丹頂 高城新町店

2016年7月8日

大分市街地中心部の府内町に丹頂という焼きそば屋があった。昭和35年の創業以来、50年の長きに渡り地元民に愛されてきたが残念ながら2010年3月に閉店。その後、ファン有志によって再開されたらしいが、今年7月末に私が訪れたときにはもう営業していなかった。

大分市府内町 丹頂本店 跡地

閉店していることを知らずに丹頂本店へやってきてしばし呆然。跡地へ虚しく佇むなか、その場でネットで調べて今回紹介する丹頂・高城新町店の存在を知る。

丹頂 高城新町店

前回紹介したかどや萩原本店から程近い、国道197号沿いにある系列店か。よっしゃ、行ってみよう。と、バイクで移動。ファサードが渋い。焼きそばを大きくアピールしている。

渋いファサードの丹頂・高城新町店

間口が狭いが入ってみると奥行きは結構ある。客席はL字カウンター10席にテーブル2卓。先客は3人で全員が焼きそば定食を食べていた。

丹頂 高城新町店 メニューの一部

メニューは焼きそば屋というよりも中華屋さんだ。ラーメンやチャンポン、定食類に大分名物のとり天もある。焼きそばにわざわざ「鉄板焼」と補足してあるのは、あんかけ焼きそばとの混同を避けるためかな。

「注文はお決まりですか?」
「焼きそば(620円)を単品でください」

鉄板で麺の両面をじっくり焼く日田方式

こちらの焼きそばは日田系焼きそばがルーツのようだ。茹で麺を鉄板に広げて両面をじっくり焼き上げる。さらにモヤシを乗せ、ソースを掛けて豪快に解し炒め。濛々と湯気が立ち上る様はなかなか壮観である。

焼きそば(鉄板焼) 620円

一般的な日田系焼きそばとの違いは麺。太い麺が多い日田に対して、こちらは細麺を使っている。モヤシも細く、豚肉は入っているが生玉子は乗ってない。紅生姜は卓上から自分でトッピング。青海苔は無し。

別角度から 結構なボリュームです

横からみると分かるが、並でもなかなかのボリュームだ。パリパリに焼きあがった細麺は、日田系で標準的な太い麺よりもクリスピーさが増している。生玉子を乗せないのもこの食感を尊重してだろうか。

パリパリ麺にフルーティなソースが絡む

味付けはフルーティーなソースで、割と濃い目。ご飯が合うであろう味付けで、確かに他の客が定食にするのも分かる。食べ歩きでなければ自分もご飯をつけていたところだ。

あとから来た客も焼きそば大盛りを注文。これだけメニューがあるのに全員焼きそばって凄い人気だな。日田発祥の焼きそばが大分で独自の進化を遂げ、開花してる様子を目の当たりにできて面白かった。本店の閉店で諦めず、ここまで来て良かったなあ。

丹頂

店舗情報TEL:097-558-1155
住所:大分県大分市高城新町9-1
営業時間:11:00~22:00
定休日:日曜日
主なメニュー焼きそば(鉄板焼) 620円

ラーメン 520円 チャンポン 700円
焼飯 600円 とり天 630円