皆楽園
日本橋小伝馬町の江戸通り沿いに皆楽園という上海料理屋がある。創業は1949年(昭和24年)というから、今年で66年目か。ここにも例の上海風焼きそばがあった。
2月中旬、日曜の夜18時半頃に訪問。地下鉄日比谷線小伝馬町駅から地上に出て大通りを進む。オフィス街なので平日は賑やかなのだろうが、週末夜ということで人通りは少ない。
すぐに目的の店に到着。照明に照らされた看板には上海料理の文字が。老舗というより町場の中華屋っぽい。店内もざっかけない雰囲気だ。客席はテーブルが7卓。先客2組。
メニューを眺めると値段も町場の中華屋並に安い。ラーメンが500円、餃子が450円。家常豆腐丼というのも興味を惹かれる。上海風焼きそばは「上海麺」と呼ばれているらしい。
「ご注文はお決まりですか?」
「この上海焼きそば(上海麺・700円)と生ビール(550円)を」
「はい、上海焼きそばー」
ホールを担当しているこの男性が店主のようだ。ビールを持ってきたあとも「新聞か何か見ます?」「タバコ吸います?」と気配りが素晴らしい。幼い子供を連れた家族連れにも親しげかつ細やかに対応していた。
5分足らずで焼きそばも運ばれて来た。麺は扁平気味の中細麺。蒸し麺なのか、独特な歯応えだ。具は豚肉、キャベツ、モヤシ、ニンジン、木耳、小松菜。味付けは醤油とオイスターソース。野菜から出た水分なのか汁気が多めだ。
生ビールのつまみにしつつズルズルと手繰る。旨味たっぷりで美味しい。ボリュームも充分。これは癖になるよなあ。皿の脇に添えられたカラシも混ぜつつ完食。食べ終わった皿には残り汁が溜まっていた。
ちなみに後から来た客が普通に「焼きそば」と頼んでいて、上海麺と同じ焼きそばが出ていた。また五目上海麺は野菜のうま煮が掛かっているそうだ。上海風焼きそばが神保町界隈で生まれたという私の仮説が正しいとして、それが後発の上海料理店にどのように受容されたかが窺えて、なかなか興味深い。
(こんな焼きそば、上海にないんだけどなあ……。ま、"広東"麺や"天津"丼もあることだし、こういう料理の名前だと思っておくか……)
そんな感じで納得したのかも知れない。あくまでも私の妄想だけど。
お会計は1250円。お手頃価格で細やかな接客。老舗の上海料理店ということでどんなお店かと思ったが、お財布にも優しい穴場の店だった。近所に来たらまた寄らせていただこう。
店舗情報 | TEL:03-3661-2393 住所:東京都中央区日本橋小伝馬町13-6 営業時間:11:00~22:00(日・祝:~20:00) 定休日:土曜 |
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主なメニュー | 上海麺 700円 五目上海麺 750円 海老上海麺 850円 揚げ麺 700円 五目揚げ麺 750円 ラーメン 500円 広東麺 700円 炒飯 600円 餃子 450円 天津丼 750円 家常豆腐丼 800円 生ビール 550円 |
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