江戸川
灯台下暗し。つゆだくの焼きそばを出す店が何と東京のど真ん中にもあった。場所は中央区築地市場の場内。魚がし横丁6号館にある江戸川という食堂だ。創業は大正元年で100年超の老舗だとか。
訪れたのは昨年12月上旬の平日。早朝6時半過ぎに訪問。実は築地の場内は今回が初経験。こんな時間なのに凄い活気だ。ちなみにマグロのセリ見学はさらにさらに早い時間でないと受付に間に合わないらしい。
縦横無尽に走り回るターレに気を付けながら飲食や物販の店が集まる魚がし横丁へ。観光客の長い行列が出来ている店もある。外国人も多い。それを尻目に江戸川と染め抜かれた暖簾を潜った。
店内は奥に細長く、客席はカウンターのみ10席ばかり。店員は老夫婦とその息子らしき三人。客は6割ほどの入りで、みな築地で働いている人たちなのだろう、長靴で定食を食べている。
メニューは魚介系の和食が中心だがラーメンやチャーハンなどもある。口コミだとタラの煮付けや深川丼が人気のようだ。その深川丼もつゆだくが美味いらしい。ところで目的の焼きそばだがメニューをざっと眺めても見当たらない。実はここの焼きそば、長年のブランクを経てこの年、2013年の頭に復活したという。もしかしたらまた無くなったのか?
……と一瞬不安が過ぎったが、ちゃんと脇の方に「焼きそば 850円」の貼り紙があった、ありました。一安心。朝飯にしては高いけど迷わず注文。すぐにおっちゃんが中華鍋で調理を始め、5分も経たずに出来上がり。湯気の昇る深皿が目の前に置かれた。うむ、つゆだくである。
麺はやや縮れた茹で麺。太さは普通。具は豚肉・キャベツ・モヤシ・玉葱・人参・ピーマン・シメジ。つゆだく熱々でアサツキが散らされている。味付けは醤油ベースだろうか、コッテリなのに薄めの不思議な味だ。ラードかバターか、動物性らしき油脂がたっぷり使われているっぽい。
ボリュームはそこそこだが油脂のせいか妙な満腹感がある。チャンポンのように具を炒め煮して滲み出たのであろう旨味とコクを感じた。健康を気にして、さすがにツユを飲み干すのはやめといた。
これまで紹介したように他所にもつゆだく焼きそばはあるが、ここのはかなり独特で不思議な味わいである。さすが築地、侮れない。
店舗情報 | TEL:03-3541-2167 住所:東京都中央区築地5-2-1 築地市場 6号館 営業時間:5:00~13:00 定休日:日曜・祝日・不定休(築地市場に準ずる) |
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主なメニュー | 焼きそば 850円 タラ煮 1100円 肉豆腐 600円 深川丼 850円 ラーメン 550円 |
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