東京カオソーイ
タイの焼きそば特集の締めはタイ北部、チェンマイ名物のカオソーイという麺料理。実は焼きそばではなくスープ麺なのだが、揚げた麺をトッピングするスタイルなので、完全に無縁というわけではない。
カオソーイを食べに訪れたのは、九段下にある東京カオソーイという店。屋号そのまま、カオソーイが看板メニューで平日のみ営業。タイ料理と沖縄料理という異色の組み合わせを売りにしている。
2月下旬の平日、昼前に訪問。九段北の脇道沿いに店舗があった。間口は狭く、テーブル席は2卓のみのこじんまりした店だ。開店直後のため先客はなし。店主が一人で切り盛りしている。
「テイクアウトですか?」
「いえ、イートインで」
手前のテーブルに腰掛けて目的の品、カオソーイを注文。ついでに沖縄要素も気になってオリオンビール(400円)もお願いした。こうしてみるとオリオンビールのイメージカラーはタイの国旗っぽくもある。組み合わせとしてはなかなか面白い。サービスのお茶も温かくて美味しい。
そしてカオソーイ。こちらのメニューでは「東京カオソーイ(900円)」となっている。「ここだけの話ですが原価率50%超えの商品」だそうなので、心していただこう。
スープはココナツミルクがベースのイエロースープだ。スープの中には柔らかい麺が入っている。丸い断面の独特な食感の麺で、クンプーさんの記事によると沖縄そばの麺だそうだ。さらに揚げ麺「ミー・クローブ(หมี่กรอบ/Mee Krob)」とパクチーがトッピングされている。
スープはドロっとしていて、とてもコクがあり麺によく絡む。スパイスが効いているが辛くはない。麺に加えて、煮込まれた骨付きの鶏肉が2本も入っている。このスープがカリカリの揚げ麺に滲みると一層美味しく感じる。柔らかい麺も合わせて頬張ると、食感に変化があって面白い。
薬味として出された串切りのレモン、生の赤玉ねぎ(エシャロット)=「ホームデーン」、高菜漬けに似た「パッカードン」、テーブルに用意されているチリオイルペースト「プリックパウ」を加えても良し。レモンと高菜漬けの酸味はスープにさっぱりした風味をもたらして、さらに食欲が進む。2種類の麺とスープ、薬味が調和していて、とても美味しい。
冒頭で述べた通り、カオソーイを焼きそばに分類するのは無理筋だが、前回紹介したタイコウのミー・クローブも餡がシャバシャバでスープ麺ぽかったし、遠野の石焼ドラゴンや焼麺・劔のように境界線上の品として認識しておくのも無駄ではなかろう。
あと余談になるがシンガポールのチャー・クイティアオやホッケンミーも麺を2種類混ぜて使っていたが、柔らかい麺と揚げ麺の組み合わせではなかった。日本だと福岡の焼ラーメンでベビースターをトッピングしている店があるので、いつか紹介したい。
正午前に食べ終わてお会計。ちょっと早めに昼休みに入った客がちらほら現れ始めた。ほとんどがテイクアウトだが、平日に九段下周辺でランチを取る際には、また利用させていただこうっと。
というわけで4週に渡ってお送りしましたタイの焼きそば特集、いかがでしたでしょうか。良かったらお近くのタイ料理店のメニューをもう一度チェックしてみてください。パッタイ以外にも変わった焼きそばが見つかるかも知れませんよ?
店舗情報 | TEL: 03-5212-7570 住所: 東京都千代田区九段1-9-14 九段リハイム 1F 営業時間: 11:30~14:00 18:00~23:00 定休日: 土・日・祝、その他あり → ホームページ |
---|---|
主なメニュー | 東京カオソーイ 900円 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません