めん亭はるもと

※今回紹介する「めん亭はるもと」さんは、現在通常営業をしておらず、完全予約制です。しかも店主さんと面識ないと予約できません。実質訪問できないお店をこのブログで紹介すべきなのか迷いましたが(食べたくても食べられないってイヤでしょ?)、記録として残す意義を考慮して掲載することにしました。その点、ご承知おきください。


昨年末、五反田のやなわらバーで開催された「第1回全日本焼きそば会議」を、先日このブログで紹介した。(初見の方向けに説明すると、焼きそば好きの仲間内でのお遊びイベントです、念のため)

沖縄そばの麺を使った焼きそばだらけのフルコースを堪能した我々は、その場で第2回目の開催を決定し、3月某日を決行日として予定を組んだ。参加者は第1回と同じく、クレージーケンバンドのギタリスト・小野瀬雅生さんと、三重県在住の焼きそばマニア・JMPさん、私の3人。会場はなんと、名古屋である。

モノ好き3人が名古屋駅に集合

当日は名古屋駅で待ち合わせ。こんな機会はまたとないだろうから、お二人に名古屋弁で「やっとかめー」(おひさしぶりー)と挨拶してみた。タクシーに乗り合わせ、小野瀬雅生さんに予約していただいたお店へ向かう。

マラソンであいにくの通行規制

この日はあいにく名古屋ウィメンズマラソンの開催日だった。名古屋市街中心部はあちこちに通行規制が布かれ、大きく回り道せざるを得ず。本来なら20分程度で到着するはずが、結局1時間も掛かってしまった。こうしてやってきたのが、めん亭はるもとである。

名古屋市 めん亭はるもと

めん亭はるもとは、小野瀬さんが著書『果てしなき焼きそばの旅』で一推ししているお店の一つだ。最大の特徴は、店主さんの麺に対するこだわりである。製麺に対する執念が凄まじく、例えば製麺に使う水ひとつ取っても、「そこまでやるかー」というエピソードに事欠かない。店主さんの奇特さについて興味がある方は、嘉門タツオ氏が日刊ゲンダイに書いた記事をご一読あれ。

なお、この日の集まりについては、小野瀬雅生さんが一足お先にnoteで記事にまとめられている。こちらも併せて読むと、一層楽しめると思う。

閑話休題。本題へ戻ろう。タクシーを降り、「やれやれ」「どーもどーも」と、初対面の店主さんにご挨拶しつつ入店。

まずはサッポロ赤星で乾杯

3人がカウンターに腰を落ち着けたところで、サッポロ赤星で乾杯した。今日のメニューは全てお店のおまかせである。

おつまみチャーシュー2種

まずはお通し代わりにチャーシュー2種が出された。ひとつはタレがシミシミのをわさびでいただく。もう一つはクリスピーなやつにスパイスが掛かってた。どちらもうまいー。

刻みチャーシューとメンマの和え物

メンマと刻みチャーシューの和え物も出していただいた。本来はラーメン屋さんなので、メンマやチャーシューも定評があるのだ。乙な味である。

揚げたて唐揚げ

さらに唐揚げも出していただいた。揚げたてサクサクでジューシーなやつ。長尺のイントロに期待が高まったところで、いよいよ焼きそばの登場だ。

味付けなしの素焼きそば

焼きそば一品目は、素焼きそば。魚粉と白ごまで風味づけされているだけで、味付けはなし。焼き海苔とチーズ、かいわれ大根が添えてある。麺はもちろん自家製。生麺を茹でて焼いているのだが、富士宮のような歯応えでめっちゃウメーン! 「焼きそばの各要素をどこまで削ぎ落とせるのか?」「焼きそばの本質とはなにか?」そんな禅問答を仕掛けられているかのようだ。

桜えびと長ねぎの塩焼きそば

続いて、桜えびと長ねぎの塩焼きそば。刻んだ大葉がトッピングされている。この品は既視感がある。たまたまだが、半年ほど前に自作したレシピと、構成要素が全く同じなのだ。

桜えび・長ネギ・大葉は鉄板ともいえる組み合わせで、それぞれが互いの味わいを引き立ててくれる。もちろんめっちゃウメーン! もしかしたら店主さんと私の嗜好が似ているのかな?

冷やし中華でインターバル

焼きそばが続くので、一旦、冷やし中華でインターバル。冷やし中華は具材を揃えるのに意外と手間が掛かる品なのに、今回のような少人数のために仕込んでいただいて感謝感謝である。麺がプリプリ・ツルツルで、生き生きした喉越しだ。ピート香の強いアイラ・ウイスキーのアードベッグを、この冷やし中華にスプレーして味変する。そんな趣向も斬新で楽しい。

トマトとバジルの焼きそば

焼きそば3品目は、トマトとバジルの焼きそば。イタリアン風でパスタのようだが、刻みチャーシューや玉ねぎと混ぜ炒めてあるのが焼きそばっぽい。もちもちの麺とトマトソースの相性バッチで、これまためっちゃウメーン!

ソース焼きそば 黒ゴマのみで具なし

そしていよいよソース焼きそばだ。使っているのは麺とソースと黒ゴマのみ。あとは焼いたキャベツを添えているだけ。名古屋でソースといえば、もちろんコーミソース。そもそもこのお店の焼きそば麺は、コーミソースを念頭に置いて製麺しているそうだ。さわやかな甘さがじんわり滲みていて、めっちゃウメーン! 具がない方が麺とソースの味をストレートに楽しめる。意識的にこういう提供方法を選んでいるのだろうなあ。

焼きそばちまき

続いてはこの店でしか食べられない焼きそばちまき。めん亭はるもとさんがコーミソースさんとコラボ開発した品だ。もともと生麺を茹でて作ったのだろうが、せいろで蒸されたためか、蒸し麺のような弾力がある。芯までソースが浸透し、まぶされた黒ゴマの風味も薫って、めっちゃウメーン!

平打ち麺のソース焼きそば

さらにもう一つソース焼きそば。こちらはタリアテッレかフィットチーネのような、幅広の平打ち麺だ。もちっとした噛みごたえで、細麺のようにすするのは難しいが、その代わりに咀嚼する楽しさがある。どの焼きそばも、めっちゃウメーン!

シンプルラーメン

締めはラーメン。かやくもスープもシンプルだが、奥深さを感じる味わいだ。ラーメンスープを残しておき、デザートのバニラアイスといただくという食べ方も、薦めていただいた。ラーメンと甘味の組み合わせは、名古屋が誇るスガキヤへのオマージュだ。でらうまいじゃんね。

バニラアイスはラーメンスープと

焼きそばプラス・アルファの麺づくしで、第2回全日本焼きそば会議も腹がパンパンになった。これだけ麺ばかり出てくるコースは、東新宿の山西亭以来だ。ただ小野瀬さんに言わせると、これでも普段よりも二品くらい少ないらしい。うへー。

第2回全国焼きそば会議、無事終了!

小野瀬さん、JMPさん、今回もありがとうございました! ぜひ第3回も開催し、今後とも焼きそば界(?)を盛り上げるべく、あちこち食べ歩きましょう!

店舗情報住所: 愛知県名古屋市北区中丸町2-4-2
※完全予約制かつ、店主さんと面識がないと予約できません
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