お好み焼 しんちゃん

10月上旬の土曜日。広島遠征二日目は呉へ足を延ばしてみた。最初の目的地は呉市倉橋島の音戸という集落にある「しんちゃん」というお好み屋さんだ。全国の焼きそば情報をチェックしている中で、そのお店にちょっと気になる品を見つけた。

音戸の渡し 片道100円

倉橋島へは橋も架かっていて、過去にバイクで渡ったこともある。しかし今回はせっかくの機会なので「音戸の渡し」を使ってみた。JR呉駅から路線バスに乗り、音戸渡船口バス停で下車。日本一短い渡船で片道100円。こちら岸に船が無くても、桟橋に立っていれば対岸から迎えに来てくれるというシステムだ。海面はなだらかで潮風が心地よかった。

呉市音戸町 お好み焼 しんちゃん

3分ちょっとの船旅を終え、音戸集落を歩く。奥まった一角に目的の店、「しんちゃん」があった。まだ10時半前という早い時間帯だったが、9時半開店で既に暖簾が架かっていた。ありがたく店内へ。厨房に鉄板台が置かれ、女将さんが調理しながらその脇に腰掛けている常連のおばちゃんと談笑していた。

お好み焼 しんちゃん メニュー

いらっしゃいませ、と女将さん。空いていたテーブルに腰掛けてメニューを確認。お好み焼のそば肉玉が450円とめちゃ安である。そして目的の品は変わり種の焼きそばラーメン(480円)。そいつを注文すると、常連さんが冷蔵庫からお冷を注いで持ってきてくれた。いやはや、どうもすみません。

調理の様子を眺めたり

麺を鉄板に広げてじっくり焼き、その横で豚肉・キャベツ・白菜・揚げ玉も焼き、最終的に混ぜ炒める。塩原のスープ入り焼きそば黒石のつゆ焼きそばのように、ここからソースで味付けをするのかと思ったが、こちらでは敢えて味付けをしないようだ。別のコンロを使ってスープでモヤシを茹で、ラーメン丼に味なし焼きそばを盛り、モヤシごとスープを注ぐ。ネギを散らして完成。

焼きそばラーメン 480円

麺は呉市にある老舗の製麺所・大栄食品の麺を使用。値段はちょっと高いけど格段に美味しいそうだ。程よく焦げていて、豚肉の風味やごま油も香ばしい。モヤシのシャキシャキした食感もよし。キャベツと白菜の甘味が爽やかだ。白菜がある時期にはお好み焼にも入れるらしい。

麺は呉市・大栄食品の麺を使用

スープはあっさり醤油風味で鶏ガラではなさそう。ラーメン屋ではないので出来合いのものだとは思うが、揚げ玉との相乗効果でコクがある。まさに焼きそばラーメンとしか呼びようのない一杯だった。そういえば中野ブロードウェイ地下の焼きそば処・小出屋が最近始めた汁焼きそばも、こんな感じでソース風味はほとんどなかったっけ。離れた場所で似たような料理に出くわすってのは実に楽しい。

コクがある醤油風味のスープ

ちなみに音戸のお好み焼は「ぼたん焼き」とも呼ばれるらしい。こちらの店は焼きそばを完全に仕上げてから、生地に乗せるスタイル。店内に貼られた記事によると、それを二つ折りにして提供しているようだ。生地は仕込んだあとツボに入れ、冷蔵庫に寝かせてから使うとのこと。手が込んでいるなあ。

広島のローカル誌の切り抜きも

食後にアイスコーヒーまでいただいてしまった。あれこれお話したところ、TVにもちょくちょく紹介されているそうだ。前日にオタフクソースの工場見学に行ったことを伝えたら、「オタフクの人に安うしてって言っといて」と笑っていた。やがて地元の人で混んできたので、お会計して退出。いつか「ぼたん焼き」も食べてみたいなあ。

しんちゃんお好み焼