新宿ライオン会館
銀座ライオンの新宿店、新宿ライオン会館。銀座七丁目店の82年には及ばないけど、新宿のこちらも今年で77年目になる老舗のビアホールだ。そして新宿にはソース焼きそばがある。銀座にはない。私的には新宿の勝ち！
「そんなわけで一度食べてみたいと思ってるんですが、ご一緒していただけます？」と、サッポロビールと昵懇なメシコレ仲間の塩見なゆさんにお声掛けしてみた。ついでに当日SNSで呼びかけて同じくメシコレ仲間のbrax3さん、銀座の某中華店の方が参加した。
9月下旬の土曜日、正午に待ちあわせ。雨の日で自分が一番のりだった。店内は空いていて、1階の適当な席に陣取る。しらふで待つこともなかろうと、エビス&エビスの中ジョッキを注文。グビッと一杯。コクのある苦味に唸る。しかしエンブレムをこっちに向けて撮れば良かった。失敗失敗。
やがてみなさん集まって、改めて乾杯。サッポロ生ビール黒ラベルをグビグビいっちゃう。餅は餅屋、ビールはビール屋。やっぱり美味い。
さて、おつまみ。まずはこちらの名物、ビアホールの煮込み(780円)。じっくり煮込んだ牛筋を担々風に味付けしたもの。歯応えもあってピリ辛で、「わかってるなー」という酒好きの喜ぶ味。ビールが進む。しかし「担々」ではなく「坦々」って漢字表記が気になってしまう私。そこは見なかったことにしよう。
こちらはbrax3さんが注文したベーコングリル(1180円)。brax3さんが切り分けてくださり、スパイシーなソースを付けていただいた。厚切りベーコンとその脂が滲みたジャガイモで、気分はすっかりドイツ人。コレメッサ・ウマイッヒ。
ラストはソース焼きそば(980円)と炒めスパゲティ「ナポリタン」(980円)の炒め麺、2種。最初にナポリタンが、続いて焼きそばが楕円の皿に盛りつけられて、運ばれてきた。
炒めスパゲティ「ナポリタン」は銀座ライオン共通の名物メニュー。平日ランチでも出していて、なゆさん的にはこちらも外せないそうだ。「アルデンテ？ なのそれ？」と言った風情の茹で具合。太いスパゲティにケチャップがしっとり絡んで、これもビールにあう。ボリュームもあり。
そしてお待ちかね、ソース焼きそば(980円)。塩見なゆさんが事前に調べてくださったところによると、この焼きそばは49年前に新宿ライオンの料理長が考案したそうだ。冷やしたぬきをイメージした盛り付けで、基本的な見た目は当時と同じらしい。
食べてみると、麺やソースはこれぞ老舗というオーソドックス＝正統派な味わいだ。ほどよい甘酸辛。青海苔・紅生姜という焼きそばを示す記号的要素も忘れていないのが嬉しい。そこに海鮮などの豪華な具材や、錦糸玉子の華やかな盛り付けが彩りを添えて、ロケーションにふさわしいリッチな食味を体験できる。旨い。あれよあれよと皿が空になった。ちなみに「あんかけかた焼きそば」なんて品もあるので、いつか食べてみたい。
まだまだお腹に余裕があったが、せっかくの昼酒なのでハシゴしましょうと、ここでお会計。来た順番を考慮して割り勘。梅に鶯、松に鶴。そしてビールにソース焼きそば。50年近い老舗の味の余韻を惜しみつつ新宿ライオン会館を後にした。
| 店舗情報 | TEL: 03-3352-6606 住所: 東京都新宿区新宿3-28-9 新宿ライオン会館 B1～1F 営業時間: 11:30～23:00(金土/祝前 ～23:30, 日祝 ～22:00) 定休日: 年中無休 → ホームページ |
|---|---|
| 主なメニュー | ソース焼きそば 980円 あんかけかた焼きそば 1080円 炒めスパゲティ「ナポリタン」 980円 ビアホールの煮込み～坦々風味～ 780円 ベーコングリル 1180円 |
