ジャサナ
西武新宿線の新井薬師駅とJR中野駅の中間あたり、薬師あいロード商店街の一角にジャサナ(JASANA)というインド・ネパール料理店がある。自宅から割と近いこともあり、軽い気持ちでネットでメニューをチェックしたら何やら随分と変わった品を見つけた。
訪問したのは4月上旬、平日の夜19時半過ぎ。店舗は半地下になっていて、フロアは結構広い。客席は丸テーブルが一つ、4人掛けテーブルが3卓。カウンターもある。先客はいなかったが、食事中にあとからカップルがやってきた。
テーブルに着席してお冷を受け取る。インドの国旗を掲げているが、ホール担当の男性はネパール出身とのこと。インド・ネパール料理店、いわゆる「インネパ」の店にありがちなパターンだ。
さて、メニュー。基本的にはインネパの定番が並んでいる。ナンにカレー、タンドリーチキンにスナック類。チョコレートナンやフルーツナンなど、甘いナンもあるのを知り、「ナンということでしょう」と心でつぶやく。サイドメニューも妙に充実していて、例えば麺類もチョウミン(チャウミン)だけでなくスープ麺のチャウチャウもあった。
そして私が注目したのが、チャウチャウの右隣にある「フライドうどん(200円)」だ。メニューの説明では「ニンニクで軽く炒めたうどん/カレーと一緒にどうぞ」とある。ネパールの焼きそば・チョウミンや前回紹介したチベットのチャウチャウではなく、炒めた「うどん(Udon)」をネパールでも食べるのだろうか。
そのフライドうどんとカレーをセットにした「うどんセット(1000円)」があったのでそれを注文。カレーはチキンカレーの辛口を指定した。ラッシーとサラダが運ばれてきたついでに、ちょっと疑問点を訊いてみた。
「すみません、質問いいですか?」
「はい、どうぞ」
「ネパールでも『うどん』て呼ぶんですか?」
「ええっと、ちょっとお待ちください」
シェフと何やら会話している。しばらくして戻り、「パスタチャオミンと言います」との答えを得た。うーん、普通だ。それが「フライドうどん」という名前に至った経緯を詳しく知りたいが、会話力と知識が足りないので諦めた。
やがて注文したチキンカレーとフライドうどんが運ばれてきた。焼きそばや焼きうどんがカレーと別盛で出てくるパターンは、日本の飲食店を含めてもこれまで無かったように思う。
フライドうどんは茹でたうどん玉を使用。微塵切りのニンニク、クミンシードを絡めてカリッと焼き、万能ねぎを少々散らしただけの具無し焼きうどんだ。ほんのりスパイシーでモチモチ食感。そのまま食べてもなかなか美味しい。
付け合せのチキンカレーはゴロッと鶏肉の塊が入っていて、食べ応えがある。ほどよい辛さで無難な美味しさ。うどんに絡めると、さらに良し。今まで何度かカレー焼きうどんを食べてきたが、さすがにカレー自体のレベルが違って、よりリッチな味わいだ。トロミ加減もちょうどよく、うどんに良い塩梅で絡んでくれる。
バクバクと食べ進めたら、焼きうどん一皿ではちと物足りないことに気付いた。このままだとカレーも余りそうだし、うどんのお代わりか半ライスでも追加で頼もうか。そう思った矢先、「うどんのお代わり、お持ちしますか?」との申し出があった。
「え? いいんですか?」
「はい、セットだと一杯までお代わり無料です」
ありがたやありがたや。お代わりのフライドうどんはカレーの器に直接投入してみた。こうして見るとベジキッチンで食べたカレーチャウミンに通じるものがある。普通に頼んでも一玉200円という安さだし、ご飯やナンと同じように、カレーと併せて食べる主食という位置づけなんだろうな。
ちなみに某口コミサイトによると、今回注文した「うどんセット」は元々「ミッキーカーチスセット」と呼ばれていたらしい。しかし、今のメニューにその名前は残念ながら見当たらなかった。ミッキーカーチスがタイへ移住してしまったからだろうか。ちょっとさびしい。
お代わりの分も平らげて、お会計はちょうど1000円。ありがちなインド・ネパール料理店に見えて、意外な隠し玉を持つ面白い店だった。最初の方で述べたようにチョコレートナンやフルーツナンもあるし、普通のナンとカレーのセットに飽き気味の人も楽しめそうだ。一風変わったインド・ネパール料理に興味のある方は寄ってみてね。
店舗情報 | TEL: 03-3389-7630 住所: 東京都中野区新井1-36-3 フジビル2 1F 営業時間: 10:00~23:00 定休日: 無休 |
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主なメニュー | うどんセット 1000円 フライドうどん 200円 |
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