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双葉食堂

2017年7月29日

JR只見線の会津宮下駅前に双葉食堂という食事処がある。昔ながらの鄙びた大衆食堂で、ラーメンやそば・うどん、丼物、定食とメニューは幅広い。そして裏メニューとして焼きそばラーメンなるものまであるという。

会津宮下駅前 双葉食堂

バイクで春先の雪国に行く場合はタイミングに気を使う。凍結の恐れがなくなる時期・時間帯を待って、先週の木曜日に訪れてみた。東北エリアの高速道路無料措置にもギリギリ間に合った。(なお、今回の訪問にあたっては三島町商工会(@misimasansho)の方にTwitter経由で現地の状況を諸々アドバイスしていただきました。ありがとうございました!)

磐越道の会津坂下ICを降り、綺麗に除雪されたR252を奥会津へと向かう。そこかしこの残雪が眩しい。会津宮下駅周辺の集落も道路以外はまだほとんど雪に覆われていた。ちなみにこの辺は只見線の有名な撮影スポットでもあるらしい。雪のある時期に鉄道で来ようかとも考えたのだが、時刻表を調べたらあまりに本数が少なくて断念した。

会津宮下駅から通りをまっすぐ50mも進むと右手に双葉食堂があった。いかにも田舎の老舗食堂といった趣だ。店内の雰囲気もまた然り。

双葉食堂 メニュー

客席はテーブル混ぜこぜで15人分ほど。近所に現場があるのだろう、丁度お昼時で半分ほどの席が作業着の人々で埋まっていた。メニューは前述の通り豊富な品揃えだ。手元のメニューを裏返すと「裏めにゅう」と書かれていた。

双葉食堂 裏めにゅう

会津名物のソースかつ丼やカレー焼きそば、さらにはカレーラーメンなんて品まである。他の客はノーマルのカツ丼やカレーラーメンを食べてる人が多かった。とりあえず目的の品、焼きそばラーメン(800円)を注文。

店は3人の女性スタッフで切り盛りしていた。店主らしきおばちゃんが調理とお会計、あとの二人はホールと出前をそれぞれ担当していた。客も出前も引っ切り無しで皆忙しそうだ。10分ほど経って「はい、お待ちどうさま」と焼きそばラーメンが運ばれてきた。

焼きそばラーメン 800円

目の前に置かれまず感じたのは「どんぶりでかい」。麺たっぷりでスープも並々。「量が少なければ会津ソースかつ丼もどこかで」などと考えていたが、この時点で諦めた。

麺は会津特有の扁平気味な中細麺で柔らかめ。焼きそばの具は豚肉、モヤシ、キャベツ、シメジ、揚げ玉で、麺ともどもフライパンでしっかり炒められていた。トッピングはメンマ、水菜、刻み葱、紅生姜、白ゴマ。スープは醤油ベースの鶏がら出汁で、ソースの酸味がアクセントになっている。全体的に絶妙なバランスでまとまっていて予想以上に美味い。そしてボリュームがある。つゆ・スープ入り系焼きそばの並盛では、これまでで一番量が多かったと思う。

寒い日だったが食べ終わる頃には体が汗ばんできた。味が濃いめだったこともあり、お冷をお代わりしてお会計。

それにしてもこの焼きそばラーメン、どういう経緯で作られたのだろう。塩原との位置関係は微妙だが関連性があるのやらないのやら気になる。(2015.12.02追記:こんな記事を見つけた。「つゆ焼きそば」に影響を受けて作ったようだ。)

ちなみに「焼きそばラーメン」でWEB検索すると、前回の店も含め、他にも似たような品が全国にあることが判る。もしかしたらラーメンスープに焼きそばを入れるのは意外に一般的なのかも知れない。ただそれが黒石や塩原のように食文化として地域に定着するのは、さすがにレアケースなのだろう。

次回はそのレアケースのひとつ、千葉県船橋市のソースラーメンをご紹介したい。

双葉食堂

店舗情報TEL:0241-52-2034
住所:福島県大沼郡三島町宮下宮下209
営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜・祝日
主なメニュー焼きそばラーメン 800円
カレーラーメン 700円
カレー焼きそば 850円
ソースかつ丼 900円