ゑちごや
東大の赤門から程近い本郷の菊坂に、ゑちごやという甘味処がある。創業は明治10年で当初は青果店だったが、大正末期に甘味処になったそうだ。その際に考案した小倉アイス最中がこの店の名物として知られているが、併設されている食事処では麺類や丼物、定食類も食べられる。
訪れたのは6月中旬の平日。店頭では大福や餅、団子などが売られている。左の暖簾を潜って店内へ。こじんまりした店内にはテーブルが4卓にカウンター席が5脚、設えられていた。丁度お昼時で、先客はネクタイ姿のサラリーマンが3人ほど。
食事メニューは前述の通り、丼物・定食・麺類が中心。裏面にはいそべ巻きや雑煮などの軽食、あんみつや汁粉などの甘味も載っていた。先客は定食や冷やし中華などを食べている。
温かいお茶を運んできてくれた店主のおじさんに「やきそば(500円)を一つ」と注文。お茶を喫みながら店内を見渡すと、壁に昭和24年頃の定価表が貼られていた。
甘味や飲み物しか書かれていないが、汁粉やぜんざいが10円、あんみつやみつまめが15円という価格である。小麦粉も砂糖も未だ統制されていた時代だろう、資料としてなかなか貴重な品だ。コーヒーと純コーヒーの違いは一体なんなのか気になる。無印は代用コーヒーだったのだろうか。
中華鍋で炒める厨房の豪快な音が止み、やがて焼きそばの盛り付けられた皿が運ばれてきた。
麺は細くて柔らかめ。具はキャベツ、人参、シメジ、ピーマン、玉ねぎと野菜が中心で肉は見当たらない。刻み海苔がトッピングされ、脇に紅生姜が添えられている。ソースの旨味が前面に出たオーソドックスな焼きそばだ。しっとりした油脂のせいで意外にこってりした味わいである。量はほどほど。食事として食べるなら何かもう一品欲しいかも知れない。小倉アイス最中を注文してもよかったな。
菊坂の辺りには樋口一葉や宮沢賢治など、文豪ゆかりの建物がそこかしこにあって、散歩コースとしても面白い。出かけたついでに小腹が空いたら、ふらっと寄ってみてはいかがだろう。
店舗情報 | TEL:03-3812-7490 住所:東京都文京区本郷4-28-9 営業時間:10:30~17:00 定休日:不定休 → ホームページ |
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主なメニュー | やきそば 500円 ラーメン 500円 もち入りラーメン 600円 カレーライス 500円 かつ丼 650円 焼肉定食 700円 ツナハンバーグ定食 700円 にらまんじゅう定食 700円 アズキアイス 240円 アイスクリーム 240円 コーヒーアイス 240円 アイス三色盛合せ(小) 450円 アイス二色盛合せ(大) 480円 |
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