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老鍋休閒農莊

台湾の新竹はビーフンの本場として知られている。いくつもある新竹のビーフン製造業者のひとつ、老舗メーカーの老鍋米粉が、老鍋休閒農莊という体験型の学習施設を運営している。地元では小学校の社会科見学の定番コースらしい。同施設での手作りビーフン体験教室が、台湾遠征の目的のひとつだ。

台湾 新竹市 老鍋休閒農莊

老鍋休閒農莊は新竹の郊外に位置し、公共交通機関ではアクセスしにくい。もともと一人でレンタル自転車を使って訪れるつもりだったのだが、いろいろとご縁があって、オタフクソース社から三名同行することになった。

公共交通機関だとアクセスが不便

それに伴い、オタフクソース社の台北支店が全面協力してくださった。施設の予約から台北と新竹を往復する車のチャーター、さらに現地スタッフの楊さんには通訳まで務めていただいた。ありがたや。

ロビーには古い製麺機が展示

予約時間の10分前に老鍋休閒農莊へ到着。ロビーには古い製麺機や乾燥させるための干し台、新竹ビーフンの歴史などが展示されていた。カウンターで受付を済ませてから体験教室が始まるまでの間、館内を眺めて歩いた。

乾燥させるための干し台

展示によると、1858年に福建から台湾へやってきた郭泉四兄弟が、新竹でビーフンを作り始めた。老鍋米粉の責任者はその直系の子孫らしい。つまり150年以上の歴史があるのだ。凄いなあ。

ビーフンの種類

ビーフンの分類も展示されていた。台湾では10年前にビーフンの規格が厳格化され、米粉100%の製品しか「米粉」(ビーフン)を名乗れなくなった。50%以上は「調合米粉」、50%未満は「炊粉」または「水粉」と呼ばれるそうだ。

まずは動画で学習

11:00、予定通り手作りビーフン体験教室が開始された。まずは動画を二本見る。ビーフンの製造過程および、今日の体験教室で予定している作業工程だ。小学生向けに作られているうえ中国語の字幕が出るので、漢字からなんとなく理解できた。

いよいよ手作り体験

動画の次は、いよいよ手作り体験だ。先生を務める女性スタッフの指示に従い、参加者は通路の水道で手をきれいに洗う。席に戻ると、これからやることを説明してくれた。

作り方を説明する先生

まず各自に蒸したてのビーフンの束と金枠が渡される。ひと束が四玉分に相当するので、ざっくり四分割する。渡されたビーフンはしっとりと湿り気があり、複雑にもつれ合っている。それをほぐして1玉ずつまとめるのが今回の作業だ。

蒸したてのビーフンの束と金枠

説明が終わると、作業のためのビーフンと金枠が配られた。最初の四分割だけでも、なかなか難しい。さらにビーフンを一玉ずつほぐす。これが想像以上に大変だ。

できるだけほぐします

ビーフンの原料はお米なので、一本一本が糊でくっついたように絡んでいる。それをほぐすのだから、かなりの手間がかかる。かといって十分にほぐさないままだと、調理したできあがりがダマになってしまう。

大人がワイワイいいながらビーフンと格闘

私を含めた四人の参加者は、かなり苦戦した。むしろ小学生の方がこういう細かな作業に向いているのかも知れない。いい大人がワイワイいいながらビーフンと格闘した。

1玉ずつまとめて金枠に収める

ほぐし終わったら、手のひらに巻きつけるようにしてビーフンをまとめ、渡された金枠に収めていく。それを四玉分おこなう。麺の量に偏りがあると、先生から厳しく指摘されてしまう。

古い手動製麺機を使った押し出し体験

四玉分の作業を終えると、自分の担当した番号と列を覚えてから、金枠をスタッフに渡す。金枠は奥に運ばれ、乾燥する工程へ回される。戻されるまで15〜20分くらい掛かる。その間に古い手動製麺機を使った、ビーフンの押出し体験を行う。

細かな穴をいくつもあけた板

日本でおなじみのそば・うどん・中華麺は、生地を平らに伸ばしてから細く切る「切り麺」だ。一方、ビーフンや春雨は、「押し出し麺」と呼ばれる製麺方法が使われている。

米粉と水を混ぜて蒸し上げた生地を入れる

金属製の筒の底に、細かな穴をいくつもあけた板をセットする。その筒に米粉と水を混ぜて蒸し上げた生地を入れる。生地に上から圧力を掛けると、底の穴から細い生地が押し出される。そんな仕組みだ。

ハンドルを何度も上下して圧力を掛ける

今は当然機械で自動化されているが、体験教室では昔ながらの手動製麺機を使う。教室用に軟らかく蒸した生地なので力はいらないが、ハンドルを何度も上下する必要があるので、それなりに疲れる。

下から押し出されたビーフン

下から押し出されたビーフンは、この体験教室のためのものなので廃棄される。ただ本来はこれが蒸されて、先ほど作業したしっとりビーフンの状態になるらしい。なるほどー。

カップ容器の上蓋が塗り絵

押出し体験の後は、パッケージの準備だ。金枠に収められて乾燥工程を経たビーフンは、お土産に持ち帰ることができる。そのためのパッケージのひとつ、カップ容器の上蓋が塗り絵になっている。それを頑張って塗った。

パッケージングまで体験します

乾燥したビーフンが戻ってきたら、パッケージングだ。一玉はカップ容器に入れ、蓋をしてポリ袋を被せる。もう一玉は樹脂製の袋に詰める。それぞれ開口部を電熱で蒸着する。カップの方はドライヤーで温めてポリ袋を密着させる。

先生のチェックが厳しい

ちゃんと密閉できているか、先生のチェックがまた厳しい。食品衛生的に主催側の落ち度がないようになのか、何度でもやり直しさせられる。ただ残り二玉は紙の容器に詰め、包装紙で包めばOK。そこはゆるいのね。

お土産を手に入れたぞ

体験教室は一時間二十分ほどで終了。お土産も手に入って、とても楽しいプログラムだった。

お土産の汁ビーフン

日本へ持ち帰ったビーフンは、汁ビーフンや焼ビーフンを作って賞味した。カップ容器と樹脂製の袋入りはスープの調味料も付いているので、即席麺感覚で作れる。お手軽で美味しい。

からすみを使った焼ビーフン

残る二玉は、台湾土産のからすみを使った焼ビーフンにした。お土産のビーフンは賞味期限が三日だけと短いので、早めに食べねばならないのだ。

DIYのからすみ焼ビーフン

日本の一般的なビーフンより細めで米粉100%。繊細な口当たりでめっちゃウメーン! ビーフンの歴史と製造過程をしっかり学べて、お土産まで手に入ってしまう体験教室。行ってよかった!

オタフクソース台湾支店の皆様、本当にありがとうございました!

店舗情報住所: 新竹市香山區西濱路六段569號
営業時間: 8:30-17:00
定休日: 週三回、訪問前に要確認
※体験教室は事前予約した方がよいです
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