼち」は首都圏に十数店舗をチェーン展開していて、この高円寺北口店は直営店とのこと。案内してくれた人の話だと、焼き手の若いお兄さんの腕も良いそうだ。

パリパリキャベツ(230円)、やまいもピクルス(380円)

そして特に焼そばがオススメという。焼きそばのページを開いてみるとバリエーションの多さに目を奪われる。

ぼちぼち 焼きそばメニュー

下の方には「村上朝日製麺所特製・太麺焼そば」と大きく謳っている。さらに「焼そばは生麺から茹でるのでできあがりまで20分ほどお時間をいただきます」との断り書きもある。せっかく3人いるのだからと何品か注文してみた。

ソース焼きそば(豚) 750円

まずは定番の「ソース焼きそば(豚・750円)」。麺は生の太麺。ソースは甘めでキャベツはざく切り。いかにも大阪風だが、こちらでは茹で上げた麺を水で締めてから炒めている。水で洗うことで麺の表面につけ麺のようなツルツル食感が生まれる。大阪だと茹であげてそのまま焼くスタイルが主流だが、これはこれで美味い。定番に見えても一味違う。

やみつき! 黒辛いか焼きそば 980円

続いて焼きそばメニューの筆頭に載っていた「やみつき! 黒辛いか焼きそば(980円)」。こういう店で「辛口」を謳う品は、辛いもの好きにとっては大抵ちょっと物足りない。しかしこちらは「む、なかなかやるな」という辛さ。苦手な人は注意が必要なレベルだ。味の方は大ぶりにカットされたイカが特徴的で、旨味も食べごたえも十分。辛党にはオススメしたい。

青ねぎと塩昆布のさっぱりレモポン焼そば 750円

そして案内人一押しの「青ねぎと塩昆布のさっぱりレモポン焼そば(750円)」。具と味付けは名前の通り。ほどよい酸味と昆布の旨味でスルスルっと食べさせる。味付けが割と濃いめで、一人前のポーションもやや軽め。酒の肴にちょうどよい。シンプルなだけに麺の美味しさが際立つ焼きそばだった。

すじ塩キャベツ 580円

焼きそば以外に、ここの名物という「すじ塩キャベツ(580円)」もいただいた。柔らかく煮込まれた牛すじとキャベツの鉄板焼きだ。牛ならではの風味がキャベツに合う。そりゃ美味いわな、という品。

ぼちぼち焼(ぷれーん) 850円

そして最後にお好み焼き。注文したのは屋号を冠した「ぼちぼち焼(ぷれーん・850円)。厚く焼かれた大阪風お好み焼なのだが、最上段にすりおろした山芋の層が重ねられているのが特徴だ。サクッ・フワッ・トロッのオノマトペ三連弾。軽い口当たりで女性ウケしそうだ。焼きそばに負けず劣らず、お好み焼きも美味しかった。

そういえば大阪の千房がハラル対応のお好み焼き店を1月にオープンしたらしい。朝日新聞の記事では具体的に触れられていないが、おそらくオタフクソースが開発したハラル認証を受けたお好みソースがあって実現できたのではと思う。見た目で損している感のあるお好み焼きだが、焼きそばとの縁も深いのでもっと広がってほしいなあ。

お好み焼きも食べ終えてお会計。他の店舗でも同様の焼きそばが食べられるのかわからないが、生麺なのは確実だろう。お近くに支店があったら寄ってみてね。

店舗情報TEL: 03-3336-1337
住所: 東京都杉並区高円寺北3-22-16 松屋高円寺ビル2F
営業時間: 17:00~翌2:00(土日祝は16時から)
定休日: 無休
ホームページ
主なメニュー青ねぎと塩昆布のさっぱりレモポン焼そば 750円
やみつき! 黒辛いか焼きそば 980円
ソース焼きそば(豚) 750円

すじ塩キャベツ 580円
ぼちぼち焼 ぷれーん 850円