奇珍

2015年12月24日

広東料理の老舗特集。最後に紹介するのは、前回紹介した華香亭本店から4~500mほど離れた本牧通り沿いにある奇珍。こちらも大正7年(1918年)に創業した老舗の中華料理店だ。

大正7年創業 横浜 麦田町 奇珍

2月中旬の平日、夕方に訪問。石川町からだと山手隧道のすぐ先の右手に店舗がある。鋭角な角地に当たるためか、店の構造がちょっと複雑だ。

店頭のガラスケース

店頭のガラスケースの中には食品サンプルならぬお土産サンプルが。その他、なにやら受賞した記念の盾などが飾られていた。

奇珍 店内の様子

店内は古びてはいるが清潔で配慮が行き届いている印象。ビニールのテーブルクロスも、なんとなく品がある。フロアにはテーブルが8卓置かれているが、隣接する建物も含めるとかなり広そうだ。夜の営業の開始直後で先客1組、あとから2組やってきた。

奇珍 麺類メニュー

メニューは基本的な中華の他、横浜ならではのサンマーメンや珍しいバンメンもあり。竹の子ソバやネギソバも人気らしい。焼きそばは麺類の筆頭に載っていた。5種類あって、無印がチャーシューメンと同額の800円。そう考えると少し割高か?

「ご注文は?」
「焼きそば(800円)をください」
「普通の焼きそば?」
「はい」

そして待つこと12~13分ほど。こんもり山になった皿が運ばれてきた。

焼ソバ 800円

麺は細麺でカリカリに揚げてある。なるほど、これで時間が掛かったのか。餡の具は豚肉・イカ・ナルト・モヤシ・玉葱・ニンジン・ピーマン。全体的に長崎皿うどんに似ているが、麺の色が茶色なのが大きな違いか。

独特な揚げ麺に独特な甘い餡が

餡の味付けは塩ベースなのだが、塩より甘さが特徴的だ。また汁気が少なく粘度が高いので麺は最後までパリパリと硬いままだ。香ばしい麺と甘い餡で、なんとなくお菓子感覚で食べ進めてしまった。

ちなみにこの店は他のメニューも甘い方に寄った味付けらしい。甘いのが苦手な人は酢とカラシで味を調えると良いと思う。

会計はサービス料と消費税が加算されて864円。無印なので注文前は割高に感じたが、出てきた品は具沢山で満足できるクォリティだった。いつか他のメニューも試してみたい。

奇珍


以上、3週間と短めですが、広東料理を中心に首都圏にある老舗の中華料理店を特集してみました。取り上げたのは明治・大正から昭和初期に創業した店ばかりですが、やはり餡掛け焼きそば、それも塩ベースでモヤシと豚肉を活用したものが多かったですね。

さて、次回からさらに中華系の焼きそばを突っ込んでご紹介したいと思います。横浜中華街を中心に中国各地の本場の味を探してみました。迷宮に足を踏み入れた感がありますが、お付き合いくださいませ。

店舗情報TEL:045-641-4994
住所:神奈川県横浜市中区麦田町2-44
営業時間:11:30~15:00 17:00~21:00 (日祝は中休みなし)
定休日:木曜
ホームページ
主なメニュー焼ソバ 800円
五目焼ソバ 900円 海老焼ソバ 980円
鳥焼ソバ 980円 肉焼ソバ 980円

ラーメン 500円 サンマーメン 700円
バンメン 800円 シュウマイ一皿 450円