浅野屋本店
和蕎麦の焼きそば特集、3週目。以前、池の端藪蕎麦の巣篭もり蕎麦を紹介しましたが、今週はそれ系の品を紹介して特集の〆といたします。
内神田にある蕎麦屋、浅野屋本店。1872年(明治5年)に神田猿楽町で創業。1892(明治25)年、同町の大火をきっかけに現在の内神田へ移転したそうな。そんな老舗に「和風焼きそば」なる品があると知って訪れてみた。
7月下旬、平日の昼前。JR神田駅の西口から徒歩数分。商店街の持ちビル一階に目的の看板を見つけた。暖簾を潜って店内へ。老舗だけど気取らない街場の蕎麦屋という風情。客席はカウンター5席にテーブル6卓。奥には座敷もあるようだ。先客はまばらだったが正午が近づくと満席になった。
この店の蕎麦は「外二八」を謳っている。一般的な二八は蕎麦8:小麦2だが、外二八は蕎麦10:小麦2。蕎麦がやや多めのこの配合が百余年を経た伝統の味とのこと。で、肝心の和風やきそばなのだが。肴のページの最後に「揚げそば(あん)」「揚げそば(塩)」「和風やきそば」と並んでいる。
「ふむふむ、和風やきそばは揚げではなく炒め系なのね」と一人合点して和風焼きそば(1000円)を注文。他の席では丼と蕎麦とのランチセットが出ている様子。暑い日なので冷やしたぬきや冷やしきつねも注文されていた。
と、何やら山盛りの皿が運ばれて来た。え? 俺の? まさか炒め系じゃなく揚げそばなのっ!?
皿の上にはカリカリに揚げられた凄いボリュームの和蕎麦が鎮座。そこに醤油ベースの和風餡が掛かっている。餡の粘度は高め。具は海老、鶏肉、蒲鉾、筍、長葱。それから小皿で薬味のおろし生姜も。
餡は出汁が利いたしょっぱ目の味付けだ。それを絡めつつバリバリと揚げ蕎麦を平らげてゆく。他の客はズルズル・ツルツルだが、俺だけバリバリ・ポリポリ。なんとなく周りから好奇の視線を感じるが気のせいだろうか。
「外二八」の風味は損なわれるが、こういう蕎麦の食べ方も面白い。ただ油と味付けで随分と喉が乾くのは避けられない。酒かビールが欲しくなる味だよなあ。
食べ終える頃にはすっかり満腹に。池の端藪蕎麦で食べた巣篭もり蕎麦を思い出したが、倍くらいの量がある。後から調べたところ、池の端藪蕎麦と浅野屋本店は木鉢会という集まりで繋がりがあるようだ。もしかしたらこの和風やきそばもその縁でメニューに加わったのかな?
個人的には平日の17~19時限定の晩酌セットも気になった。老舗らしからぬ気軽な老舗蕎麦屋。機会を見つけて再訪したい。
店舗情報 | TEL:03-3254-4351 住所:東京都千代田区内神田2-7-9 営業時間:平日 11:00~15:00 17:00~21:30、土曜日 11:00~14:30 定休日:第1・3土曜日・日曜・祝日 |
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主なメニュー | 和風焼きそば 1000円 かけ 630円 もり 630円 かさね 1200円 ざる 730円 せいろ(つゆ無し) 320円 揚げそば(あん) 750円 揚げそば(塩) 630円 晩酌セット(飲み物+酒肴一品+もり・かけ) 1100円 |
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