中野商店
静岡県西部の焼きそば特集は今週も浜松市から。平成の大合併で市が広くなっちゃって、ややこしくなりましたね。
浜名湖の畔、村櫛町という集落に「たけいちゃ」と呼ばれる駄菓子屋さんがある。ここも店内でお好み焼きと焼きそばが食べられる――と、そんな話をWEBで見かけたが、それ以外に情報なし。ともかく行ってみよう。
訪れたのは4月上旬の平日。場所もあやふやだったのだが、事前調査で当たりを付けておいた店でドンピシャ正解だった。地図に記載されている「中野商店」という名称が本来の屋号らしい。
時刻は午前11時頃。中へ入ると「ピンポーン」という自動チャイムが鳴る。「はーい」という声とともに優しそうなおばあちゃんが現れた。
「お好み焼きを食べたいんですけど、やってます?」
「はいはい、大丈夫ですよー」
駄菓子に囲まれた一番奥に鉄板台と椅子が置いてあった。なるほどここで調理するのか。さらにその奥の壁にメニューが貼られていた。
扱っているのは焼きそば、焼うどんとお好み焼き。お好み焼きの並が150円という安さ。具が増えるごとに価格が上がる。そば・うどんは50円くらい高いようだ。
「では、お好み焼きの肉玉子入り(350円)と焼きそばの肉入り(350円)で」
「はーい」
ついでに冷蔵庫からチェリオのペットボトルも貰った。150円かと思ったらこれが100円。うーん、駄菓子屋恐るべし。AKBのブロマイドやクジ付お菓子など、調理の合間に店内を眺めてまわる。
「お好み焼きの味付けはソース? 醤油?」
「醤油でお願いします」
まずはお好み焼きだ。ふわっと焼きあがったやつを畳むように小手で切り分けるのは、この地域でおなじみのスタイル。勿論、沢庵も入っている、いわゆる遠州焼きだ。ダシ粉と醤油のなんとも懐かしい味わい。コテコテとは対極のあっさり風味。お箸ではなく小さなフォークでいただいた。
「焼きそばも醤油にします?」
「いえ、焼きそばはソースで」
「はいはい、ソースね」
「あ、焼いているとこ写真撮っていいですか?」
「あはは、どーぞどーぞ」
麺は中太で軟らかめ。具はキャベツにさつま揚げ、肉。トッピングはダシ粉。脇に紅ショウガ。お好み焼きもそうだったが、肉は鶏肉を使っている。どうも静岡県内では焼きそばに鶏肉を使う店が多い気がする。こちらもどことなく優しい味わいだ。
そもそも子供のおやつ向けなので、お好み焼も焼きそばも量はほどほど。それでもさすがに両方平らげたらお腹もくちくなった。食べた食べた。
「ご馳走様、美味しかったです」
「ありがとうございました、お気をつけて」
静岡県は駄菓子屋文化がまだ残っているほうだが、最近は子供も減って随分と少なくなった。子供だけでなく大人にとっても貴重な場だ。いつまでもお元気で続けてほしいなあ。
店舗情報 | TEL:053-489-2114 住所:静岡県浜松市西区村櫛町3553 営業時間:11:00~19:00くらい 定休日:不定休 |
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主なメニュー | やきそば、うどん 肉たまご2ヶ入り 430円 肉たまご入り 400円 肉入り 350円 たまご入り 320円 並 250円 おこのみ 肉たまご入り 350円 たまご2ヶ入り 300円 たまごキャベツ入り 270円 肉入り 300円 たまご入り 250円 並 150円 肉やき 150円 目玉やき 80円 |
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