中華 ふるさと
東伊豆町の白田(しらた)地区に「中華ふるさと」という町中華屋さんがある。肉チャーハンが名物で、その焼きそばバージョンもあるとか、ないとか。もしあるのならどんな品だろう、と確かめに行ってみた。
訪れたのは9月上旬の金曜日。空いているタイミングを狙って、中途半端な昼下がりの時間にしてみた。赤をベースにした、いかにも町中華という外観。一部が上に捲られていたが、暖簾には「変わったチャーハン」の文字が見える。暖簾でチャーハンを推す店は貴重だ。
店内も期待通りの雰囲気。客席はテーブル3卓、小上がり2、カウンター4席。先客はなし。壁には名物の肉チャーハンが掲載された記事の切り抜きや、取材で訪れた有名人たちのサインが飾られている。東伊豆の旅番組なんかで頻繁に紹介されているようだ。
メニューはカウンター上部に飾られている。ご飯類の筆頭ややはり肉チャーハン(800円)だ。そして焼きそば類にも肉焼きそばが……あれ、無い？ むむむ。目当ての品、肉焼きそばがメニューから外されている。もしや戦力外通告を受けてしまったのか……？
「ご注文はお決まりですか？」
「え？ あ！ えっと、肉チャーハンください！」
店の女将さんの問いかけに対し、動揺を隠せぬままにこの店の一番人気、肉チャーハンをつい注文してしまった。「ま、一度は食べておきたいと思っていたし！」なんて自分に言い訳しつつ待つ。5分ほどで肉チャーハンが配膳された。
こちらの肉チャーハンは、肉とキャベツ、ニラ、細切りのタケノコの炒めものを玉子チャーハンにトッピングしたものだ。スープ付きで、チャーハンの皿の端には何故か福神漬けが添えられている。
この肉炒めにはトロミはないので、いわゆる「あんかけチャーハン」とは異なる。ただし醤油とニンニクがベースのパンチの効いた濃いめの味付けで、癖になる味わいなのだ。美味しい上にそこそこボリュームもあり。伊豆と言えば海鮮のイメージが強いが、それにちょっと飽きている層には確かに受けるに違いない。
「肉焼きそばってなくなったんですか？」
食べ終えて、会計の際にそう尋ねたところ、夏の繁忙期はメニューから外しているそうだ。もう9月だし、そろそろ復活させるが、メニューになくても暇な時なら肉焼きそばの注文にも応じられるとのこと。なるほど、そういうことだったのね。ひとまず安心。
そして翌日、土曜の昼下がりにさっそく再訪してみた。我ながら良くやるわ。
この日、厨房に立っているのは若い男性だった。昨日の女将さんの息子さんかな？ 昨日の話と違ってて断られたらどうしよう？ まさか二日連続で肉チャーハン！？ いろいろ考えながら恐る恐る訊いてみた。
「肉焼きそばできます？」
「はい、いいですよ」
ほっ。良かったよかった。ようやく肉焼きそばにありつける。
そして出てきた品は、何と餡かけ焼きそばスタイルだった。麺は揚げ焼きした細麺。端の方はカリッと焼き上げてあり、中心部は柔らかめ。そこにトロミのついた餡がたっぷりと掛かっている。
具や味付けはチャーハンの肉炒めと同じ。この餡が麺に良い感じで絡まる。見た目は一般的なあんかけ焼きそばと変わらないため、肉チャーハンのインパクトには及ばないかも知れない、しかしこちらも十分美味しい。
肉焼きそばも肉チャーハンと同じ値段で、お会計は800円。海鮮に飽き、さらに肉チャーハンも何度も食べた。そんな人にはぜひ肉焼きそばも試して欲しいなあ。
| 店舗情報 | TEL: 0557-23-2651 住所: 静岡県賀茂郡東伊豆町白田313-5 営業時間:11:00～19:30 定休日: 不定休 |
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| 主なメニュー | 肉焼きそば 800円 ※忙しい時は注文不可 肉チャーハン 800円 |
