伊勢醤油本舗
東海地域の焼きうどんと言えば亀山みそ焼きうどんが有名ですが他にも変り種がチラホラ見つかりました。
お伊勢さん内宮前の「おかげ横丁」には伊勢うどんを提供する店が多い。ご存知の方も多いだろうが伊勢うどんは太くて柔らかいうどんを醤油とみりんを使った真っ黒なタレで食べる伊勢地方の名物だ。私も二度ほど食べたことがあるが何となくぼんやりした味で、正直「これは美味い!」と感動するほどの品でもない。
そのおかげ横丁の一角にある伊勢醤油本舗では、伊勢うどんを焼いた「焼き伊勢うどん」を提供しているという。あの伊勢うどんを焼いたら一体どんな味になるのだろう? 気になったのでお伊勢参りのついでにちょっと寄ってみた。
訪れたのは5月上旬、平日のお昼時。伊勢内宮のおかげ横丁も、その日はさすがに雨で空いていた。暑ければ赤福氷でも食べたいところだが、肌寒いくらいなのでさすがに要らない。
伊勢醤油本舗は古い建物を改造した小奇麗な店舗だった。店内には伊勢醤油を始め、ぽんずしょうゆや出汁しょうゆがレイアウトされ、大きな画面で伊勢醤油の映像が再生されていた。
「いらっしゃいませ」
店員さんは女性が二人。焼き伊勢うどんは左手のカウンターで注文するようだ。他にもあげまんじゅうやソフトクリームが売られている。
焼き伊勢うどん(350円)と温泉卵のトッピング(70円)を注文すると、一人の女性は奥に入り、もう一人の女性が外向きに設えられた鉄板に火を入れた。
奥から湯気を立てたうどん玉が運ばれて来ると、鉄板にラードと醤油ダレを引いて調理開始。激しく泡立つタレにうどん玉を乗せて小手でちゃちゃっと混ぜ炒める。香ばしい匂いの立ち込めたところで器に盛り付け、トッピングを載せて出来上がり。「お好みでブラックペッパーか一味をお掛けください」と言いながら渡してくれた。
お店の推奨に従い、ブラックペッパーを少々掛ける。醤油の焦げた香りが食欲をそそる。基本は持ち帰りの店だが、店内にもイートイン用に椅子が2つあった。晴れてれば外のベンチで食べるのだがこの雨なので店内でいただくことにした。
麺は極太でやわやわのうどん玉。勢いよく持ち上げると千切れそうだ。その上に温泉卵と小口切りの葱、紅生姜が載せられている。具は一切無く、シンプルに麺と醤油ダレだけで勝負している辺りは如何にも伊勢うどんだ。早速食べてみるとこれが美味い。温泉卵を絡めるとさらにコクが出て美味い。お店お勧めのブラックペッパーも良い感じで効いている。
伊勢うどんの弱点は動物性の旨味が無いことだと常々思っていたが、この焼きうどんはラードがそれをカバーしていた。ぼんやりしていた味の輪郭がくっきりした感じだ。具のバリエーションも増やせるのかも知れないが、出来れば今のままが伊勢うどんらしくて好ましい。旧来の伊勢うどんではちょっと物足りないという方は試してみては如何?
店舗情報 | TEL:0596-23-8838 住所:三重県伊勢市宇治中之切町52(おかげ横丁内) 営業時間:9:30~17:30(ただし季節による) 定休日:無休 → ホームページ |
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主なメニュー | 焼き伊勢うどん 350円 トッピング温泉卵 +70円 冷やし伊勢醤油まん 120円 伊勢醤油ソフトクリーム 300円 |
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