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大黒亭 居島店

ご存知の方も多いだろうが、新潟には「五大ラーメン」と呼ばれる五つのご当地ラーメンがある。「新潟あっさり醤油ラーメン」「新潟濃厚味噌ラーメン」「長岡生姜醤油ラーメン」「燕背脂ラーメン」、そして「三条カレーラーメン」の五つだ。

JR弥彦線 北三条駅

それぞれの詳細は略すが、最後の「三条カレーラーメン」を代表する店のひとつとして知られているのが、今回紹介する大黒亭である。三条市内に三店舗を展開していて、本店の創業は1933年(昭和8年)にまで遡る。

三条市 大黒亭 居島店

その大黒亭だが、カレーラーメンだけではなく実は焼きそばのファンも多い。口コミを調べたところ、三店舗の中でも特に居島(居島)店の評価が高いらしい。ということで6月上旬、土曜日の13時半近くに、その大黒亭居島店を訪問してみた。

三条市 大黒亭 居島店

最寄り駅はJR弥彦線の北三条駅だが、町の成り立ちとしては元禄時代に開山された真宗大谷派三条別院=東本願寺掛所(東別院)が中心で、飲食店もその周辺に集中している。大黒亭居島店も、かつて旅籠が並んでいたという本寺小路(ほんじこうじ)から、二本ほど東の一角に店を構えている。

大黒亭 居島店 店内の様子

強い日差しに炙られつつ入店。店内には四人がけのテーブルが五卓ほど並んでいる。先客は三組。あとから入れ替わるようにして二組やってきた。ランチタイムはそろそろ終わりのはずだが、客足が絶えない。

大黒亭 居島店 メニュー

メニューは麺類とチャーハン、餃子など。注文したのは「やきそば」(850円)と「ぎょうざ(3コ)」(300円)。餃子が6コだけでなく、3コという選択肢が用意されているのが嬉しい。

「やきそば」&「ぎょうざ(3コ)」

暑い日だったのでスープ麺は避けられているのか、他のお客さんも何人か「やきそば」を頼んでいた。持ち帰り注文も入っているようだ。手際よく順番に調理され、自分がオーダーしたやきそばと餃子は10分ほどで配膳された。さて、いただこう。

やきそば 850円

麺は細麺。具はチャーシュー、キャベツ、メンマ。座席から厨房がチラリと見えたが、どうやらラーメン用の麺を茹で、水で締めてから中華鍋で炒めているようだ。

キャベツが旨いソース焼きそば

味付けはラーメン用のスープをベースにソースで仕上げ。マイルドな味わいで、ラーメンの人気店ならではの奥深さを感じる。キャベツの歯ごたえ、甘みも印象的でめっちゃウメ~ン!

ぎょうざ(3コ) 300円

餃子の餡は、ニクニク・野菜・生姜が主体のペーストタイプか。カリッと焼かれた仕上がりが実によい。焼きそばには、わかめスープも付いてくる。澄んだ色で、さっぱりした味わいだ。

透明なわかめスープが嬉しい

ところで新潟や東北で焼きそばを注文すると、スープ付きで提供されるケースが多い。ラーメン店がスープを流用するのは理にかなっているのだが、寒い地域ということもあるのだろう。この地域で「焼そばバゴォーン」が定着していることとも、相関しているように感じている。

お会計は1150円。この店のように、実は焼きそばも旨いラーメンや大衆中華の人気店が、まだまだ全国に埋もれているはずだ。しかし近年、そうした店が次々と閉店している。同じ新潟県の柏崎にあり、当ブログでも紹介した「そばよし」もつい先日閉店してしまった。

自己満足でも構わないので、貴重な焼きそばが完全に失われてしまうその前に、こうして記録に残しておくことをマイペースで続けていきたいなー、なんて思っている。

店舗情報住所: 新潟県三条市居島2-26
営業時間: 11:30 - 18:30
定休日: 木
ホームページ
主なメニューやきそば 850円
ぎょうざ(3コ) 300円