岡本食堂
前回触れたが、そばめしというと一般的には神戸市長田区が元祖とされている。しかし実は愛媛県大洲市のちゃんぽんの方が発祥は古いようだ。
まあ、元祖とされている店より古い例が見つかる場合はままある。オムそばしかり、焼うどんしかり。たとえタイミング的に後でもその店が考案したのだから発祥と名乗って間違いないし、地域で一般化させた事実が重要なのだろうと個人的には思ってる。細かいことは気にしない気にしない。
さて、大洲のちゃんぽんについては残念ながら私はまだ食べたことが無い。さすがに気軽に行ける距離でもないし。代わりと言ってはなんだが四国繋がりで高知から一軒紹介しておこう。
※追記: その後、大洲ちゃんぽんもいただきました。
高知市街の幹線道路から少し外れた住宅街に、岡本食堂という店がある。通称・おかも。基本はお好み焼き屋なのだが「ヨンキュー」なる品が人気という。焼めしにオプションとして玉子・そば玉・マヨネーズを加えたものらしい。ふーむ、どんな味なのだろう。
訪れたのは昨年5月中旬の日曜日。 朝食には遅く、昼飯には早い時間帯。 県庁方面から鏡川大橋を渡ってしばらく進み、ナビを頼りに右手の住宅街に入ると、目的の岡本食堂を見つけた。こじんまりした外観で看板の類いも地味だ。なるほど、「おかもと」の「と」が小さくて「おかも」と読んでしまうな、これは。
店内へ入るとおばちゃん二人が「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。客席は鉄板台前に椅子が3つ、左手の窓際にも3つ、右手にテーブルが2卓。先客は若い男性3人組。
メニューは壁に貼られていて、焼めし、お好み焼き、焼きうどん、焼きそばなどが書かれている。「炒飯」ではない、「焼めし」という表記がグッとくる。件のヨンキューは490円。この価格が店員同士の符牒で使われ、客の間でも通称となったようだ。さらにそば玉をひとつ追加した570円のゴーナナというのもある。
「なんにしましょ?」
「ヨンキュー」
「はい、ヨンキューひとつー」
焼めしの調理は鉄板ではなく中華鍋を使っているらしい。先客は2人がヨンキューで1人がゴーナナだった。出された品を横目に眺めたがゴーナナはさすがのボリュームだ。セルフサービスのお冷やを飲みつつしばらく待つと、自分の分も運ばれてきた。
焼き飯の具は細いストレートの中華麺に豚肉、玉葱、人参。麺も他の具も微塵切りにされていた。そして玉子は具ではなくオムライス風に使われていた。いわばそばめしオムライスと言ったところか。
ただそばめしとは味付けが異なる。ソースではなく塩コショウがベースで、オプションのマヨネーズの風味もそこに加わっている。特に胡椒の効き具合が絶妙で美味い。マヨネーズのコクも生きている。卓上のソースを掛けても良いが、私はそのまま食べる方が好みだった。ボリュームもあって、コストパフォーマンスが素晴らしい。
ところで先客の3人組だが、おばちゃんとの話の様子だと、かつてよく来てたけどご無沙汰してた元常連のようだ。まだまだ若いからもしかしたら高校生の頃に通ってたのかも知れない。確かに男子高校生なら絶対に好きになる味である。これがワンコインで食べられるなら私も通っていただろうなあ。
店舗情報 | TEL:088-832-0397 住所:高知県高知市百石町2-30-31 営業時間:10:00~18:00 定休日:火曜 |
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主なメニュー | 焼めし ヨンキュー(玉子・マヨネーズ・そば) 490円 ゴーナナ(玉子・マヨネーズ・そば・そば) 570円 焼そば、焼うどん 240円~ お好み焼 250円~ |
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