東北烤羊腿
JR新大久保の線路脇に東北烤羊腿(トウホクコウヤンテイ)という中華料理店がある。屋号の通り、中国の東北料理を出す店だ。ホームからも看板が見えるのだが、そこに「烤冷麺(烤冷面)」の文字が見える。そう、前回紹介した天天楽と同じく、この店でも「焼き冷麺」を提供しているのだ。しかし、これが全く異なるスタイルだったりする。
訪れたのは3月中旬、日曜のお昼時。その日は東京タワーで台湾フェスが開催された。メシコレ仲間のぼさのばさんと、そのお連れさんがそのフェスに行ったのだが、あまりの行列の長さで台湾を諦め、東北の誘いに乗ってくださった。中華料理は大人数だといろいろ食べられるのでありがたい。
店舗は大勝軒まるいち新大久保店駅の2階にある。一段一段が微妙に歪んでいる狭い階段を登ると、店内の様子が全く分からない殺風景なドアが現れる。心理的ハードルが高いけど、臆せず入店。
フロアにはボックス席が多数あり。先客はいなかったが、店主夫妻の娘さんらしき小学校低学年くらいのとても元気の良い女の子がウロウロしている。とりあえず窓際に着席して、まずは生ビールで乾杯した。
「烤羊腿(コウヤンテイ)」を謳うだけあって、各テーブルには焼肉用の設備が整っている。しかし昼から焼肉というのも何なので、他のメニューで攻めることに。ちなみにテーブルの調味料入れには、クミン・胡椒・唐辛子の各スパイスとチリソースも用意されていた。香辛料使い放題ってのは嬉しいなあ。
まずは前菜にトウミョウと木耳の和え(豆苗拌木耳/480円)を。豆苗がシャキシャキで、普段見かける品より葉っぱも大きめだ。酸味を効かせた、さっぱりした味付けで食欲増進。理想的なスターターである。
続いてホルモンの醤油煮(卤肥肠/680円)。肉厚なホルモンを甘辛く煮た品で、にんにくダレも付いてきた。とても柔らかく煮込まれていて期待以上に旨い。日本の居酒屋で食べるモツ煮込みに通じる味わいだが、五香粉の風味もあってやはりどこか違うんだな。ビールが進む。
羊肉のクミン揚げは価格失念。羊肉をカリッと揚げ、ゴマとクミンシードをたっぷり塗してある。羊独特の香りが芳醇なスパイスによって旨味へと昇華している。うんうん、羊とクミンの相性は鉄板だなー。さらにビールが進んでしまう。
干し豆腐と青唐辛子炒め。ピーマンに似ているのは中国の青唐辛子、尖椒(ジャンジャオ)かな。一口目の辛さはせいぜい万願寺唐辛子と同程度だが、種も使っているので後からジンワリと辛味がやって来る。幅広の干し豆腐はザラッとしたテクスチャで歯応えあり。ぼさのばさんのお連れさんは「布みたい」とあまりお気に召さない様子だった。
そしてお待ちかねの烤冷面(1200円)。この店では「焼き冷麺」ではなく「冷麺焼き」と表記されている。事前に口コミサイトで調べたメニューの写真では、前回紹介した天天楽の「烤冷面」とほぼ同じに見えたのだが、出てきた品は似ても似つかない料理だ。
麺は天天楽と同じく、シート状の冷麺を使用。それを切ってあるのか、千切っているのか、一口大に分割して、玉子・ソーセージ・尖椒(ジャンジャオ)・玉ねぎ・レタスと炒めてある。味付けはラー油と醤油ベースだろうか、スパイシーな甘辛味。モチっとした冷麺がなかなか美味しい。玉ねぎがほぼ生なのも強烈で面白い。
使っている素材や味付けは確かに天天楽と似ているのだが、スタイルは全く違う。ぜひ、前回の記事と見比べて欲しい。入口の柱に書かれていた「特色烤冷面」の謳い文句にふさわしい、個性的な一皿だった。
もう少し何か食べたいね、と締めに注文したのは「臭い豆腐の揚げ(炸臭豆腐/880円)」。くっさいくっさい臭豆腐を揚げ、串刺しにしてスパイスをたっぷり塗したもの。臭豆腐のこういうスタイルは初めてみた。リクエストしたぼさのばさんはもっと臭いがキツイのを期待していた様子だが、たっぷりスパイスは歓迎していた。
お酒も何度かお代わりして、お会計は一人4000円くらい。目的の焼き冷麺=烤冷面はもちろん、他の料理も色々と個性的な店だった。今度は夜に来て羊肉をじっくり食べてみたいなー。
店舗情報 | TEL: 090-9965-0377 住所: 東京都新宿区百人町2-3-25 2F 営業時間: 11:00~翌1:00 定休日: 無休 |
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主なメニュー | 冷麺焼き(烤冷面) 1200円 トウミョウと木耳の和え(豆苗拌木耳) 480円 ホルモンの醤油煮(卤肥肠) 680円 臭い豆腐の揚げ(炸臭豆腐) 880円 |
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