なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。 西武新宿店
なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。そういう屋号の店がある。カレーは飲み物。というカレー屋の系列店で、池袋にある壬生が本店。そこに掲げた看板の文言が、冒頭の屋号の由来だそうだ。先週紹介した職安通り近辺の韓国料理店を探索している最中、その西武新宿店を通りがかった。
その際、暖簾の「そば飯」の文字を見つけた。え? そば飯なんて出していたっけ? 山西亭のすぐ近くに東新宿店があるので、店の存在は前から知っていたが、全くノーマークだ。戻って調べてみると、どうもこの西武新宿店でのみ、和蕎麦と返し醤油を使った「関東そば飯」なる品を出しているらしい。ふーむ、それは一度食べてみなくては。
初訪問は1月下旬、平日のランチタイム。店頭の券売機に目的の品が見当たらないので訊ねたところ、「そばめしは夜だけなんですよ」との答え。ま、食べ歩きではよくあることだ。気を取り直して、1番人気の肉蕎麦(790円)を注文。蕎麦は太く硬い。コシと言うよりゴワゴワとした歯応えだ。海苔とゴマがたっぷりトッピングされ、天かす・生卵は入れ放題。ラー油も入っている濃口のつけダレを絡めて頬張ると、ジャンクなつけ麺風の味わいが楽しめる。
この蕎麦の食べ方は、愛宕にある港屋という蕎麦屋が始めたスタイルで、ここを含めて港屋インスパイア系と呼ばれるそうだ。麺の固さやつゆの味わいなど、山形県河北町の一寸亭支店で食べた「冷たい肉蕎麦」を思い出したが、やはりどうもその辺がルーツらしい。ボリュームもあって、若い男性向けのガッツリ飯という印象を受けた。
そしてその翌日の夜に改めて再訪問。夜は券売機に覆いが掛けてあり、口頭で注文することに。メニューを確認して、瓶ビール(550円)と牛盛りそばめし(890円)を注文した。
瓶ビールは一番搾り、スーパードライ、黒ラベルがあり。黒ラベルを指定。厨房では茹で上げた蕎麦を中華鍋で炒めている。「和蕎麦屋っぽさ、ゼロだなー」とか思っていると、5分ほどで配膳された。
器に盛られているチャーハン風の品は、適度に短くなった蕎麦と米、牛肉、玉子を炒めたものだ。前回食べた肉蕎麦と同じく、たっぷりのゴマと刻み海苔がトッピングされている。脇にキムチが添えてあるが、それ以外の野菜は見当たらず。そして温かいわかめスープ付き。
味付けは返し醤油を使ったしっとり仕上げ。ソースでは無く醤油、中華麺でなく蕎麦なので、普通のそばめしとは風味が全く異なる。甘じょっぱさにゴマの香ばしさも加わって、あとを引く美味しさだ。もちろんビールにも合う。
入れ放題の揚げ玉や生玉子も加えたり、ラー油を足したり、味変も楽しい。添えてあるキムチや、ワカメスープも口直しに活躍した。ボリュームは一般的な町中華のチャーハンか、それより一回り少ない程度だ。ちょっとカロリー高めだが、呑んだ〆に良さげな品だった。おかずやミニそばとのセットもあるので、食事の場合はそれも検討するのが良いだろう。
お会計は1440円。ここまで立て続けに4軒も職安通りの店を紹介してしまったが、探索し甲斐のあるエリアだなあ。またウロウロしてみようっと。
店舗情報 | TEL: 03-6205-9898 住所: 東京都新宿区百人町1-8-1 シャルムコート新宿ステーションパレス 1F 営業時間: 11:00~23:00 定休日: 無休 |
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主なメニュー | 関東そばめし ※夜のみ 牛盛りそばめし 890円 豚肉そばめし 790円 鶏肉そばめし 790円 そばめし 690円 |
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