村上食堂
福山市街の国道2号線から一本入った静かな通りに村上食堂という食事処がある。この店は焼きそばと関東煮が売りらしい。
訪れたのは昨年の5月中旬。平日の昼下がり。店に到着してみたが、外観はまるで普通の民家だ。店内も同じくごちゃっとした家庭的な雰囲気。右手に鉄板台があり、左手にテーブルが置かれていて、奥のほうに小上がりや座敷席もある。鉄板前に椅子3つ、テーブルは2卓に小上がり2つ。座敷の数は分からず。先客は2人組と1人客で、テーブルが埋まっていたので小上がりに促された。
メニューは焼きそば・焼きうどん・関東煮がメインで、後は飯・味噌汁・うどんなど数種のみ。広島で鉄板があるのにお好み焼が無いのも珍しい気がする。焼きそばは普通サイズが500円で大・特大と50円刻みで量が増える。ご夫妻で切り盛りされてて、明るい奥さんがお冷を出してくれた。
「ご注文は?」
「焼きそばの普通(500円)を」
注文を聞いて店主のおっちゃんが鉄板に麺を広げ、小手で解し始めた。待ってる間も持ち帰りの地元客がポツポツと、しかし途切れなく現れた。持ち帰りは20円増しで、関東煮のオーダーが多かった。関東煮は鉄板の周りに置かれたボウルに入っていて、セルフサービスとなっている。食べてみたかったが、今回は食べ歩きなので残念だが控えておいた。しばらく待って「はい、お待たせ」と焼きそば登場。
麺は細麺で柔らかく、やや短め。意外にボリュームもある。具はキャベツ・モヤシ・微塵切りの玉ねぎ・牛肉・天カス。トッピングに白胡麻と青海苔で、紅生姜が脇に添えられている。白胡麻はなかなか珍しい。ソースはやや甘めでマイルドな味わいに仕上がっている。天カスと牛肉のコクも相まって、食べ応えのあるしっとりした美味しさだ。白胡麻の風味も香ばしくて良い仕事をしている。途中からパック入りの七味も掛けてみた。ピリ辛に変わってこれもなかなか美味しかった。
2人組の先客は昔ながらの常連で、久しぶりに来たという雰囲気だ。近況などを奥さんと話し込んでいる。
「こいつが村上の焼きそば食べよう、言うてな」
「大盛りにしたいけど普通盛りじゃ」
「いや、もう年でここの焼きそばも大・特大は食べれんけん」
「牛肉が辛いんじゃろな、豚や鶏も脂の部分がいけん」
分かる分かると一人心の中で頷きつつお会計。お店と同様、昔ながらの懐かしい味わいの焼きそばだった。
さて、食堂の焼きそば特集は今回で終わりとなります。特徴はないけどふと食べたくなる懐かしいソース焼きそば。日本全国にあるものですね。
次回からは「焼きそば×ご飯」をテーマにお送りします。そばめしや定食、その他もろもろ……ご飯と焼きそばの出会いの形も色々ありまして。お楽しみに。
店舗情報 | TEL:084-922-0764 住所:広島県福山市三吉町南2-9-19 営業時間:11:00~19:00 定休日:日曜日 |
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主なメニュー | 焼きそば 普通 500円 大 550円 特大600円 焼うどん 普通 500円 大 550円 特大600円 関東煮 牛串 100円 その他 80円 大めし 200円 中めし 180円 小めし 150円 味噌汁 120円 |
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