焼きそば専門天 赤坂店
電子書籍『焼きそばの歴史』やハヤカワ新書『ソース焼きそばの謎』の執筆が目的で、ここ数年は老舗を最優先して食べ歩いてきた。この間、焼きそば専門店も何軒かオープンしたが、あまり回れていなかった。今回から数回、それら近年に開業した焼きそば専門店を紹介してみたい。
まずは赤坂にある焼きそば専門天。もともとは京都の「仁」というお好み焼き店が2020年に京都で焼きそば専門店をオープンし、2021年11月に赤坂に出店した。京都の焼きそば専門天は今年5月末で閉店してしまったが、赤坂店は健在だ。
焼きそば専門天の赤坂店を訪れたのは、12月上旬、平日の夜19:30ごろ。店舗は一ツ木通りから一本TBS寄りに入った、エスプラナード赤坂商店街に面した一階にある。
実は2021年12月の開店から間もない頃にも訪問したことがあって、この日は二回目の訪問だ。当時はワンオペだったが、いまはホール担当の若い男性もいた。店頭に券売機があるが、夜は口頭での注文でOKとのこと。
客席は2人掛けのテーブル席が5卓ほど。カウンターもあって初訪問時はそこへ座ったが、今は基本的にテーブル席だけのようだ。
メニューは焼きそばがメインだが、ドリンクやおつまみ類もなかなか充実しているので、夜は居酒屋的な使い方もできる。最近、お好み焼きも始めたらしい。
とりあえず生ビール(550円)と冷奴(440円)。冷奴は二切れあり、片方はゴマ油と塩昆布、もう一方は壺ニラっぽいのがトッピングされている。ひとつ工夫してあるのが嬉しい。
焼きそばはメインの具材の他、味付け(ソース or 塩)、麺の太さ(細麺 or 太麺)、トッピングを選べる。今回は牛すじ(950円)のソースを細麺でお願いした。冷奴と前後し、熱々の鉄板で焼きそばが提供された。
しなやかな細麺とキャベツを炒め、ソースで味付けされている。麺は生麺を使用。初回訪問時にカウンターから見たところ、茹であげた麺を水で洗ったりせず、そのまま鉄板で焼いていた。関西のお好み焼き屋さんで生麺を使う店はこの方式が多い。
ソースはフルーティでほんのり甘く、スパイシー。後味も良く、細麺と良く馴染んでいて、めっちゃウメーン! 牛スジ肉は下処理したのをしっかり焼いてある。味が滲みてて、ひと噛みホロホロと崩れる柔らかさだ。焦げたカリカリも香ばしい。九条ネギの爽やかな薫りとシャキッとした歯応えも良い。
生レモンサワーをお代わりして、この日のお会計は2500円。初めて来たときは豚肉ソースの細麺と、牛ホルモンの太麺、二品を一度に食べた。ソースの方は生卵を付けてすき焼き風で、喉越しも楽しめた。
牛ホルモンは肉厚で脂の香りの良い、上等なやつをつかっていた。モチモチ太麺に塩ダレがマッチしていて、それも美味しかった。ただ、オープンから一ヶ月も経たないのワンオペで、この日は見るからに大変そうだった。
この店に限らないが、オープン直後はメニューもオペレーションも試行錯誤中のケースが多い。その店の真価が発揮されるまでには少なくとも2~3ヶ月、できれば半年はほしい。そんなわけで最近は新店をブログで紹介する場合、なるべく落ち着いてから書くようにしている。
生麺を使う焼きそば専門店は太麺が注目されることが多いが、こちらでは細麺で完成度の高い焼きそばが楽しめる。焼きそば好きに、その良さを体験してみてほしいなあ、と思う。
店舗情報 | 住所: 東京都港区赤坂3-6-13 赤坂MTビルNo2 1F 営業時間: 11:00~23:00(土日祝 〜22:00) 定休日: 不定休 → ホームページ |
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主なメニュー | 焼きそば 850円~ |
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