丸長食堂
沖縄の焼きそば特集、2週目。沖縄そばの麺を使った独特の焼きそば、先週に引き続きケチャップ味の品からスタートしてソース味へと至ります。今週も個性的なお店、個性的な焼きそばばかりですよ。
米軍・嘉手納基地を擁する町、コザ。ベトナム戦争の頃は大層な賑わいだったらしいが現在の市街地は随分と寂れている。音楽文化による町おこし、「ミュージックタウン構想」もなかなか上手くは行ってないようで……と、それはともかく。
国道330号と県道75号の基点、コザ十字路から80mほど東に丸長食堂という店がある。24時間営業で年中無休。ここでもケチャップ味の焼きそばが食べられるのだが、それがかなり凄いことになっている。
訪れたのは1月下旬、平日のお昼前。県道75号=美里大通り沿いに年季の入った店舗を発見。とても24時間営業とは思えない。客席はカウンター4脚にテーブル3卓、小上がり3卓。先客が数人おり、厨房ではおばちゃん三人が忙しなく働いている。
注文は食券制で入り口の脇に券売機がある。定食類が多数並んでいる中から焼きそば(500円)のボタンを押下。カウンターに腰掛けておばちゃんに食券を渡す。
「焼きそばね、何味?」
「ケチャップで」
「はい、焼きそばケチャップいっちょー」
セルフサービスのお冷を汲んで待つこと5分ほど。焼きそばが運ばれ、味噌汁とご飯が運ばれ、御新香とバターが運ばれて来た。え? バター??
「ご飯軽めにしといたから」
「あ、はい……」
ご存知の人も多いだろうが沖縄では「○○チャンプルー」「おかず」などを注文すると自動的にご飯と汁物が付いてくる食堂が多い。また「味噌汁(’みそじる’と読みが濁る)」を注文するとどんぶりの味噌汁とご飯の定食が出てくる。しかし焼きそばで、しかもバターまで付いてくるのは珍しいんじゃなかろうか。
とりあえずご飯とバターは置いといて、焼きそばについて述べておこう。
麺はかなり柔らかめ。丸い断面で極太パスタのようだ。具は青菜、モヤシにコンビーフハッシュ。コンビーフハッシュとはコンビーフを解したものに茹でたジャガイモの賽の目切りを混ぜた沖縄独特の食材。さすが米軍の町、焼きそばの具も独特である。味付けは指定の通りでケチャップ味。柔らかい麺と相まって、もろナポリタン、それもイギリスの缶詰チックな味わいだ。
さて、問題はバターである。このバター、この店では定食に必ず付いてくるらしい。焼きそばを注文してご飯が自動的に付いてくるだけでも沖縄チックなのだが、さらにバターまでとは恐れ入った。
御作法がどうか分からないが、とりあえずご飯に乗せてみる。カウンターに見当たらない醤油瓶を空いているテーブルから借りてきて「ちょっとだけ……」と呟きつつ数滴掛けた。んまい。「お醤油でもっとご飯が進んじゃうわね」と店のおばちゃん。危うくご飯を追加されるのかと思った。勘弁してください。
食べ終わってすっかり満腹。ケチャップ焼きそばはおかずとしてもなかなかのポテンシャルを秘めていた。正午になったら客が次々とやってきた。近くの工事現場から来た地元のおっちゃんもケチャップ焼きそばを注文していた。やはり人気があるんだな。
24時間、年中無休。いつでも迎え入れてくれる優しい食堂であなたも素敵なバターライフ、もとい、バターライスを!
店舗情報 | TEL:098-938-8902 住所:沖縄県沖縄市美里1-24-13 営業時間:24時間営業 定休日:無休 |
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主なメニュー | 焼きそば 500円 みそ汁 550円 おかず 550円 そば 450円 |
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