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鳳城燒臘家

このブログではまだ告知していませんでしたけど、8月21日に『あんかけ焼きそばの謎』という新刊がでます。その著者校正などで、しばらくブログ更新ができませんでした。楽しみにしている読者の皆様、すみませんでした。新刊については書影が公開されてから、改めて告知します!

では本編どうぞ。


海の日の三連休を利用して、いま台湾に来ている。前後に一日ずつ足して計五日。台湾の焼きそばを堪能中である。早速、一軒目をブログで紹介していきたい。

台北 西寧南路の大きな看板

台北市中心部からやや西寄り。西門紅楼から少し南の西寧南路沿いに鳳城燒臘家という店がある。大きな看板が出ているのでたぶん見つけやすい。公式サイトによるとルーツは香港にあり、この西寧南路の店は民國60年=1971年に開店したらしい。

台北 鳳城燒臘家

鳳城燒臘家を訪問したのは7月中旬、平日のお昼時。台北についてホテルに荷物を預けたあと、バスを使ってやってきた。昼時だけあって店内は混雑し、持ち帰りも含めた行列ができている。

店頭にはガチョウたちが

「燒臘」というのはニワトリ・アヒル・ガチョウなどの家禽や豚肉を、ローストしたり味付けして干したり煮込んだりした料理の総称だ。広東料理でおなじみのチャーシューが代表だろう。この店では、その燒臘を使った食事を提供している。

鳳城燒臘家 壁メニュー

行列が進んで自分の番が来た。壁にメニューは掲示されているが、そこに自分の目的の品、「廣州炒麵」(広東風焼きそば)がない。Googleマップで見かけた紙の注文票には載っているはずなのだが、その注文票が見当たらない。注文を待つ下唇ピアスのコワモテ兄さんに、焦りながら「グァンヂョウチャオミェン」と伝えたら、優しい笑顔で「トゥイトゥイ」と受け付けてくれた。ホッ。

鳳城燒臘家 レシート

料金は120台湾ドル。100ドル札を二枚渡してお釣りをもらい、店内で5分ほど待つと料理ができあがった。先に待っていた女性が、「あなた、呼ばれてるわよ、あそこの席が空いてるわ」みたいな感じで促してくれた。「シェイシェイ!」とお礼を伝えて着席する。11年前にも台湾へ来たが、親切な人が多いなあ。

廣州炒麵 NT$120

さて、廣州炒麵(広東風焼きそば)だ。麺は極細の揚げ麺だ。たぶん蒸してから揚げているものと思われる。現地の広東や香港では揚げずに両面を焼くスタイルが一般的だ。しかし台湾で広州炒麵というと、このような揚げ麺スタイルが普及しているようだ。

麺は揚げ麺

餡はさらっとしていて、あっさり、さっぱりした味わい。醤油ベースだけど見た目ほど塩っぱくはない。具はチャーシュー・イカ・エビ、青菜・ニンジン・キクラゲ・シイタケと盛りだくさん。

チャーシューが旨い

アワビに見える白い切り身は、食べてみたら白身魚だった。塩漬けの魚を水で戻して塩抜きしたような味と食感だが、一体なんの魚だろう。そしてチャーシューが旨い。さすが燒臘の専門店だけのことはある。

しんなりしてきた揚げ麺も旨い

食べ進めるうちに揚げ麺が水分を吸って、ほどよくしんなりしてきた。パリパリもいいけど、しっとりしたのも麺と餡と具の一体感があって、めっちゃウメーン! 結構なボリュームで食べごたえもあるなあ。

たっぷり仕込んである揚げ麺

自分以外は燒臘を乗せたご飯を食べていた。炒麵を注文したのは面倒を掛けたかな、と気になったが、奥の方に揚げ麺がたっぷり仕込んであるのをあとで見つけた。なるほど、注文しても全く問題なかったのね。

たっぷり仕込んである揚げ麺

11年前の2013年に台湾を訪問した際、自分へのお土産として『麵王』というレシピ集を購入した。その中の「廣州炒麵」のページに載っていたコラムが、『あんかけ焼きそばの謎』を解くための重要なキーになっている。詳しくは発売日を待ってほしいが、それもあって台湾の「廣州炒麵」をずっと食べてみたかったのだ。念願がかなってよかった。

食べ終えて、お礼を告げて店をでた。台湾での最初の食事として、大満足の体験だった。また来ることがあったら、ご飯類も食べたいなあ。オレ、好きなのよね、あれ。

店舗情報住所: 台北市西寧南路193號
営業時間: 11:00~14:00, 17:00~20:30
定休日: 無休
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主なメニュー廣州炒麵 NT$120