ネパリダイニング ダルバート
今週はネパール料理店で食べたちょっと変わった焼きそば系メニューを3軒ご紹介します。
大塚駅北口にあるネパリダイニング・ダルバート。もともとはダルバート居酒屋ひまりという店だったが、ネパール語の研究家として知られる野津治仁先生が引き継ぐ形で、今年の2月末にリニューアルオープンしたそうな。カレー細胞のMatsuさんとか、カレーですよ。のはぴぃさんとか、身近なカレーマニアの方々が話題にしていたので、私もいつか行ってみたいなーと思っていた。
そんな最中、カレー好きの飲み友達から同店へのお誘いが。ほいほい乗っかって3月末に訪問。都電荒川線の線路を横切り、階段を登って2階の扉を開く。平日の19時半くらいで、7~8人のグループが食事会をしていたが、ボックス席が空いていたのでそこへ着席。ドリンクはワインをボトルでいただいた。
さーて、メニュー。屋号の通り、ネパールでポピュラーな定食=ダルバートが看板メニューになっている。また、ネパールで日常的に食べられているスナック類も多い。その代わり、ネパール人がやっているインド料理店によくあるナンとカレーのセットやタンドリーチキンなどはこの店には一切無い。そもそもタンドールを置いてないのだろう。ネパールの日常の食事を忠実に再現している辺りがこちらの店のこだわりなのだ。
我々も当然ダルバートを食べてみたかったのだが、今回は酒も飲むので敢えてサイドメニューを中心に注文することにした。まずはアチャール3種盛り(450円)。「アチャール(अचार/achar)」はネパールの漬物というか和え物と言うか、シンプルな野菜料理だ。ムラコ(大根)、アルコ(ジャガイモ)、ゴルベラコ(トマト)の三姉妹が、ちんまりとした器に揃い踏み。パパド(豆粉の煎餅)と併せて、ちょうど良い前菜になった。
こちらはパングラ(Gizzard/700円)。ネパール式の砂肝炒めで、味付けはかなりスパイシーだ。砂肝特有の噛み応えと味わいで、なかなか乙な味である。これ系のメニューだとマトンの干し肉を使ったスクティが好きなのだが、砂肝もいけるなー。酒が進む。
続いてパニプリ(Panipuri/600円)。ネパールのストリートスナックだそうで、シュークリームの皮みたいなのに冷製スープを注いで食べる。丸ごと頬張ると、爽やかな酸味と辛味の汁が皮に滲みこみ、そのうちピュッと飛び出す。初めて食べたけど、面白い料理だなー。全く腹に溜まる気配はなく、純粋に食感と味を楽しむためのスナックだ。
ワイワイサデコ(Waiwai sadheko/500円)が、かなりインパクトの強い品だった。「ワイワイ(Waiwai)」はネパールで人気のインスタントラーメンのブランドで、「サデコ(Sadheko)」はスパイスで和えることを意味する。硬いままのインスタント麺をバキバキに砕き、野菜と一緒にスパイスで和えたのが、このワイワイサデコなのだ。一緒に和えてある野菜というのが、生玉ネギと生ニンニクなもんだから、想像以上に強烈な味わいだった。麺をポリポリ食べつつ、「揚げ麺だから一応焼きそばの範疇かもなあ」なんて強引なことを考えたりする私。
ちなみにこのワイワイを使ったスープ麺もメニューにある。ネパールではインスタントのスープ麺を「チャウチャウ(Chow chow)」と呼ぶらしいが、野津先生によるとネパールの焼きそば=「チャウミン(Chow mein)」の「チャウ(Chow)」の方が「麺」の意味を持つようになり、「チャウ」「チャウ」と呼ばれるようになったのだとか。もちろん本来「チャウミン」は「炒麺」が語源なのだが、「携帯電話」が「携帯」と略されることを考えると、さもありなんとも思えてくる。なかなかに興味深い話だ。
そして王道のミックスチャウミン(Mix chow mein)も締めにちゃんといただいた。麺は中細。輸入物ではなく日本の麺らしいが、コシなどがちょっと独特だ。恐らく現地に近い食味の麺を探したのだろう。具は野菜もろもろと鶏肉。鶏肉の調理の仕方も独特でチャーシュー的な味わいだ。さらに短冊状にカットした薄焼き玉子がトッピングされている。
味付けは想像通りのスパイシーさ。思った以上に食べ応えがある。別皿でケチャップも添えられていた。私の行きつけの店、ラザ・ダイニングの記事で紹介したように、ネパールではケチャップをチャウミンにつけることも多いらしい。この日は使わず仕舞いだったが、一度お試しあれ。
ボトルワインを2本空け、いろいろとネパールの味を堪能してこの日はお会計。後日ランチタイムに訪問して、ダルバートも改めてしっかりといただいた。スペシャルダルバート(1400円)は、ダル(豆スープ)とバート(ご飯)に、マトン・チキン・野菜のおかず(タルカリ)、アチャール2種が付いた定食だ。ダルとバートは一杯ずつお代わり可能でデザートも付いてくる。食べ方も詳しく紹介されているのが嬉しい。辛さ控えめで家庭的な落ち着く味わいだった。
以前紹介した巣鴨のプルジャダイニングも大塚に2号店を出したし、マニア受けするネパール料理店がこの周辺に着々と増えているようだ。新大久保に続いて大久保のネパール料理もなかなか熱い状況になっている。カレーマニアでなくとも足を運ぶだけの価値があるだろう。ランチメニューにチョウミンもあったので、興味ある方はぜひどうぞ。
店舗情報 | 住所: 東京都豊島区北大塚2-27-2 シューエイト北大塚2F 営業時間: 11:00~15:00 17:00~23:00 定休日: 月曜日 → ホームページ |
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主なメニュー | ミックスチャウミン 800円 ワイワイサデコ 500円 アチャール3種盛り 450円 パングラ 700円 パニプリ 600円 |
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