ダルマサーガラ

インドの焼きそば系料理は小麦が原料のチョウミンだけではない。南インドやスリランカでは米が原料のビーフン、ライスヌードルも使われる。今回紹介する東銀座のダルマサーガラは、そのライスヌードルを食べられるお店のひとつだ。

2月下旬、日曜の19時頃に訪問。地下鉄東銀座駅から地上の歌舞伎座へと登り、そこから徒歩1分。平日はともかく、日曜のこの時間は行き交う人も少ない。冷たい風に凍えつつ、控えめに照らされた看板を見つけた。

東銀座 南インド料理 ダルマサーガラ

踊り場に仏像が祀られている階段を登って2階の店舗へ。ドアを開けるとテーブルが並ぶホールが開けていた。奥は厨房でその手前がバーカウンター。窓側の仕切られた空間にもテーブルが並んでいる。「一人です」と告げると、厨房に一番近い二人がけのテーブルに促された。

ここダルマサーガラは南インド料理の専門店で、タンドリーチキンやカバブ、ナンなど北インド料理はメニューにない。また肉類はイスラムに則ったハラルフードで、ベジタリアン向けのメニューも充実している。そんな店なので、今回は敢えてベジタリアン向けのメニューをチョイスしてみた。

ダルマサーガラ メニューの一部

まず選んだのは冒頭で述べたライスヌードルの料理、イディヤパム(1500円)。それと付け合せに「今日のポリヤル(野菜のスパイス炒め/1000円)」をオーダー。

「ポテト・オクラ・インゲンの3種がありますが、どれに?」
「んー、オクラで。あとラッシー(600円)もください」

ラッシー 600円

すぐに運ばれて来たラッシーで喉を潤す。濃厚な甘さとほのかな酸味。たまに飲むと美味しいな。

オクラのポリヤル 1000円

続いてオクラのポリヤル(Poriyal)がやってきた。オクラと玉ねぎのほかに、赤唐辛子やマスタードシード、ジンジャーなどが炒められている。思ったより尖った味わいの辛さだ。つまんでいるうちにビールが欲しくなってきたが今日は我慢。

そしてメインディッシュのイディヤパムも登場。イディヤパム(イディアッパム/Idyappam)はライスヌードルの一種。ここのメニューには「インド風焼ビーフン」と書かれているが、製法もビーフンと同じで、米粉の生地を専用の器械で押し出し、それを蒸して作る。

イディヤパム 1500円

別名としてセヴァイ(Sevai)、ヌール・プットゥ(Nool Puttu)、スリランカではストリング・ホッパー(String hoppers)とも呼ばれる。本場の味を標榜する南インドやスリランカ料理店でそれらの別名にも留意しながらメニューを見ると、ときどき見つけることができる。そのままカレーを付けて食べる場合もあれば、この店のように具と炒めて提供する場合もあり。現地では朝食や軽食として食べることが多いらしい。

インド風焼ビーフンはココナツミルク味

さて、この店のイディヤパムについて。具は玉葱、カシューナッツ、小粒のナッツ、カレーリーフなど。トッピングはコリアンダー(パクチー)。味付けはココナッツミルクが主体で、スパイスより甘さの方が先に来る。麺はとても柔らかく短い。最初はフォークで食べてみたが、そのうちスプーンに変えた。

スープ状の野菜カレー、サンバル

付け合せはサンバルとチャトニー。赤いのがサンバル(Sambar)で、さらっとしたスープ状の野菜カレーだ。中には人参など野菜がゴロッと入っていた。適度な辛さで日本人の舌にも馴染みやすい。南インドでは定番の料理で、日本の味噌汁のようなポジションらしい。

ココナッツのチャトニー、あとからくる辛さ

白いのはココナッツのチャトニー(チャツネ/Chutney)。食べた瞬間はココナッツの甘さしか感じないのだが、あとからじんわり辛さがくる。これらをイディヤッパムに掛けて食べ進めるというスタイルだ。

サンバルとチャトニーを掛けて食べます

肝心の味についてだが、不味くはないのだがココナッツミルクに慣れていないせいか、正直途中で食べ飽きてしまった。あえてベジタリアンメニューにしたけど、やっぱり動物性の旨味が欲しくなってしまう。ま、味の好みは二の次で食べ歩いてるので、それでも構わないんだけど……。

ホットチャイ 500円

次回は組み合わせるカレーを検討せねば、なんて思いつつオクラのポリヤルも駆使して完食。食後はホットチャイ(500円)をお願いした。落ち着く。ふと気がつくと、なんだかミルキーな味ばかり被ってしまった。そこか、問題は?

会計は3888円。さすが銀座、酒を飲まなくても結構な金額になるものだな。帰宅後に思い返してみたが、回数をこなせば味覚が鍛えられて美味しく感じられるような気がする。よし、そのうちリトライしてみようっと。

ダルマサーガラ