つけ麺大王 大崎店
昭和48年(1973年)頃に創業し、都内でチェーン展開した「元祖中華つけ麺大王」。ラーメンやつけ麺の専門店というよりは中華食堂的な業態の店だが、それまでは「もりそば」「つけそば」と呼ばれていた料理を「つけ麺」と名付け、その名称を定着させた存在としてご存知の方も多いだろう。
自分も学生の頃から上落合2丁目交差点の角にあったつけ麺大王――その後、少し離れた場所へ移転した東中野支店――に何度か行ったことがある。ただ、つけ麺自体は中野の栄楽や野方の大勝軒の方が好きだった。今では全て閉店してしまい、つけ麺大王も既にチェーンとしては解散しているそうだが、まだ都内にはいくつか店舗が残っている。
さて、今回紹介するのはその大崎店。つけ麺大王の支店の中でも、なぜかこの店はソース焼きそばがつけ麺をしのぐほどの人気らしい。神田鯉風先生のブログでその存在を知って、前々から一度行きたいと思っていた。
訪れたのは4月下旬、平日の午後1時近く。大崎駅の西口を降りて、道を挟んだ目の前に店舗があった。看板はもちろん「つけ麺」なのだが、その下に「特製ソース焼きそば」の文字があるのが面白い。やはり店側でも推しているんだな。
店内は鄙びた雰囲気でかなり広い。中央に大きな島があり、それを囲むように4人掛けのテーブルが配置されている。遅めのランチを取るサラリーマンで3分の1ほどが埋まっていた。
椅子の座面をガムテープで補修しているあたりはご愛嬌。歴史がある店なんだなー、とポジティブに考えよう。
メニューはラーメンの部、つけ麺の部、定食、一品料理の部にカテゴライズされている。ソース焼きそば(650円)は一品料理の欄にあった。中国訛りの店員さんに「焼きそばください」と伝えて待つ。
テーブル上には街中華でおなじみの調味料たちが並んでいる。灰皿もある。ランチタイムに煙草を吸える店は限られているから、ピーク時は煙を覚悟して来るのが良さそうだ。
焼きそばは3~4分で運ばれて来た。めっちゃ早いな。早速いただきます。
麺は中太の茹で麺。しなやかでモチモチ、シコシコしたコシがある。具は豚肉、キャベツ、モヤシ、ニラ、キクラゲ、人参。脇に紅生姜が添えられている。ちゃんと青海苔も掛かっている、オーセンティックな日本のソース焼きそばだ。
見た目の色は濃いが、味付けは意外にマイルドだ。しっとりした仕上がりで、野菜の甘味など素材の味を活かしている。麺はボリューミーだけど、ほとんどが野菜でヘルシーな印象。ジャンキーとヘルシーを両立させた一皿だ。
ざざっと平らげてお会計。650円という値段もお手頃で嬉しい。安くて美味くて腹に溜まる、大衆中華のお手本のようなソース焼きそばだった。この店のつけ麺はまだ食べてないけど、焼きそばは自信を持ってオススメしたい。
店舗情報 | TEL: 03-3490-8599 住所: 東京都品川区大崎3丁目6-17 |
---|---|
主なメニュー | ソース焼きそば 650円 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません