想夫恋 横浜青葉店
焼きそば好きを自認する当ブログ読者なら、焼きそばチェーンの想夫恋を、きっとご存知だろうと思う。大分県の日田に本店を構え、全国に43もの支店を展開している。焼きそば専門店では、もっとも成功しているチェーン店だ。
想夫恋は支店からの独立やフォロワーとも呼ぶべき焼きそば店が多く、ソース焼きそばという食文化に与えた影響は大きい。ただ支店の展開は西日本が中心で、東日本には1店舗しかない。それが横浜青葉店だ。
その想夫恋・横浜青葉店への訪問が適ったのは1月下旬の土曜日のこと。店舗は三菱ケミカルの正門前、マンションの一階角にある。郊外でどの駅からも遠く、車以外だと交通の便が悪い。自分は小田急線の鶴川駅からバスを2本乗り継いだが、もっともアプローチしやすいのは東急田園都市線青葉台駅からのバスだろう。
ウッディな内装でフロアは広く、ゆったりしている。厨房を囲む形でL字型のカウンターが8席。テーブルは4人掛けが2卓、2人掛けが1卓あった。昼過ぎの時間帯で先客3組。食べている間も客が入れ代わり立ち代わりやって来て、テイクアウト注文もコンスタントに入っていた。今は夜営業をしていないようだが、人気ぶりがうかがえる。
入り口に近いカウンターへと案内され、メニューを確認。こちらでは焼きそばを「想夫恋焼き」と呼んでいる。本店では「焼そば」だが、公式マンガ『想夫恋物語』でも「想夫恋焼」という呼称が採用されているので、どちらも正しい呼び方なのだろう。今回は想夫恋焼きの大(1180円)、トッピングにイカフライ(160円)。サイドメニューから一口餃子4個(210円)。以上を注文した。
厨房では早速調理が開始された。沸き立つ寸胴に麺を入れ、鉄板の真ん中に肉を置き、茹で上げた麺で肉を覆う。しばらく置いてから麺を広げ、周囲に油を足し、じっくり焼く。焼き具合を確かめて麺をひっくり返し、さらに焼く。頃合いを見て野菜を乗せてソースを掛け、麺を豪快に解し始める。このパフォーマンスが、想夫恋ならではの味に欠かせないのだ。
先に焼き上がった餃子の横に、できたてホヤホヤの想夫恋焼きがやってきた。大を指定したので、山盛りに見える。カウンターの上に置かれた紅生姜を適量乗せて、さて、いただこう。
麺は中細麺。具は豚肉にモヤシ、青ネギだ。トッピングで指定したイカフライは、「いかの姿あげ」とも呼ばれるあの駄菓子だ。メニューに「クラッシュ」とカッコ書きされていた通り、細かく砕かれている。定番は生卵だが、今回はあえてこれにしてみた。
鉄板で焦げ目が付くまで焼かれた麺は、バッキバキな歯応えが最大の特徴だ。バランスの良い自社製ソースや、細モヤシ、青ネギとの相性は抜群。トッピングのイカフライも期待以上に面白い味わいだ。サクサクした歯ごたえと、魚介系の旨味、ちょいピリ辛な味付けが、焼きそばにアクセントを加えてくれる。
個人的に想夫恋の焼きそばで評価したいのが豚肉である。刈部山本さんが想夫恋社長にインタビューしたメシ通の記事によると、豚は一頭買いして九州の自社工場で捌き、全国に配送してるとのこと。もちろん想夫恋の焼きそばにもっとも合う太さ・形にカットされており、麺とのバランスが最高なのだ。食材や調理技術の妥協なき品質管理が、ファンを引きつける魅力なのだろう。
サイドメニューの餃子は、九州らしいこぶりな一口サイズ。カリッと焼かれた生地の中には、野菜主体のしっとりした餡が詰まっている。4個なのでペロリ。8個にしておけばよかったかな。
焼きそばならぬ想夫恋焼きと餃子で、お会計は1550円。関東唯一の元祖直系店は、さすがの美味しさだった。都心にお住まいで日田発祥のパリパリ焼きそばがお好きな方は、ぜひ一度体験してほしいなあ。
店舗情報 | 住所: 神奈川県横浜市青葉区桂台2-38-15 第2スズキビル103(三菱化学正門前) 営業時間: 11:30~15:00 定休日: 火曜・第2月曜(祝日は営業、翌日休) → ホームページ |
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主なメニュー | 想夫恋焼き 970円 想夫恋焼き(大) 1180円 一口餃子(4個) 210円 一口餃子(8個) 420円 ライス 160円 ライス(大) 210円 |
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