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ハイボール酒場 たこすけ

2月に山形へ行った初日の夜。山形駅前にあるハイボール酒場たこすけという店の看板が目に止まった。「たこ焼き」「たこ料理」「山形名物」に続いて、「あとがけソース焼きそば」の文字がある。

ハイボール酒場たこすけ 夜の外観

山形は県内各地にあとがけソース焼きそばが点在している。山形市のつり味や天童の広野屋都屋。庄内町や酒田市の庄内焼きそば。このたこすけはどんな焼きそばを出しているのか、とても気になる。

そして山形最終日、土曜の午後3時頃。新幹線の出発まで少し時間があり、ちょうど小腹も空いてきたので、ハイボール酒場たこすけに寄ってみることにした。後で調べたら山形県内で飲食店を複数展開している、ハーバーコーポレーションという会社が母体らしい。

山形駅前 ハイボール酒場たこすけ

店舗が山形駅から歩いて数分なので、アプローチしやすくて助かる。夜は道頓堀界隈を彷彿とさせる派手な電飾が目立っていたが、昼はさすがに落ち着いて見える。

ハイボール酒場たこすけ 店内の様子

店内は入り口右手が厨房で、奥に客席スペースがあり、4人掛けのテーブルが並んでいる。中途半端な時間だったので、客は誰もおらず。連れと2人で、手近なテーブルに着席。

壁のイラストがかわいい

腰掛けると壁一面に描かれたイラストが目を引く。大勢のタコたちが縁日に集まっていて、一匹一匹がそれぞれ楽しんでいる。そのタコのコミカルで適当な描線が、妙に面白くてかわいい。

ハイボール酒場たこすけ メニュー

さて、メニュー。気になっていたあとがけソース焼きそばは、「庄内風」であることがここでわかった。庄内焼きそばは山形県庄内地方の独特なソースあとがけスタイルだ。私が調べた限りだが、旧・余目(あまるめ)町にあった「文杉(あやすぎ)」という店がルーツだと思われる。

ハイボールとウーロン茶で乾杯

たこやきも食べたいし、せっかくならちょっと飲みたい。ってなわけで、まずはジムビーム・ハイボール(400円)とウーロン茶(330円)で乾杯。お通しで柿の種と豆菓子が出された。ポリポリかじって、ぐびっといく。

庄内風あとがけソースやきSOBA 600円

先に出てきたのは、庄内風あとがけソースやきSOBA(600円)。こちらの品は、もちもちの太麺と豚肉、キャベツを一緒に炒めたもの。青のり・紅生姜がトッピングされ、刻み味付け海苔がたっぷり掛けられている。ぱっと見はテンテンに似た盛り付けだ。

もちもち太麺、下味しっかりタイプ

まずはそのまま食べてみる。塩とガーリックかな、これまで食べた庄内焼きそばよりも下味がしっかり付いている。ソースを掛けなくても酒のつまみになりそうだ。

ソースあとがけ、めっちゃウメーン

続いて卓上のソースをあとがけすると、味の輪郭がはっきりして、めっちゃウメーン! 庄内地方までいかないと食べられなかった焼きそばが、山形市内にまで進出してきたのが感慨深い。

たこすけおまかせ(3種盛り/12ヶ) 1100円

たこやきは、たこすけおまかせ(3種盛り/12ヶ、1100円)を注文。ノーマルのソース味と明太マヨ、甘辛が4ヶずつ盛られてきた。ふんわり、とろーりの大阪風のたこ焼きだ。甘辛はコチュジャン風味で白ごまが掛かっていた。どれも美味しいなあ。

ふんわり、とろーりの大阪風

宮城県船岡のたるや飲食店など、過去に南東北で食べてきたたこ焼きは、もったりとした重たい生地で、3個串に刺さったスタイルばかりだった。老舗ばかり選んだせいだろうが、こうした大阪風だったり、大手チェーンのスタイルに駆逐されつつある。そっちの方が万人受けするのだろうが、昔ながらの地域性も残ってくれたら嬉しいなあ。

おやつ代わりだったので、ささっと締めてお会計。リーズナブルなお値段で済んだ。山形駅から近いので、庄内焼きそばに興味がある人は気軽に寄ってみてほしい。

ところで山形市のソースあとがけというと、昨年11月30日につり味の後継店、「お食事処 三代目」という店がオープンした。それ自体は嬉しいお知らせなのだが、年明けの1月中旬からずっと休業しているのが心配だ。今回そちらへも行きたかったのだが……遠くから営業再開を待ちたいと思う。

店舗情報住所: 山形県山形市香澄町1-5-17
定休日: なし(不定休)
営業時間: 平日14:00〜23:00, 土日祝12:00〜23:00
ホームページ
主なメニューたこやき 500円~
庄内風あとがけソースやきSOBA 600円~