鳥つね
大船と江ノ島を結ぶ湘南モノレールは怖い。懸垂式の車両が車道の真上を結構なスピードで音を立てながら行き来する。アップダウンは激しくカーブも多くトンネルさえある。ジェットコースターさながらで、乗っても怖いし見ている方も怖い。
その湘南モノレールの駅の一つ、湘南深沢駅の近くに鳥つねという焼き鳥屋がある。この店の焼きうどんがカレー味で名物になっているらしい。訪れたのは今年の2月だが、7月に吉田類さんの酒場放浪記でも取り上げられたようだ。
金曜の夜、大磯に住む旧友の車に同乗して2人で訪問。開始時間の午後6時を回っているが看板は暗いままで暖簾は出てない。店内は明るかったので引き戸を開けて、マスターに声を掛けてみた。
「ごめんください、やってますか?」
「ええ、どうぞ。大丈夫ですよ」
マスターが8席ほどあるカウンターを指し示す。とりあえず入店して2人でカウンターに腰掛けた。右手には小上がり席もあったが当然先客は無し。
「今日は戻ってくるのが遅くなっちゃって」
そう言いながらおしぼりを出して炭起こしなどの作業を続けるマスター。一段落した頃合を見て芋焼酎・黒島美人のお湯割りと運転手かつ下戸である連れの烏龍茶ホットを注文。マスターは鹿児島出身なので芋焼酎の銘柄も沢山揃っているのだ。
肴はとりねぎ(100円)とレバー(100円)、つくね(150円)を二本ずつ。それから御新香(500円)を注文。御新香はキュウリ、沢庵、茄子という構成。盛りも漬かり具合も申し分ない。これで500円は安い。お茶請けにも良い。
焼き鳥は炭火で丁寧に焼かれたもの。これも焼加減、塩加減とも文句無し。特につくねが美味い。マスターに尋ねたところ、俎板で叩いた鶏肉にネギ、黒胡麻などなど7種類の薬味を混ぜて仕込むのだとか。これはお薦め。
呑みながら何のかんのお話を伺う。この店を開いたのは38年前でモノレールも当時からあったそうだ。ちなみに湘南モノレールの開通は意外に古く昭和45年。私の生まれた年だ。
そのうちポツポツと常連さんも現れてカウンターが埋まってきた。マスターは一人で全部こなして忙しそうだ。タイミングを見計らって焼酎と烏龍茶をお代わりし、〆に焼きうどん(700円)を注文。
焼き鳥の様子を見たりお酒のお代わりを作ったりしながら、合間合間で焼きうどんを作ってゆく。中華鍋で具を炒め、湯通しした麺を入れて味付けし、盛り付けて出来上がり。
麺は幅広で柔らかいきしめんタイプの平麺。具は玉ねぎにピーマンに鶏肉。味付けはS&Bの赤い缶のカレー粉で黒胡椒も利かせてある。隠し味にケチャップも入っているらしい。脂っこいがピリ辛で肴には丁度良い。平麺なのは味が滲みやすいように、とのこと。B級感溢れるカレー味の美味しい焼きうどんだった。
混んできたのでここでお会計。二人で合計3400円だった。今回は友達の車だったが次回はモノレールで訪れてみたい。あと魚介類のメニューも試したいな。
店舗情報 | TEL:0467-45-2952 住所:神奈川県鎌倉市常盤62-3 営業時間:17:30~02:00 定休日:無休 |
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主なメニュー | 焼きうどん 700円 とりねぎ、かわ、はつ、レバー 100円 つくね、手羽先 150円 御新香 500円 |
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