三河屋

前回紹介した四海楼は、1990年に早岐へ移転するまで、佐世保駅前で長年営業していた。そのためか、長崎県では一般的に「皿うどん=パリパリ細麺」だが、佐世保に限っては「皿うどんは太麺」「パリパリ細麺は焼きそば」という呼び分けが定着している。ラーメンとチャンポンの店、三河屋もそのひとつだ。

佐世保市 三河屋

昭和42年創業の三河屋は、佐世保随一の歓楽街、夜店公園通りのすぐ脇に看板を掲げている。営業時間は夕方から明け方まで。飲んだ締めにちゃんぽんを、そんなコンセプトがはっきりわかる店だ。

昭和42年創業

訪れたのは九州旅の3日目、最後の夜。「雀の巣」という店で焼きとりやら豚鼻(とんび)を肴に飲んだあと、9時過ぎに訪問した。

店は奥に細長い造りで、背中合わせのカウンター席がずらーっと二列並んでいる。20人くらいは入れそうだ。お店は初老のご夫妻が切り盛りされている。先客はおらず、厨房に面した席に着席。

三河屋 メニュー

メニューにはちゃんぽん、ラーメン、餃子、おでんなどが並んでいる。前述の通り、皿うどんは太くて軟らかいちゃんぽん麺。焼きそばはパリパリに揚げた細麺だ。ここ三河屋はさらにソース焼きそばもある。ややこしい。

おでんはセルフサービス

注文したのは皿うどん(900円)と麦焼酎の水割り(400円)だ。さらに「おでん、もらいますねー」と断って、おでん鍋から2本ばかりいただいた。こちらは1本130円なり。

「げんこつ」と「いわし天」

手前のは「イカ天」あるいは「げんこつ」。刻んだイカゲソを混ぜ込んだ長崎独特の練り物で、理由は不明だがドーナツ状になっている。奥の黒いのは「いわし天」。静岡の黒はんぺんをそのまま揚げたようなおでん種だ。出汁がよーく浸みてて、どちらも美味しい。

皿うどん 900円

10分ちょっとで皿うどんも出来上がり。混ぜ炒めではなく、焼いたチャンポン麺に、とろみのついた餡を掛ける餡掛けスタイルだ。餡の具は豚肉、イカゲソ、キャベツとモヤシ。そして赤いハンペンときくらげのトッピング。

自己主張はしないが存在感はしっかりある

餡の水分は少なめだが、味付けの輪郭がはっきりしていて、ちゃんぽん麺との相性が良い。押しつけがましい自己主張はしないが存在感はしっかりある、この店そのものを体現するような皿うどんだ。

佐世保随一の歓楽街、夜店公園通り<img src=” />

ずずっと平らげてお会計。師走の飲み屋街は旧交を温める若人たちで溢れていた。21時代では空いていたけど、天辺過ぎたら客席が埋まるんだろうなー。

ところでこの店もそうだが、太麺は皿うどん、細麺は焼きそば。そんな店がソース焼きそばも提供していると、メニューがちょっとわかりにくくなる。次回はその解決例をご紹介しよう。