沖縄料理 やなわらバー
※2023年3月13日の記事公開時点で、店長さんの体調不良のため、やなわらバーは休業中だそうです。4月からランチのみ営業再開予定とのことですが、訪問される方は直近の営業情報を別途ご確認ください。
昨年12月の某日。無類の焼きそば好きが五反田に三人集った。一人は一昨年『果てしなき焼きそばの旅』を出版した、クレイジー・ケン・バンドのギタリスト、小野瀬雅生さん。
もう一人は、昨秋に福島県浪江町で開催された「東北五大焼きそばサミット」に私と参加した、焼きそば仲間のJMPさん。
あと一人は、はい、私です。
向かった先は、小野瀬氏が著書で紹介されていた「やなわらバー」という沖縄料理屋さんだ。洒落っ気で「第1回全日本焼きそば会議」と銘打ち、いかにして焼きそばを盛り上げるかを語った。まあ、飲むのが目的なんだけど。
まずはオリオンビールの生(600円)で乾杯。お通しは松前漬け。沖縄料理屋さんだけど、店主さんは北海道の帯広出身だそう。
帯広と松前とでは、500km=東京と大阪ほども離れているので、北海道だから松前漬け!……というわけでもなさそう。美味しければ良し、というスタンスなのだろう。
焼きそばの前におつまみとしてアオサ海苔のヒラヤーチー(800円)を注文。もっちりした生地にアオサ海苔=アーサーが混じって、南の海の香りを運んでくれる。
も一つおつまみで豚耳のニンニク炒め煮(800円)。皮の部分がプルプル柔らかく調理され、良い塩梅で味が滲みている。軟骨のコリコリした歯応えとのコントラストが楽しい。
さてさて、落ち着いたところで焼きそばへ行ってみよう。こちらではいろいろなタイプの沖縄そば用の麺を使って、様々な汁そばや焼きそばに仕立てている。
レギュラーメニューだけでなく、壁にも何品かメニューが貼られていた。全品制覇は端から無理なので、3人で相談して興味のある品から注文してみた。
まずはナポリタン焼ソバ(900円)。説明書きには「沖縄麺のケチャップ焼ソバ」とある。太めのスパゲティよりさらに一回り太いくらいの麺に、ケチャップを煮詰めたような濃厚ソースが、たっぷり絡んでいる。食べてみるとかなり濃い目の味付けだ。酒が進む。
続いてソース焼ソバ(850円)。さっきのナポリタン焼ソバよりは少し細めの平打ち麺だ。こちらもなかなか濃い口で、スパムの塩分も相まって、酒がグイグイ減っていく。麺も味付けも異なるので、全く別の料理に感じる。
焼きそば三品目は、ワタガラス焼ソバ(850円)。ワタガラスは、カツオの内臓を塩と泡盛で漬け込んだ塩辛だ。こちらは幅広の平打ち麺を使っていることもあり、フィットチーネにアンチョビを和えたパスタのよう。シンプルだけど癖になる味だ。
最後は梅紫蘇焼ソバ(750円)。壁に貼られていた、梅紫蘇ソーミンタシヤー(※後述)の素麺を、沖縄そばの麺に変えたものだ。梅と紫蘇のさっぱりした酸味・風味は、これまで食べた品々と全く異なる食味だ。ほぼ満腹なはずなのに、ペロリと平らげてしまった。どの焼きそばも、めっちゃウメーン!
ちなみに「ソーミンタシヤー」は素麺を炒めた料理で、いわゆる「ソーミンチャンプルー」のこと。私もこの場で初めて知ったが、「チャンプルーは豆腐を使った炒め物、素麺と野菜だけ炒めた場合はソーミンタシヤーが正しい」と主張している方々がいるそうだ。
この件について、その後自分なりに経緯や資料をじっくり調べた。私としては「ソーミンチャンプルーと呼んできた人は、わざわざ呼び方を変えなくてよいのでは」という結論に落ち着いた。参照した資料が膨大なので、そのうちコラムにでもまとめたい。
焼きそばを食べつつ焼きそばについて散々語った。次回は地方で集まりましょう、と約束を交わして、この日の「第1回全日本焼きそば会議」はめでたくお開き。平日のみの営業だが、他の沖縄料理も魅力的なお店だったので、そのうちまた再訪したいなー。
店舗情報 | 住所: 東京都品川区西五反田2-10-8 ドルミ五反田ドゥメゾン 1F 営業時間: 12:00~13:30, 18:00~24:00 定休日: 土曜・日曜・祝日 |
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主なメニュー | ソース焼ソバ 850円 ナポリタン焼ソバ 900円 ワタガラス焼ソバ 850円 |
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