真打みかさ
4月22日の夜のこと、Twitterで興味深いメンションをいただいた。なんと神保町の人気焼きそば専門店、みかさの初代店主が高田馬場でその日新店をオープンしたという。当ブログのコメント欄でも事前に情報があり、神保町みかさ店主にもそれとなく聞いてはいたが、4/14の地震でもっと先に伸びるかと思っていた。これはすぐにでも行かねば!
早速その翌日の夜21時半ごろ、開店2日目に訪問。高田馬場駅の戸山口から近い住宅街に店舗はあった。周りには飲食店がほとんどなく、通りがかりに偶然見つけるのは至難の業だろう。
客席はカウンターのみで10席ほど。神保町のような券売機はない。渋い店主ほかスタッフ2名が「いらっしゃいませ」と迎えてくださった。先客は一人だけ。真ん中あたりの椅子に着席。
オープン直後のため、メニューはソース焼きそば(800円)とビールしかない。ということで焼きそばと缶ビール(300円)を注文。不躾ながら「焼きそば専門に食べ歩いているものです」と挨拶させていただき、いろいろとお話を伺ってみた。
私もこの時点まで正しい経緯を把握していなかったのだが、熊本にあった「さぶ」も神保町の「みかさ」も、こちらの店主が創業してその後弟子に譲ったものらしい。いわば神保町みかさの師匠に当たる方なのだ。しばらく熊本に戻っていたそうだが、今年年頭からこちらの開店準備を始めたそうだ。
みかさの焼きそばは自家製麺が大きな特徴だが、驚いたことにこちらの麺は手打ちという。そういえば店頭には手打ち台もあったっけ。さらにソースも1から手作りで、棚に並ぶツボには寝かしたソースが入っているとのこと。「ソースでまず大事なのは腐らないように作ること」とは店主の弁。寝かせたあとにどういう味になるか、それを熟考しながら手間を掛けて仕込むそうだ。
なんとも気が遠くなる話である。焼きそばでそこまでやる店は聞いたことが無い。さらには店舗自体も、ガスとクーラー以外は、電気も水周りも全てご主人が4ヶ月掛けて作ったそうだ。恐るべき職人気質である。
「先日の地震のせいで開店が予定より一週間遅れましたけどね」
笑いながら店主は焼きそばを調理してゆく。神保町と違って豚肉ではなく角切りのベーコンを使用。じっくり脂が染み出るまで熱し、キャベツとモヤシを焼く。茹で上げた麺をそれに加え、削り粉やソーズで味を調えつつ混ぜ炒め。プレートに盛り付けてから玉子を一個焼き、白髪葱、青海苔、追いソースをトッピングして出来上がり。
ちなみに卓上に置かれたイカあげだま・紅生姜・からしマヨネーズのトリオは神保町と共通だ。個人的にイカあげだまと紅生姜は外せない。これらも好みで乗せていただこう。
平打ちの手打ち麺はピロピロでモチモチ。なんというリッチな食感だろう。自家製ソースは神保町に比べると気持ちマイルドか。やや甘口だが食べ飽きない、極上のソースだ。具は前述の通り、角切りベーコンとキャベツ・モヤシ。白髪葱と玉子がトッピングされている。それらの具ももちろん美味しいのだが、なにより麺とソースの完成度が高い。正直、具なしで食べてみたくなるほど。まさに真打、究極の焼きそばという感想を抱いた。
いやはや、凄い店ができた。宣伝はせずに口コミで客がつくのが楽しみなので、開店の告知も全くしていないそうだ。Twitterは知人が非公式にされているそうで、「余計なことしなくてもいいって言ったんですけどね」と笑っていた。だがたぶんすぐに行列店になることだろう。西武新宿線の沿線に住む自分としては近所にこんな素晴らしい焼きそば専門店が出来て、まことにありがたい。ちょくちょく寄らせていただこう。
【2016.05追記】
5/7から塩味も開始しました! ただ、基本はソースなので、しばらくはメニューに載せないようです。
【2017.09追記】
その後、器は白いお皿に代わり、最近カツオ節を豪快に掛けるスタイルになりました。麺も柔らかめのモチモチ感を追及しているようで、日々進化しています。
店舗情報 | 住所:東京都新宿区高田馬場4-4-10 1F 営業時間:11:00~麺切れ終了 定休日:不定休 |
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主なメニュー | やきそば 800円 瓶ビール 500円 缶ビール 300円 |
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