三島屋
台東区は千束の西に位置する鷲(おおとり)神社、通称「おとりさま」。天日鷲命(あめのひわしのみこと)を祀るこの神社は、酉の市の起源・発祥の地としても知られ、今も年末の酉の市では大勢の人で賑わう。
さて、その鷲神社の裏手、前回でも少し触れた吉原と呼ばれたエリアからほんの少し外側に店を構えるのが、今回紹介する三島屋。こちらの口コミによると元々は昭和27年に南千住で開業して屋号も「さんとうや」と読んだそうだが、4~5年後にこの地へ移って、いつしか屋号の読みも「みしまや」に。今川焼きやたこ焼き、焼きそば、もんじゃ焼きなどを商って、地元で長年愛されてきた老舗である。
訪れたのは6月中旬、平日の午後14時半。虫養いに丁度良い時間帯だ。店内に入ると4人掛けテーブルが4つほどあった。先客は居ないが持ち帰りの注文が入っているのだろう、店主夫妻は今川焼きの箱詰めで忙しそうだ。空いてる席に腰掛けて壁のメニューを確認。
今川焼きが一個80円でたこ焼き・お好み焼き・焼きそば・そばもんじゃは300円。実はこの日は二度目の訪問で、初回訪問時は焼きそばとそばもんじゃの両方を食べた。こちらがその時に食べた焼きそば(300円)の写真。
細麺で具はキャベツのみ。シンプルながらも美味しいソース焼きそばだった。しかし、そばもんじゃの方が強く印象に残ったので今日はそちらだけを注文。
この店はお冷やも含めてドリンク類はセルフサービスである。その代わり、もんじゃは店の方で焼いてくれる。給水器からグラスに水を注ぎ、店に置かれていたこち亀を読みながら出来あがりを待つ。時折、地元客がやってきて持ち帰りの注文を店頭で交わしている。
しばらくして熱々のプレートが運ばれてきた。
ご存知だとは思うが、もんじゃ焼きは小麦粉を出汁で薄く割った種に具を混ぜて焼いたものだ。通常は鉄板で焼いてそのまま食べるのだが、この店はご覧の通り、普通イメージするもんじゃ焼きとは全く異なる外観である。そして300円とは思えないほど量が多い。月島辺りで観光客を当て込んでる店ならば1000円くらい取られそうだ。
食器も通常使われるハガシではなく、懐かしの先割れスプーンを渡された。具はキャベツに切りイカ、干しえびと紅ショウガ。揚げ玉も入っているのかな。「そば」は中細の中華麺で、量は少ないが小手で細切れにされてきっちり入っている。その中央に玉子が一つ割られて半熟状になり、仕上げに青海苔がトッピングされていた。
全体がグチャグチャのごちゃ混ぜ流動体だが、端の方は焦げてパリパリの部分もある。酸味の効いた薄いソース味で、駄菓子的な美味しさだ。ぱっと見のボリュームは凄いが、出汁で水増しされているため、食べてみるとお腹への負担は案外少ない。
これだけの品を300円で食べられるなんて、と少々申し訳ない気持ちになりながらお会計。いつまでも続けて欲しい隠れ家的なお店である。なお、もんじゃ焼き屋の焼きそばもいつか特集するつもりだ。気長に待たれたし。
店舗情報 | TEL:03-3872-4443 住所:東京都台東区千束3-4-9 営業時間:12:00~20:00 定休日:水曜日 |
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主なメニュー | 今川焼き 一個 80円 そばもんじゃ 300円 焼きそば 300円 たこ焼き 300円 お好み焼き 300円 |
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