大勝軒(茅場町)

2018年2月22日

あんかけ焼きそば特集、5週目は人形町系の大勝軒を取り上げてみたいと思います。


大勝軒と言えばつけ麺の東池袋系と、そのルーツである丸長のれん会が有名だ。あるいは麺の量が多い永福町系を思い浮かべる人も多いだろう。しかしそれらとは別に人形町系という系譜があるのはご存じだろうか。大勝軒と名乗る系統の中ではこの人形町系が実は最も古いらしい。

人形町にあった大勝軒は中華料理の店で、1912年(明治45年・大正元年)に創業したそうだ。始祖の店は珈琲専門店に業態を変えてしまったが、今なお暖簾分けした店が10ほどもある。茅場町の新川にある大勝軒はその中で最も古い。

※2014.12追記 上記を一部訂正。正しくは1905年(明治38年)に日本橋芳町(現人形町)にて始祖の店=大勝軒総本店が創業したらしい。詳しくはこちらを。

茅場町 亀島川

茅場町の大勝軒を訪れたのは3月下旬、土曜日のお昼時。地下鉄茅場町駅を降り、霊岸橋で亀島川を渡れば新川だ。今年は桜が早すぎて、河岸ではもう散り始めている。

茅場町 新川 大勝軒

橋を渡って右手二本目の脇道に曲がると派手な電飾看板が目に入った。ここが茅場町の大勝軒か。約100年前、1914年(大正3年)創業だが店舗は随分と新しい。

店内は思ったよりこじんまりしていたが。二階もあって、一階はテーブル席のみで14人くらいのキャパ。厨房に男二人、ホールに女性一人という構成。家族経営なのかな。昼時のため、テーブルはほとんど埋まっていた。かろうじて空いていた席に腰掛ける。

茅場町 大勝軒 メニュー

一般的な中華屋的メニューだが、純レバ丼があるのは東京の老舗っぽい。他の客は麺類の注文が多そうだ。お冷を受け取ったついでに焼そば(730円)を注文。

日本橋浜町で大正3年祖母が創業
塩味さっぱり油分ひかえめにこだわっています

メニューにそんな文言も書いてあった。ふーむ、もともとは別の場所にあったのか。と、10分ほど待って焼きそば登場。あんかけなのは知っていたがこりゃまた随分と白いな。

焼そば 730円

麺は縮れた中細麺。ボリュームはそれほどでもない。餡は銀餡。具はモヤシ、白ネギ、玉ねぎ、豚肉とごくシンプル。緑黄色野菜が見事に皆無。

麺はちゃんと炒めてあるが焦げ目などはない。餡の味付けはあっさり気味でやや甘め。ふーむ、やや物足りないが素朴な美味しさではある。刺激物に満ちた平成の舌には、大正時代の味のままでは刺激が足りないのかも知れぬ。酢とカラシを加えた方が自分好みだった。

縮れた中細麺にあっさり銀餡

ほどほどの量だったので食後も胃がもたれるようなことはなかった。何かサイドメニューをつけても良かったかな。今回は初回訪問なので基本を押さえてノーマルの焼きそばにしたけど、五目焼きそばも食べてみたいなあ。

新川大勝軒飯店

店舗情報TEL:03-3553-1058
住所:東京都中央区新川1-3-4
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:30(土 11:00~14:00)
定休日:日曜・祝日
ホームページ
主なメニュー焼きそば 730円
五目焼きそば 830円

純レバ丼 730円(卵黄のせ+50円)
レバ野菜丼 730円(卵黄のせ+50円)
ラーメン580円 わんたん530円
たんめん680円 餃子450円