たからんちょ (東京都足立区)

足立区の西新井に「たからんちょ」という変わった屋号の立ち食いそば店がある。ここにも焼きそばがあると知り、足を伸ばしてみた。

足立区西新井 たからんちょ

訪れたのは6月上旬、平日の15時過ぎ。場所は東武線の大師前駅から環状七号線に出てすぐ左。「こだわりの立喰いそば・たからんちょ」の看板がすぐに見つかった。看板に福の神を合体させたようなのが描かれている。たぶん屋号に関係しているのだろうが謎のままにしておこう。

焼きそばの味に期待していいのか、不安にさせる看板

店頭の看板には「味に自信あり! 焼きそば」と書かれている。なんとも頼もしい言葉だが、その横に「大人気メニュー! 卵かけご飯」と書かれていると、言い知れぬ不安も沸いてくる。とにかく入店。

たからんちょ 店内の様子

立ち食いと紹介したが、ここも椅子がある。しかもテーブルが4卓も。先客は女性の一人客が3人。うち2人が平日の午後3時だというのにそれぞれビールと酎ハイを飲んでいた。なんと地元住民の昼酒スポットだったのか、ここ!

たからんちょ 券売機

注文は食券制。券売機に500円硬貨を投入し、5段目中央あたりにある「焼きそば(450円)」のボタンをポチッとな。ちなみに、この券売機で注目したいのが4段目右端にある「チケット(1000円)」のボタン。立ち食いそば屋で1000円って、いったい何なの!?

チケットとは酒の割引チケットなり

種明かしすると、これはどうやらお酒の割引チケットらしい。生ビールや酎ハイの定価が330円なのだが、このチケットを利用すると一杯300円の割引価格で提供されるらしいのだ。なるほど、ここの常連さんはこれを利用しているんだな。

この日はこの後も予定があったのでアルコールは控え、焼きそばのみを注文。店主のおっちゃんに食券を渡して、空いていたテーブルに着席。5分ほど待ったところで焼きそばが運ばれて来た。

焼きそば 450円

麺は細い蒸し麺。具はキャベツと揚げ玉。青海苔がたっぷり掛かっていて、茹で玉子半分と紅生姜がトッピングされている。不思議なのが容器で、何故かグラタン皿が使われていた。

喉に詰まる系の焼きそばです

味付けは酸味がちのソースでドライな仕上げだ。大量に頬張って飲み込もうとすると、喉に張り付いて窒息しそうになる系のソース焼きそばである。落ち着いてお冷も啜りながら召し上がれ。

茹で玉子があるだけで嬉しいよね

なお、ここの焼きそばで注目したいのが茹で玉子。キャベツと揚げ玉というチープなスタイルなんだけど、茹で玉子が乗っているだけで豪華になったように思える。まあ半熟の方がもっと嬉しいんだけど、贅沢は言うまい。茹で玉子も慌てると喉に詰まりやすいので気を付けて!

量はほどほどで、おやつ時の虫養いにはちょうど良かった。今度来るときは昼酒目当てで来ようっと♪

立ち食いそば たからんちょ 大師前店

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戸隠そば (東京都小平市)

西武拝島線と西武国分寺線が乗り入れる東京都小平市の西武鉄道小川駅。地元の人以外は降りることも無いであろう、ローカルな私鉄駅だ。以前、この小川駅にある喜楽という店を訪れた際、気になる店を見つけた。それが小川駅前にある立ち食いの戸隠そば。

西武鉄道 小川駅前 戸隠そば

フードに「うどん・そば・カレー・焼きそば」を掲げているのを見て、「ほー、焼きそばもやってるんだ」と記憶に留めておいたのが2012年10月のこと。それから3年半ほど時が過ぎ、今年の5月下旬に久方ぶりの小川駅を訪れた。

小平市 戸隠そば 店内の様子

土曜日の夕方18時近く、以前と変わらぬ佇まいの暖簾を潜る。立ち食いと言っても椅子はある。L字カウンターに7席ほどだが、ほかに客はいない。店主のおじさん一人で朝7時から夜7時くらいまで、40年近く営業しているそうだ。

戸隠そば メニュー

メニューはそば・うどん・カレーライスのほか、焼きそば・焼きうどん、ラーメンまである。注文したのはソース焼きそば(400円)とトッピングに生玉子(50円)。先払いの料金をカウンターに置き、セルフサービスのお冷を汲んで待つ。

料金は前払い、お冷はセルフ

焼きそばはラーメンと同じ茹で麺を使っているようだ。麺を茹でて中華鍋でガシガシ炒め、注文から3分ほどで出来上がり。さすが路麺店、早い。

ソース焼きそば 400円 + 生玉子 50円

麺は細麺。かん水が多めで黄色気味の中華麺だ。湯で加減が程よくてシコシコしたコシがある。具は豚肉、モヤシ、キャベツ、天カス。生玉子と青海苔のトッピングに紅生姜。アルマイトの皿というのが個人的にポイント高い。

シコシコした食感の茹で麺がよい

味付けはあっさりめのソース味。割と控えめな味付けで、抵抗なくスルスルと手繰ってしまう。生玉子も混ぜてコクが増した味わいも良い。好みで醤油を数滴垂らしても合いそうだ。シンプルだが、蒸し麺とは一味違う美味しさのソース焼きそばだった。

黄身を絡めるも良し

最近はどうも不景気で、という親父さん。この辺の経済を支えているブリヂストンが、小川工場からほかの工場へ生産の多くを移したり、なかなか状況は厳しいようだ。個人的にはこういう店に頑張って欲しいけど、店側としてはそうも言ってられないんだよなあ。

食べ終えたのと入れ違いに地元の男子高校生三人が入ってきた。何を注文しようか楽しそうに相談している。ここのそばが彼らの青春の味になるんだろうな。やっぱりもうしばらく頑張って欲しいなあ。

戸隠そば

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名代 富士そば 代々木店 (東京都渋谷区)

一ヶ月足らず前の5月27日、有楽町の後楽そばが閉店してしまいました。私も最終日に訪問して、寂しさとともに最後の一杯を味わいました。またいつかどこかで復活してくださることを願ってます。

ところで都内には他にも立ち食いそば、いわゆる路麺店で焼きそばを出している店がいくつかあります。墨田区横網の「うえき」とか、大田区・鵜の木の「はや川」とか、鶯谷の信濃路も本来は立ち食いそば屋的な店だったはず……。

というわけで今週は後楽そばを偲びつつ、立ち食いそば系のお店の焼きそばをご紹介したいと思います。一軒目はあのチェーン店!


5月下旬に神田鯉風先生のブログを読んで、「富士そばの一部店舗で焼きそばを提供」というロケットニュースの記事を思い出した。それによると、都内では鶯谷店、しのばず店、秋津店、代々木店の4店舗が4月から提供しているとか。家からだと代々木店が一番アクセスしやすそうだ。うっしゃ、行ってみるか。

名代 富士そば 代々木店

6月上旬、平日の朝。客先へ行く経路なので、わざわざ早めに家を出て、代々木駅で途中下車した。JR西口を出て交差点を渡ったすぐ目の前だ。分かりやすい。

富士そば 券売機

店頭の券売機で食券購入。一番上の右側に「ソース焼きそば(400円)」と「焼きそばカレー(550円)」が並んでいる。普段ならノーマルを選ぶのだが、あまり見かけないメニューなのであえて後者を購入して店内へ。

富士そば代々木店 店内の様子

カウンターに食券を置く。「作りますので座ってお待ちください」と笑顔で返され、しばし待つ。そば・うどんより調理に時間が掛かるようだが、3分も経たずに出てきた。

焼きそばカレー 550円

皿の上はカレーと焼きそばとライスで綺麗に三等分されている。ふと岩手県花巻市のかっぱ飯店で食べた品を思い出してしまった。ご飯とカレーの境目には福神漬、焼きそばとの境目には紅生姜。配置が良く考えられている。

カレーとライスの境目に福神漬け

焼きそばの麺は中細麺。具はわずかでほぼ麺のみだけど、一応は豚肉・キャベツ・人参の姿を確認した。味付けは酸味がちで独特な香りのするソース味。というか、これはたぶん業務用の冷凍品だな。

焼きそばは調理済みの業務用ですね

調理済みで温め直すだけの冷凍焼きそばは、焼きそばパンや模擬店、BBQなどで重宝されている。富士そばほどの規模なら通常ならセントラルキッチンで作るのだろうけど、提供する店が4店舗でそんなに注文も出ないだろうから、業者から仕入れているのかも知れない。まあ、焼きそばに期待される要素はクリアしているし、普通は「うん、焼きそばだね」で終わる話なので細かいことは気にしないでおこう。

焼きそばにカレーを絡める=美味い

カレーはマイルドで万人受けする無難なお味。ご飯はもちらん、焼きそばにからめても良し。富士そばは、そばよりもカレーライスなどご飯物の方が旨いんじゃないかなー、なんて個人的に思ったりしている。

最後は世界平和

最後の方はご飯も焼きそばもカレーも紅生姜も福神漬もごちゃ混ぜの渾然一体になってしまった。ルーツの異なる料理がスプーンの上で手を取り合っている。焼きそば自体に特筆すべき点はないのだが、こういうスタイルで提供すること自体を評価したい。ただ朝飯にはちと重たかったかな。

最後にお冷をぐいっと飲み干し、返却口にお盆を返して店をでた。調理済み焼きそばのメーカーごとの違いなども調べてみたら面白そうだけど、ほとんどが1kg単位なので自力では難しいだろうなあ。

名代 富士そば 代々木店

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グリーンパッタイ 大崎店 (東京都品川区)

6月初旬、取引先の方々に誘われてグリーンパッタイ・大崎店へとランチで訪れた。場所は大崎の駅前にある複合施設、ゲートシティ大崎の地下一階。広いホールの裏手にタイ語が踊るグリーンを基調色にした店舗があった。

グリーンパッタイ 大崎店

グリーンパッタイは際コーポレーションが運営するタイ屋台料理店だ。大崎のほか、神田と新橋の合計3店舗を展開している。リーズナブルな価格で手軽にタイ料理を楽しめるそうな。ランチも人気なようで、ピークタイムは過ぎていたが人数分の席が空くまで外で5分ほど待った。

グリーンパッタイ 大崎店 入口付近

着席して各自メニューを検討。ランチで人気なのはガパオライスやグリーンカレーのようだ。周りはそれを食べている人が多いし、同席した人たちもそれらや日替わりセットを選んでいた。

グリーンパッタイ 大崎店 店内の様子

自分はやはりどうしてもタイ風焼きそばに目が行ってしまう。この店の屋号にもなっているオリジナルメニュー、グリーンパッタイにもそそられたが、今回は辛口太麺焼ビーフン(パッキーマオ/880円)を注文。目玉焼きのトッピング(100円)もお願いした。

グリーンパッタイ ランチメニュー

パッキーマオ(Pad Kee Mao/ผัดขี้เมา)は、きしめんのように太くて平たいライスヌードル=センヤイ(Sen Yai/เส้นใหญ่)を使った辛口のタイ風焼きそばだ。「パッ」は「炒める」、「キーマオ」は「酔っ払い」。「酔っ払いも眼を覚ます辛さ」なので、「パッキーマオ」=酔っ払い炒めと名付けられたらしい。

辛口太麺焼ビーフン(パッキーマオ) 880円

この店のパッキーマオはそのセンヤイのほか、具には鶏肉、ヤングコーン、小松菜、ピーマン、赤ピーマン、ニンジンなどが使われていた。トッピングに目玉焼きとパクチー。脇に串切りのレモンが添えてある。さらにスープとサラダも付いてきた。

パッキーマオ=酔っ払い炒め

とりあえずひと口。食べた瞬間は「ん? そんなでもないな」と思ったが、あとからじんわりと辛さが伝わってきた。辛さだけでなくフルーティーな香りや適度な酸味、甘さもある。乾燥させた唐辛子「プリックヘーン」とニンニクを油で熱して、具とセンヤイを炒め、砂糖とタイの魚醤「ナンプラー」、黒醤油「シーユーダム」で味付けという感じだろうか。同席した人は辛い物がそんなに得意でないらしく、ひと口食べて「無理」と言っていた。しかし辛い物好きならたぶん確実に好きな味だ。レモンを絞っても合う。

あとからじんわりと辛さがやってきます

太いラースヌードルのモチモチした食感とヤングコーンのシャキシャキした歯応えの絶妙なコントラスト。鶏肉の旨味も良いし、目玉焼きはドンピシャ好みの焼き加減だし、期待以上の満足感。ボリューム結構あったが自分にしては珍しく最後まで卓上の調味料は使わず、最後まで飽きずに食べ終えた。なお、付け合わせのスープは日本人の舌に合わせているのか無難なお味。あまりタイっぽさは感じなかった。

目玉焼きはドンピシャ好みの焼き加減

初めて食べる驚きには欠けるかも知れないが、多くの人に受け入れられやすいであろうパッキーマオだった。さすが、際コーポレーション、たぶん現地の味をかなり研究して、標準的かつ日本人の口にも合うパッキーマオにまとめ上げたのだろう。いつか看板メニューのグリーンパッタイも試してみたいなあ。

グリーンパッタイ 大崎店

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ラザ ダイニング&バー (東京都中野区)

野方にあるネパール料理店、ラザ・ダイニング&バー。以前紹介したプルジャダイニングナングロガルのようにマニアックな料理を出す店ではないけれど、使い勝手が良くて、最近ちょくちょく利用している。たまにはこういう近所の店も紹介しておこう。

ラザ ダイニング&バー

野方駅南口から歩いてすぐ、みずほ銀行ATMの地下に店舗がある。夕方から夜に掛けて、店頭で持ち帰りの呼び込みをやっている店と言えば、野方住人なら「ああ、あそこね」と分かるはず。

ダルバートセット 850円

ランチのオススメはダルバートのセット(850円)。他のインド・ネパール料理店と同じくナンとカレーのセットを注文する人が多いのだが、せっかくなのでネパール料理の定番、ダルバートも食べてみて欲しい。豆のカレー(ダル/daal)とご飯、おかず=タルカリ(tarkaarii)が2種とお漬物=アチャール(acaar)。日本人の味覚にも馴染む優しい味わいの定食で、辛さもリクエストできる。

ダルスープ 250円

ちなみにここのイケメン店長、日本に住んでから日本文化に惚れ込んで、ランチに味噌汁を付けたかったそうな。さすがにそれは思いとどまったのだが、ダルスープ(250円)を注文すると味噌汁用のお椀で出してくれる。見た目は味噌汁、味は本場のダルスープで、なんだか妙な気分になって面白い。

生ビール 250円!!

そして夜のディナータイム。まず特筆したいのが生ビールの安さ! 前述のイケメン店長がとにかくビール好きで、皆にもたくさん飲んで欲しいからとジョッキ一杯250円で提供している。銘柄はアサヒ・スーパードライ。ガブガブ飲んだのに会計が安すぎて恐縮してしまうこともしばしばある。他にもネパールのククリラムや、稗(ひえ)で作ったRakshi(ロキシー)という焼酎もあり。あと、たぶん店長の趣味だろうが日本酒もある。

スクティ 690円

オススメのおつまみは羊の干し肉を使ったスクティ(690円)。干し肉は自家製だそうで、厨房でいろいろと工夫してこしらえているらしい。その干し肉と玉葱やピーマンを炒めてクミンなどのスパイスで炒めた一皿。歯応えとスパイシーな味わい、噛めば噛むほど染み出る旨味でビールがついつい進んでしまう。

タンドリーチキン 1p 380円

あと常連のネパール人たちに人気なのがタンドリーチキン。1ピース、380円。ほどよい辛さの骨付きチキンは食べごたえがある。やはりビールが進む。

野方 ラザ メニューの一部

そして忘れちゃならないチャウミン。麺は細麺でたぶん市販の蒸し麺を使っているのだろうけど、それにしたって490円という値段は安すぎる。

チャウミン 490円

チキンにキャベツ・玉葱・人参など具沢山で、水分を飛ばしたドライな仕上がり。スパイシーな味付けも麺の歯応えも絶妙な加減で、さらにビールをお代わりしてしまうわけなのだ。

スパイシーな味わいでビールが進む

「ネパールではケチャップをつけることも多いんです」と、小皿でくれたトマトケチャップをつけてもなかなか美味しい。スパイスの辛さがケチャップの甘味で適度に緩和され、家庭的で親しみやすい味わいになる。そう、この店の雰囲気のように。

ケチャップつけても美味いんです

ほかにもモモとかオススメしたい品は多い。ご近所にお住まいの方はぜひカレーとナンのセットだけでなく、ダルバートを始めとするネパール系の料理を試して欲しいなあ。もちろんその際は生ビールもお忘れなく。安さにつられてついつい飲みすぎてしまうのでご用心くだされ。

ラザ ダイニング&バー

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YAKISOBA 四季 (東京都武蔵野市)

またまた都内に新しい焼きそば専門店がオープンしました! 今度は吉祥寺ですっ!


6月の最初の週末に、とある山奥でバイク仲間の焚火宴会があった。そのときバイク仲間の一人、赤杖さんから「つい最近、近所に焼きそば専門店ができた」という情報をゲットした。場所は吉祥寺で、屋号はYAKISOBA四季。5月28日にオープンしたばかりという。

吉祥寺 YAKISOBA 四季

宴会の翌日、東京へ戻ったその夜に早速訪問。しかし到着のタイミングでちょうど閉店という間の悪さ。奥さんに恐縮されつつも残念ながら諦めて、翌日のランチタイムに再訪してみた。西武新宿線の上石神井駅から吉祥寺行きのバスに乗車。最寄りのバス停は東京女子大入口。吉祥寺通り沿いで、予約困難な店として有名な肉山の少し北に位置する。

四季 店内の様子

店内は焼きそば店らしからぬ明るくお洒落な造り。屋号の通り、四季を意識した内装で、それぞれの季節の花が壁のニッチ棚に飾られている。フロアには二人掛けのテーブルが7卓置かれ、卓上もまた小さなフラワーポットや艶やかな半幅帯で装飾されている。うーむ、看板の「女性が喜ぶ」という謳い文句は伊達じゃないなー。

四季 ランチメニュー

メニューは基本的に焼きそばのみ。ランチは、サイズを小・中・大の3つから、味をソースと塩糀の2つから選ぶ。さらにトッピングを「季節の野菜素揚げ3種」「から揚げ2個」「コロッケ1個」「メンチカツ1個」から1つ選ぶ。またプラス100円でソフトドリンクとミニデザートが付いてくる。オプションがいろいろあって悩ましいが、今回は中盛(1.5玉/780円)のソース味をお願いした。

厨房で鍋を振るうのは、もともと建築関連のお仕事をしていたという店主さん。店の雰囲気にちょっとそぐわない、いかつい感じの風貌だが笑顔はとても優しそう。待つこと10分ちょっと。「大変お待たせしました」と運ばれて来たお皿を見て、「おおー……」と思わず声が漏れてしまった。

ランチ ソース焼きそば並盛+季節の野菜素揚げ(780円)

焼きそばが盛り付けられているのは、春巻きの皮を揚げて作った器。脇に添えられているのはマッシュポテト。そして愛らしい花飾り。なんとも独創的な盛り付けである。まるでフラワーアレンジメントだ。ここまで凝った盛り付けは全く予想していなかった。

独創的な盛り付けが素晴らしい

麺は太い蒸し麺。具はキャベツと豚肉。花鰹と青海苔、紅生姜までが基本のソース焼きそばだ。そしてトッピングに季節の野菜素揚げ3種。茄子、カボチャ、アスパラガスと夏野菜の三役が揃い踏みしている。

モチモチした太麺と爽やかな甘口ソース

モチモチした食感の太麺は食べ応え充分。ソースは甘口だがベタベタせず、さっぱりした風味。野菜のスムージー入りとメニューに書いてあったが、タレに入っているそうだ。トッピングで分かりづらかったが、ソースとは別にタレが掛かっているのかな。

野菜の素揚げもヘルシーで美味しい

野菜の素揚げも美味しい。サクッとした歯応えのあとに、それぞれの野菜の甘みが顔を覗かせる。健康を意識してか野菜を多用しているので、油もきっと植物油なのだろう。焼きそばも素揚げも後味が爽やかで胃にもたれない。ヘルシーでオイシー。

野菜スープは優しい味わい

さらにランチには野菜スープとスティックサラダが付いてくる。スープは鞠麩と分葱が入っていて、ほんわか優しい味わい。シャキシャキした食感の瑞々しい野菜スティックは良い箸休めになる。マッシュポテトは控えめながらも欠かせない名脇役的なポジション。春巻きの皮を揚げた器自体も、もちろん食べられる。端はパリパリ、中心部はしっとり、その食感の変化も楽しい。

野菜スティックサラダも良い箸休め

見ため以上にボリュームもあったが、最後まで飽きずに美味しくいただけた。そして「昨日せっかく来ていただいたので」とコーヒーとミニデザートまでサービスしてくださった。マンゴープリンと温かいコーヒーで、食後の充足感を堪能する。落ち着いたらカフェとしての営業も考えているそうだ。

マンゴープリンで締め

焼きそばが好きで「もっといろんなバリエーションができるのでは」と、とても意欲的なご主人。ディナーのセットではソースと塩麹に加え海鮮チラシ風の焼きそばも選べるらしい。オープンしたてでまだいろいろと試行錯誤しているようだが、女性を強く意識した店造りとメニュー構成が、とても興味深かった。近いうちに再訪して今度は塩糀を試してみたいなあ。

吉祥寺 YAKISOBA 四季

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リゴレット バー アンド グリル (東京都港区)

頃は6月上旬、平日の7時過ぎ。なぜかいきなり六本木ヒルズである。とある料理が目的で、ここの5階にあるレストラン、リゴレット バー アンド グリルにやって来た。六本木ヒルズの中でも屈指の人気店。普段、駄菓子屋とかセンベロ酒場をウロウロしてる私的にはアウェー感が半端ない。

釜ヶ崎での一人飲みよりも緊張する六本木ヒルズ

この半月くらい前、様子見にひとりで店をのぞいてみたのだが満席で入れず。予約必須で、なおかつスキンヘッドのおっさんが一人で入るような店ではなかった。誰かを誘って日を改めねば。でも誰にしようと少し悩み、「六本木ならあの人だな」とメシコレで六本木・赤坂担当を担当している公式キュレーターbrax3さんに声を掛けてみた。

六本木 リゴレット バー アンド グリル

「あそこはおっさんだけだと2人でもキツいですよ」
「まじっすか」
「ちょっと心当たりにも声かけてみますね」
「よろしくお願いします」

そうしてbrax3さんが女性2人を誘ってくださった。ひとりは同じメシコレ・キュレーターたっちゃんずパンケーキ部・もんちゃんさん。もうひとりは2人の飯友で、ナレーションやラジオのパーソナリティなどもされている女優のせきぐちきみこさん。わーい、ラッキー。目的はその料理なんだけど、こういう事態は大歓迎である。そんな感じでこの日4人が集まることとなった。

何度目かの乾杯

当日はお店で直接待ち合わせ。もんちゃんさんは顔なじみだが、せきぐちさんは初対面。うわー、さすが女優さん、お綺麗な方だ。まとっているオーラが違う。ちょっと遅れてbrax3さんも到着。我々男性陣はビール、女性陣はイチゴのカクテルでスタート。その後はスプマンテのロゼへと移行した。

季節の魚のカルパッチョ 1200円

このお店はスパニッシュイタリアンというコンセプトで、イタリア料理とスペイン料理を得意としている。さらにアメリカンダイナー的なスタイルも取り入れており、タパス料理やピッツァ、パスタやバーガーなどが人気とのこと。特にタパス料理が一律500円で、この界隈では割とリーズナブルな店なのだ。

フルーツトマトと蔵王モッツァレラのカプレーゼ 500円

まずはカルパッチョにカプレーゼ、ケサディージャなどでスタート。このブログ、焼きそば以外は中華かエスニックばかりで、こういう料理が並ぶのは珍しい。慣れない料理名で舌を噛みそうだけど、たまにはいいよね。トマトとオリーブオイルの組み合わせは鉄板だなー。

カジョス(スペイン風モツ煮込み)

呑兵衛なのでモツ煮込みも外せない。イタリアだとトリッパ、スペインだとカジョス。そういえば先日紹介したペルー料理店・アルコイリスにも牛のハチノスの煮込みがあったっけ。ブラジル料理屋でも食べたことあるし、ラテン文化圏でのハチノス煮込みの普及ぶりは凄いな。

乾杯して前菜をつまみながら一通りの挨拶が済むと、今回の集まりの趣旨を訊かれた。

「なぜこの店に?」
「ここ、焼きそばないですよね?」
「えっと、話せば長くなりますが……」

スペインにミガス(Migas)という料理がある。「ミガス」は「パンくず」を意味する単語で、食べ残しのパンを小片に刻んで(あるいは千切って)、チョリソーや野菜と炒めたものだ。もちろんいわゆる焼きそばとは大きく異なるが、以前紹介した中国の炒餅炒年糕、スリランカのコット・ロティに通じる料理ではある。中国ではパンも「麺包」で麺の一種。そう考えるとこれも炒麺と言えるのではなかろうか。いささか強引ではあるが。

メニュー拡大

そのミガスを一度食べたく思い、都内のスペイン料理店やバルを検索してメニューを軒並みチェックしてみた。が、なかなか見つからず。もともとミガスは家庭料理で、現地でもちゃんとしたレストランではまず出していないらしい。東京でも手頃な価格で常時提供している店はほとんどなく、あるいは付け合せのクルトンタイプだったりする。そんな中、ここ「リゴレット バー アンド グリル」で求めているスタイルのミガスを出していると知ったのだ。

「ふーん、そういうわけなんですね」
「なるほどねー」

幸いにも参加者のみなさんは興味を持ってくださったようだ。全員が食通というか食いしん坊なので、こういう益体もない話を楽しんでくださるのがありがたい。そんな迂遠な話を経て、お待ちかねのミガス登場! おー、これがそうなのか! うん、全く焼きそばではないな!

ミガス 500円

メニューの日本語表記は「生チョリソーとバケットのソテー」。親指大の賽の目に切られたバケット、斜め切りのチョリソー、そのほか牛肉やオニオンなどをトマトソースで炒めてある。その上に両面焼き(ターンオーバー)の目玉焼きを乗せて、刻んだバジルをパラリ。

フライドエッグを崩してと……

メニューには「フライドエッグをくずしてからめながらお召し上がりください」と書かれている。そうしましょう、そうしましょう。半熟の黄身がタラーっと魅惑的にあふれ出る。それを絡めてパクリ! ふむふむ、旨い。

トマトソースの染みたバケット、歯応えもあり

バケットにはトマトソースがよーく染みている。なおかつカリッとしたクリスピーな部分も残っている。トマトの旨味とチョリソーの刺激的な辛さで後を引く美味しさだ。期待以上に美味しくて嬉しくなる。なによりも「パンを炒める」という発想が素晴らしい。これが細く切ったパンだったら、もっと焼きそばっぽく……とか考えてしまう。

店内の様子

個人的な目的を果たした後はオリーブやピクルス、ハムの盛り合わせでペースを落ち着かせて胃袋の小休止。食いしん坊が揃ったので話題は自然と料理ネタに。特にもんちゃんさんの専門分野、パンケーキの話は面白かった。お好み焼きはパンケーキ? どら焼きはどうなの? などなど。ホットケーキを自分で焼く駄菓子屋さんの話もしてみたり。

ハム・サラミ5種 盛り合わせ 2400円

最後はピッツァで締め。ナポリピッツァ専門に食べ歩いているJaffaさんが4人共通の知り合いなので、誰も「ピザ」とは言わない。「ピッツァ」である。「ピザ」と呼ぶとJaffaさんに叱られてしまう。10インチサイズをハーフ&ハーフで2枚平らげ、すっかり満腹になった。

ピッツァ ハーフ&ハーフで

お会計は一人あたり5000円ちょい。いやー、楽しかった。目的も果たせたし大いに満足。幹事を引き受けてくださったbrax3さん、参加者のみなさん、ありがとうございました。それにししても焼きそば目当てでスペイン料理店に行くってのは、自分くらいなものだろうなあ……。ミガス、もっと流行れー。

RIGOLETTO BAR AND GRILL

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マドリード 中野店 (東京都中野区)

前回はペルーでしたが、今回は宗主国だったスペインです!


スペイン料理でおなじみのパエリア(Paella)。独特のパエリア鍋を使って、魚介や肉・野菜と一緒に米をスープで炊き上げた料理ってのはご存知の通り。米も魚介も大好きな日本人には大いに受けがよく、いまや全国どこでも食べられる人気者だ。(ちなみにスペイン語での発音は「パエージャ」の方が近いらしい)

そのパエリアだが、米の代わりにパスタを使ったアレンジもあるのをご存知だろうか? 料理名はフィデウア(Fideua)。バルセロナのあるカタルーニャ地方の郷土料理で、日本では「パスタのパエリア」と紹介されることも多い。Youtubeで調理動画を探すと、スープを入れる前に乾麺の状態で具と軽く混ぜ炒めている人もいるので、10%くらいは焼きそば要素があると思うのだ。ああ、わかってる、異論があればまた今度聞こう。とりあえず先に進めますよ。

スペイン料理 マドリード 中野店

東京でもフィデウアを提供しているスペイン料理店は割りと多い。しかし「注文は2人前から」という店がほとんどである。そんな中、うちの近所にあるスペイン料理店「マドリード 中野店」にて、ランチタイムに1人前のフィデウアがお手ごろ価格で提供されていることを知った。灯台下暗し、さっそく行ってみよー。

中野セントラルパーク サウス

というわけで5月中旬、平日のランチタイムに訪問。同店のある建物は、2013年に中野へ移転してきたキリンビールの本社が入っている中野セントラルパーク・サウス。五月晴れの暖かい日で、敷地内にはお弁当を売るワゴン車も多数あり。公園のテーブルや店先のテラス席も賑わっているし、芝生で食べるのも気持ち良さそうだ。

マドリード 中野店 店内の様子

目的の店はランチタイムということもあってかなりの混雑。写真は団体客がちょうど引けたタイミングだが、入店時は満席だった。パエリアはちょうど売り切れたが、フィデウアは大丈夫らしい。順番待ちのリストに記名し、5分弱待って窓際のテーブルに案内された。新人バイトもいたせいか、オペレーションにちょっと難があるように感じたが、ま、慣れてくれば改善されるだろう。

マドリード中野店 ランチメニュー

さて、メニュー。この店は「パエリア」ではなく「パエヤ」と表記している。目当てのフィデウアはランチメニューの一番下にあった。日本語で「細麺パスタのパエヤ」。サラダとソフトドリンク付きで1100円。さらに希望に応じてパンもサービスしてくれるとのこと。なかなかお得である。

生ビール 520円

昼間だがキリン本社のお膝元まで来てしまったので、敬意を表して生ビール(520円)も注文。中身もグラスももちろんキリンだ。前菜のサラダをつまみにグビグビやる。よく晴れた日の昼ビールは格別だなー。

フィデウアは注文して5分ほどで出来上がった。現地では、パスタだと米より早く出来上がる点も重宝されているらしい。

フィデウア ランチ 1100円

麺は短い極細パスタ。フィデウア専用のフィデオというパスタがあるらしいが、これがその一種かは不明。ヴェルミチェッリ(バミセリ)を折った(切った?)ものかも知れない。そのパスタが小ぶりのパエリア鍋にドッサリ。エビ・ムール貝・アサリ・イカなどの魚介類と一緒に、ガーリックを利かせたスープで煮込まれていて熱々だ。さらに刻みパセリがトッピングされている。

専用パスタと魚介類がいい塩梅で煮込まれてます

パスタの長さがかなり短いのでフォークよりスプーンの方が食べやすい。スープをしっかり吸っているためアルデンテとは無縁の食感だが、魚介の旨味がよーく滲みていて旨い。また鍋の内側に貼り付いている部分は、「焦げ」まではいかないが水分が良い感じで飛んでいる。歯応えも楽しく、より濃厚な味わいだ。

鍋に貼り付いた部分がまた美味しいのよ

ナイフとフォークでエビの殻を剥いたり、ムール貝の内側に詰まっているパスタを食べるのは、ちょっと面倒。頭からかじりたくなったが、ちゃんとマナーは守って完食。付け合せのパンも食べたので、かなりお腹が膨れた。食後にエスプレッソをいただいてお会計は税込みで1661円也。

ちなみにパスタを乾麺のままオイルで炒め、そのあとにスープなどで炊く(煮る)という調理法は中近東にもある。それが地中海経由でスペインへ伝わったのかなー、なんて想像できて面白い。焼きそばと呼ぶにはさすがに難があるかも知れないけど、もしスペイン料理店で「パスタのパエリア」を見かけたら、ぜひ試してみてくださいまし。

マドリード

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アルコイリス 五反田店 (東京都品川区)

今週はラテン系の変わった品々を……例のごとく、焼きそばって呼んでよいか迷う品も混じってますが、そこはご愛嬌ということで(笑)


少し前にインド中華を集中的に取り上げたが、そのついでに似たようなスタイル=中華料理と特定地域の料理が融合した料理を探してみた。その際に知ったのがペルーにある「チーファ(Chifa)」と呼ばれる料理ジャンル。ラテン文化圏のペルーはスペイン料理がベースだが、そこに中華の食材や技法がミックスされたものらしい。ちなみに「チーファ」は中国語の「吃飯(チーファン)」が語源という説が有力だ。長崎ちゃんぽんも福建語の「吃飯(シャポン)」が語源という説もあるので、どこで何がつながっているかわからないものだ。

そのチーファには焼きそばもあるそうな。料理名はタヤリン・サルタード(Tallarin Saltado)。スペイン語の"lla"は「ジャ」か「ヤ」か紛らわしいが、新大陸方面は「ヤ」が標準らしいので、この記事も「タヤリン」で表記する。チーファの定番メニューで、Tallarinは「麺・パスタ」、Saltadoは「炒める」を意味するそうだ。Youtubeで探すと、レシピ動画がわんさか出てくる。好奇心がムクムク沸いて、「こりゃペルーまで行くしかないか」なんて思っていた。

ペルー料理 アルコイリス 五反田店

そんな矢先、4月下旬のとある平日。最近、仕事関係で通っている五反田でのランチタイム。一人でフラッと入った「アルコ・イリス」というペルー料理店で、食事中にボーっと眺めていたランチメニューにそのタヤリン・サルタードを発見した。まさかこんな身近にあるなんて!

ロモ・サルタード(Lomo Saltado) ランチ950円

ちなみにこの日食べたのはロモ・サルタード(Lomo Saltado・ランチ950円)。牛肉とジャガイモとトマトを炒め、ご飯を添えた料理で、これもチーファの一種。後述するタヤリン・サルタードもそうだが、日本人の味覚にフィットする味わいで、この品がランチの一番人気らしい。「とりあえず定番喰っとくか」と注文したのだが、タヤリン・サルタードを見つけてしまってはじっとしておれない。

アルコイリス 店内の様子

早速、その翌日に同店を再訪。店舗は東五反田の繁華街の裏道、雑居ビルの2階にある。意識しないと見つけ難い店だ。フロアにはテーブルが並び、キャパは40人ぐらいか。GW直前の雨の日で、前日よりランチの客は少なかった。適当なテーブルに着席。

「オラー(Hola)!」
「よう、今日もロモ・サルタードか?」
「いや、ちがうしwww」

アルコイリス ランチメニュー

2日連続でランチに来たため、店主にすっかり顔を覚えられてしまった。注文はもちろんタヤリン・サルタード(Tallarin Saltado)。日本語表記は「牛肉スパゲティ炒め」。なかなか的を射た訳である。レギュラーメニューでは1400円だがランチだと850円でかなりお得だ。

ソパ・デ・ポジョ(Sopa de Pollo)

ランチにはソパ・デ・ポジョ(Sopa de Pollo)と呼ばれるチキンスープも付いてくる。透明感のある黄色いスープにパスタ(ファルファッレ)、キャベツ、グリンピース、とうもろこしの粒などが浮いている。優しい味わいのスターター。胃がじんわりと温まる。

アヒ・アマリージョ(Aji Amarillo) めっちゃ辛い

ところでドレッシングの容器に入っているコレ。普通のドレッシングに見えるが、実は黄色唐辛子のペーストで、イエロー・チリ・ペーストまたはイエロー・ホット・ペッパーと呼ばれる。スペイン語だとアヒ・アマリージョ(Aji Amarillo)。色は薄いけどめっちゃ辛いので、入れすぎに注意しよう。むせるよ。

そしてメインディッシュのタヤリン・サルタード! 麺は普通の太さのスパゲティ。炒めやすいよう、油をまぶして茹で置いてあるのかな。アルデンテとは全く違うんだけど、ほどよいコシがある。

タヤリン・サルタード(Tallarin Saltado) ランチ 850円

具は牛肉、紫タマネギ、トマト、葱。玉ねぎやトマトは火の通りを加減して、シャキシャキした食感を残してある。牛肉はかなりの歯応え。日本では柔らかい肉が好まれるけど、むしろこういう硬い肉質を好む国の方が多いんだよね。

チーファ独特な中華風の味付けで美味しい

そして面白いのが味付け。バターとガーリックと醤油だろうか、判然としないが確かに中華料理の影響が色濃くて、実に日本人好みのする味わいなのだ。がっつり炒めたロメスパ的スパゲティで、味付けも違和感なく、普通に焼きそばとして美味しく食べられる。アヒ・アマリージョも適量加えて辛くするとさらに美味い。

他の人にはスパゲティ炒めかも知れないけど、自分にとっては完全に焼きそばだ。そんなペルーのチーファ、タヤリン・サルタード。世界の広さを体感する意味でもいろんな人に食べて欲しいなあ。レギュラーメニューには鶏肉やシーフードなどを使った品もあってバリエーション豊富。チャーハンに相当するチャウファ(Chaufa)も食べてみたいし、また来なきゃだわ。

アルコ イリス ベンボス 五反田店

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千徳 (東京都品川区)

東中野にある大盛軒という大衆中華の人気店をご存じだろうか? 看板メニューは「鉄板麺」。焼きそばを想像してしまうがさにあらず。熱々の鉄板に肉野菜炒めを盛り付け、生玉子・ご飯・半ラーメンと一緒に食べるセットメニューなのだ。私も学生の頃から何度も食べてきたが、ボリューム満点でパンチの効いた味わいが癖になる。このブログでも取り上げてみたいのだが、焼きそばではないのでずっと諦めていた。

戸越駅前 じゅうじゅう焼き 千徳

しかしその大盛軒から暖簾分けされたという、戸越の千徳という店の存在を知って風向きが変わった。この記事に暖簾分けの経緯が述べられているが、千徳では「じゅうじゅう焼き」という品名で提供しているそうだ。そしてさらにその焼きそば版もあるらしい。おー、それならばうちのブログにピッタリではないか。食べよう食べよう。

というわけで5月下旬、平日の20時過ぎに訪問。店舗は国道1号線の下り車線沿い、都営浅草線・戸越駅のA1出口とA2出口のちょうど真ん中辺りにある。

千徳 店頭メニュー

入店前に店頭に貼られていたメニューで目的の品、「じゅうじゅう麺」を確認。……が、ない! 前回の野郎ラーメンの券売機と同じ展開か! もしや止めてしまったのかも……と膨らんでくる不安感。とりあえず中に入ってみた。

「いらっしゃいませー!」

店員さんは男性二人。客席はL字カウンターのみ9席ほどで半分ほどが埋まっていた。とりあえず着席したがカウンター上にメニューはなく、さっきのメニューの裏側には全く同じ品書きしかない。

「あのすみません、じゅうじゅう麺ってやってますか?」
「はい、やってますよー」

千徳 店内メニュー

そう応えた視線の先に眼をやると、奥の壁に写真つきで紹介されていた。よかったーっと声に出さずに安堵する。ふむふむ、もともとはまかない飯なのか。

「では、じゅうじゅう麺(900円)で!」
「はいー、じゅうじゅう麺ひとつー」

もやしを敷いた鉄板をコンロに掛けて加熱。そこに茹で上げた麺を乗せ、炒めた野菜と肉を盛り付け、タレをかけて出来上がり。スープと一緒にお盆で提供された。

じゅうじゅう麺 900円

鉄板からは湯気が濛々と立ち上っている。写真を撮るのに難儀してたら、「下の方が焦げて味が濃くなりやすいので、お早めにかき混ぜて召し上がり下さい」と言われてしまった。そうだったそうだった。大盛軒での鉄板麺を思い出し、慌ててかき混ぜ食べ始める。

湯気で何も見えない

麺はラーメンにも使われている中太の平打麺。シコシコしたコシが特徴的だ。キャベツ、モヤシ、玉ねぎ、人参の上に、豚バラ肉少々が乗っている。味付けは甘辛酸っぱい特製のタレ。たしか玉ネギの摩り下ろしとか入っていたような。ジャンクかつ複雑な味わいで、これが野菜や肉に絶妙にマッチするのだ。

麺の焦げ目も良いアクセント

じゅうじゅう麺だと、鉄板で焦げた麺も歯応えと香ばしさがちょうどよいアクセントになって楽しめる。それと大きな瓶に入ったタバスコも欠かせない。大盛軒もそうだったが、途中でこれをダバダバ掛けるのがお作法なのだ。

カウンターのタバスコ大瓶、重要です

口の中を火傷しても構わずかきこむくらいの勢いも大事。ハフハフ食べてると何か物足りないことに気がついた。そうだ、玉子だ、生玉子! それも欠かせない要素だったっけ。終盤で気づいたため追加注文は控えたが、次回は絶対トッピングで忘れないようにしよう。

付け合せのスープは落ち着く味わい

付け合せのスープは醤油ベースのシンプルな品。生姜の利いた落ち着く味わいで、メインを邪魔せず、サポートに徹している名脇役。じゅうじゅう焼きセットだとこれがラーメンになるんだな。

食事中もひっきりなしに客が入ってきて途絶えず。スタッフと常連さんとが軽口を交わしている様子に、地元での人気ぶりがうかがえた。食べ終えてからお冷をお代わりし、汗をぬぐってお会計。東中野の大盛軒でもやってくれないかなー、じゅうじゅう麺。生玉子つきで。

千徳

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野郎ラーメン 中目黒店 (東京都目黒区)

ラーメン二郎インスパイア系の中でも、独自の戦略を多々試みているせたが屋グループの野郎ラーメン。その支店のひとつ、中目黒店で焼きそばを提供していると知ったのはしばらく前のこと。さらにさらに何故かそれにパンを付けたセットまであるそうな。なんだそりゃ、食べなきゃ!

野郎ラーメン 中目黒店

5月下旬、平日の22時近く。中目黒駅の正面改札を出て、山手通りを少し北へ進むと、墨痕鮮やかな「野郎ラーメン 中目黒本店」の看板が現れた。店内は奥に長い造りで、カウンター席がずらっと並んでいる。一番奥にはテーブルもあるらしいが未確認。

野郎ラーメン 中目黒店 券売機

注文は食券制。かなり奥まった場所にある券売機に千円札を入れて焼きそば、正確には「茹でやきそば」の文字を探す。……が、みつからず。

「あのー、焼きそばが券売機にないんですが」
「あ、すみません、口頭で大丈夫っす!」
「じゃ、茹でやきそばの豚玉入り(880円)、パンセット(+120円)で」
「時間掛かりますがよろしいですか?」
「いいですよー」

焼きそばなどのお品書き

食券ならぬ現金を渡して手近なカウンターに着席。券売機の後ろにぶら下がっている品書きによると、カレー茹でやきそば(850円)というのもあるらしい。が、まあ今日のところはノーマルのソース味でよいだろう。

野郎ラーメン 店内の様子

野郎ラーメンは炒めた野菜=焼き野菜をトッピングで選べるのも特徴のひとつとされていて、それ用の中華鍋も置かれている。しかし焼きそばは中華鍋ではなく、その横に設えられた鉄板で調理していた。右手にトングと左手にコテを持ち、茹で上げた麺を炒め、中華鍋で炒めたもやしを乗せ、さらに豚肉や玉子を焼き上げてトッピング。パンを添えて出来上がり。

茹でやきそば 豚玉入り 880円 + パンセット 120円

器はかなりデカいアルマイト製の銀皿だ。麺は二郎系ではおなじみのオーションを使ったゴワゴワの極太麺。鉄板で炒めてあるが焼き目はついていない。その上に野菜。大量のモヤシと僅かなキャベツと数本のニラは、たぶんラーメンの焼き野菜と同じ構成だろう。さらに大きな豚肉が3切れと、目玉焼きのトッピング。左脇に紅生姜、そして右にコッペパン。パンセットなのでパンがあるのは当たり前なのだが、違和感は否めない。

オーションを使ったゴワゴワ麺

味付けは甘めのソースで、ものすごく濃い。シズル感を通り越してビシャビシャというか、ここまでしなくてもとも思うが、まあこれがこの店の流儀なのだろう。素人考えに過ぎないけど、麺・スープ・具、それぞれの自己主張の強さで、「毒を以って毒を制す」的なバランスを指向するのが二郎系なのではあるまいか。ま、今回はスープじゃなくてソースなのだが。

パンに挟んでいただきます

さて肝心のコッペパン。上下二つにスライスしてあり、断面がカリッと焼かれている。これに焼きそばを挟んで焼きそばパンとして召し上がれ、という趣向なわけだ。麺の長さに難儀しながら少量を乗せ、肉と紅生姜も一緒にサンドしてかぶりつく。ふむ、これはなかなか旨い。濃い味付けがパンで中和される。ただパンはそんなに大きくないので3口ほどで平らげてしまった。パンセットと言っても、あくまでも焼きそばが主役でパンは添え物なのだろう。なお食べる際にどうしても手が汚れるが、目の前にティッシュが箱で置かれているのでその点は安心だ。

味付けの濃さが後半ツラい……

パンを食べ終えた段階で、焼きそばは半分以上残ってる。二郎系らしくボリューミーなのは嬉しいけど、元の味付けが濃すぎて味変を楽しめないのが惜しい。終盤は目玉焼きの黄身を絡めたりしつつ完食。食べ終えた皿を上げ、「ごちそうさま」と告げて店を出た。喉が渇いて痰が絡むが、その辺は覚悟の上なので良しとしよう。

万人には薦めづらい品だが、試みとしてはなかなか興味深い一皿だった。二郎インスパイア系の焼きそば的な品だと、以前紹介した肉汁らーめん公の焼らーめんを思い出す。味付けは全く異なるが、食べ比べてみるのも面白いかも知れない。あっちはさすがにパンセットはないけどね。

野郎ラーメン 中目黒店

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きみはん 五反田店 (東京都品川区)

今週はラーメン店が提供している焼きそばをご紹介します。それも比較的ガッツリ系! まずは五反田のこちらからー。


東池袋大勝軒で生まれたつけ麺を、一躍ブームに押し上げたつけ麺TETSU。現在は首都圏を中心にチェーン展開しているが、そのブランドのひとつ、江戸前煮干中華そば「きみはん」の五反田店で焼きそばを出しているそうな。そのことを最近知って早速訪れてみた。

江戸前煮干 中華そば きみはん 五反田店

訪問したのは5月下旬、平日の午後1時ころ。ちなみにこの翌日に入手した雑誌・東京カレンダーの焼きそば特集で、まさにこの店が紹介されていた。「わっ、先を越されてしまった」と少し悔しくなったのはここだけの話。ちっちゃな男なのです、はい(笑)

きみはん 五反田店 券売機

JR山手線のガード下に近づくと生ぬるい風とともに煮干の香りが漂ってきた。注文は食券制で券売機は店の外に置かれている。千円札を入れて目的のボタンを探す。「きみはんのやきそば/750円」これだ。ポチっとな。

カウンターのお品書き

客席は横に長いL字カウンターで10席ほど。ランチタイムもピークを過ぎて客席の半分ほどが空いていた。お冷と引き換えに食券を見せて待つ。カウンター上のお品書きには、次のようにやきそばの説明が書いてあった。

店主が子供の頃、父親によく連れて行ってもらった街の中華屋さんの看板メニューを記憶を辿りながら作りました。

「ほう……店主はどこの出身でなんて店に行ってたんだろう?」

カウンターの調味料類

興味はとりあえず置いといて調理の様子を眺める。焼きそばは中華鍋を使用。この店は、つけ麺専門店には珍しくチャーハンもやっていて、そちらでもこの中華鍋が活躍するらしい。モヤシを軽く炒めて、茹で上げた麺を投入。ざっとかき混ぜ、タレなどで味を整えて丼に盛りつけ。花がつおと紅生姜をトッピングして出来上がり。

きみはんのやきそば 750円

麺は縮れた極太麺。東京カレンダーの記事によるとつけ麺とは別に焼きそば専用の麺を使っているそうだ。具はモヤシ、メンマ、目の細かい豚挽肉。トッピングに紅生姜と花がつお。麺はモチっとした食感で、さすがに上等な食べ応え。モヤシとメンマのシャキシャキ感も楽しい。

焼きそば専門の極太麺を使用

味付けはソースか中華系かと思ったが全く違った。東京カレンダーによると塩ダレやラーメン出汁が使われているようだが、単なる塩味ではない。煮干由来の深いコクがベースなのは明らかなのだが、何味と呼ぶべきか考え込んでしまう複雑な味わいだ。豚挽き肉も風味と食感にアクセントを加えている。煮干の臭みは一切無く、麺と旨味で真っ向勝負という印象を受けた。

つゆだくなのでよく混ぜましょう

つゆだくなのもこのやきそばの特徴だろう。深い丼の底にはタレが溜まっていて、食べる前によく混ぜた方が良さそうだ。麺を中華鍋で炒めてはいるけど、スタイルとしては和えそば・油そばに近いかも知れない。とても独特な美味しさでボリュームも充分。胃袋も好奇心も満たされた一杯だった。

「きみはん」は本店と五反田の2店舗が展開しているが、焼きそばがあるのはここ五反田店のみ。興味のある方はぜひ一度訪れてくださいまし。それにしても店主が子供の頃に食べたという中華料理店が気になる。機会があれば訊いてみたいなあ。

江戸前煮干中華そば きみはん 五反田店

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厦門厨房 (東京都大田区)

高格の記事でも登場した中華料理好きのみにたろうさんのブログで、蒲田にある厦門(アモイ)厨房という店に興味を持った。長崎チャンポンのルーツという説もある福建料理、福建燜麵(メンミェン)がその店で食べられるらしい。

蒲田 厦門厨房

「ぜひ一度食べてみたなー」ということで、5月のとある夕方、みにたろうさん、そして4月にロンドンでロブスター焼きそばをご相伴したYさんをお誘いして、同店を訪れることになった。

アモイの郷土料理が充実!

店舗は蒲田駅から数分の商店街の角にある。客席はテーブルが8卓ほど。入店時は2組くらいだったが、その後ほぼ満席になった。メニューにはアモイの郷土料理のコーナーがあり、それらの品々を中心に注文を決めた。

生ビール ほとんど飲んでしまった

とりあえずは生ビールで乾杯。揚げ塩ピーナッツのお通しをポリポリ齧りながら料理がやってくるのを待つ。写真撮る前にほとんど飲んでしまったが気にしないでください。

黄瓜猪耳/ミミガとキュウリの冷製 399円

まずは黄瓜猪耳(ミミガとキュウリの冷製/399円)。食べなれた豚耳と胡瓜の和え物。普通の豚耳を注文しようとしたら、こっちの方を薦められた。無難な味わいだが当面のつまみにはピッタリ。

海蛎煎蛋/アモイ風カキ玉 900円

海蛎煎蛋(アモイ風カキ玉/900円)。台湾でもお馴染みの牡蛎入り玉子焼き。一般的な品と違って浮き粉が入らず、玉子本来の味わいが楽しめる。牡蛎だけでなくアモイ特産の生海苔も入れてくれた。風味が良い。

福建蒸地瓜丸/アモイさつま芋団子 600円

福建蒸地瓜丸(アモイさつま芋団子/600円)。みにたろうさんは「黄色いスライム」と命名。もっちりした団子の中に肉と生海苔(アオサ)の餡が入っている。食感と風味が独特で期待以上の美味しさだった。

紹興酒をボトルで飲むでー

ビールを飲み終えて、私とみにたろうさんは紹興酒のボトルを注文。あまりお酒の飲めない弓人さんは見慣れないソフトドリンクにチャレンジ。「王老吉」と「仙草蜜」、後者はタピオカのようなゼリー入りだったが、どちらも薬草茶を甘くしたような味わいで、あまり区別が付かず。台北のコンビニで買ったお茶とか、こんな味だったような。

酥炸海蛎/アモイ風カキの揚物 1200円

酥炸海(アモイ風カキの揚物/1200円)。カキをフリッター状に揚げたもの。さくさくで熱々。カキの風味をダイレクトに味わえる。酸味の効いた付けダレも面白い。

海蛎餅 300円

サービスで出してくださった海蛎餅(300円)。カキと海苔、キャベツやモヤシが入った揚げパン。これもサクッとした歯応えとジューシーな餡が楽しめる。ただ、カキの玉子焼きや揚げ物など、似た系統の味が続いてちょっと辛くなってきた。

そしてお目当ての福建燜麵(1200円)。日本語表記は「アモイ風汁焼きそば」。冒頭に記したとおり、長崎チャンポンのルーツという説もある福建の郷土料理で、麺を魚介ベースのスープで煮込んだものだ。

福建燜麵/アモイ風汁焼きそば 1200円

さて、その福建燜麵だが……

「なんか臭いね」
「アンモニアの臭い?」

料理が出てきたと同時にみんなの鼻が反応した。スープは魚介の旨味たっぷりでコクがあり、麺にもそれが十二分に滲みて美味しいのだが、どうにも臭いが気になる。これが本場の味なのかな、とも思ったが、さすがにそれも考えづらい。

うーん、この臭いさえどうにかしてくれれば……

私とみにたろうさんとで推測した結果、たぶん冷凍物のイカを使う際、解凍して染み出た水分(ドリップ)を適切に処理しなかったのでは、ということで落ち着いた。この臭いさえなければ間違いなく絶品なのだが、素直に美味しいとは評価しづらい。臭豆腐やくさやなど、本来が臭い料理は大好きなんだけどなあ。実に惜しい。

【追記】中国地方菜に詳しいメシコレ仲間のアイチー(愛吃)さんから、『あのニオイは発酵たけのこ調味料「福州笋丝」独特の香りで、福建焖面にも使われている、むしろあのニオイがなければ正宗福建菜とは言い難い』とのご教示をいただきました。なんと、あれが本来の臭いだったとは。無知とは怖いものですね。謹んで上記の評価を訂正させていただきます。

福建花生餃/ピーナッツ入り甘揚げ餃子 400円

気持ちを取り直して、締めに福建花生餃(ピーナッツ入り甘揚げ餃子/400円)。シナモンの香るピーナッツ風味。ロンドンでアップル餃子を食べたが、甘い揚げ餃子は応用範囲が広そうだ。

お会計は合計で1万円ちょっと。お酒をほとんど飲まなかったYさんの分を調節して、3人で割り勘。肝心の福建燜麵にはちょっと戸惑ったが、それ以外は美味しくいただけた。事前に知識があれば、より楽しめたろう。機会があればリベンジしてその辺りを尋ねてみたいなあ。

厦門厨房

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山珍居 (東京都新宿区)

西新宿にある台湾料理の老舗、山珍居。創業は1947年(昭和22年)というから、ほんの2年前まで台湾が日本の一部だったわけだ。当時、台湾料理がどのようなポジションだったのか、あれこれ想像すると興味は尽きない。

西新宿 純台湾料理 山珍居

初めて山珍居を訪れたのは昨年の10月上旬のこと。ふと焼ビーフンが食べたくなって、土曜の昼時に訪ねてみた。地下鉄大江戸線の西新宿五丁目駅から地上に出て、方南通りを新宿方面に少し進むと、「純台湾料理」の看板が目に留まった。

山珍居 店内の様子

店内は歴史を感じさせる雰囲気だが、同時に清潔感もある。レジカウンターの奥のフロアにはテーブルが7卓ほど置かれていた。見上げれば梁には色紙がズラリと並んでいる。実はここ、日本SF作家クラブ発祥の地でもあり、星新一や小松左京、筒井康隆、はたまた手塚治虫や赤塚不二男など早々たる面々が夜な夜な集った店なのだ。

山珍居 簡単なお食事メニュー

さてメニュー。平日だとランチメニューもあるのだが、土日はレギュラーメニューしか無く、少々お高め。焼ビーフン(焼米粉)は700円、汁ビーフン(汁米粉)は1000円と「簡単なお食事」の品々はまだお手頃な方なのだが、一品料理だと軽く2~3000円の値段が付けられている。おぜぜに余裕があればいろいろ試したいけど、今日のところは焼ビーフンとヒーワン(魚丸/800円)の2品を注文。

焼ビーフン(焼米粉) 700円

待つ事10分足らずで料理が運ばれて来た。まずは焼ビーフン。麺は極細のビーフン。メニューでは「お米で作ったソバ、消化が良く食べなれるとまことに美味なもの」と紹介されていた。「食べなれるとまことに美味」という表現が、なかなか絶妙で面白い。

「お米で作ったソバ、食べなれるとまことに美味なもの」

その「お米で作ったソバ」が蝦米(干した小エビ)やキャベツ、モヤシと炒めてある。ボリュームはかなり軽めだ。トッピングにはチャーシュー・ハム・錦糸玉子・筍・グリンピース。この盛り付けの彩りも当時としては新鮮だったのかも知れない。

ビーフンは「もっさもっさ」という擬音を使いたくなる

ビーフンは期待通りの美味しさだ。ツルツルでもズルズルでもなく、モサモサというオノマトペを使いたくなる独特の食感。味付けはごくごく控えめなで、ほんのり油脂が香る程度。しかし付け合せの味噌ダレが強烈で、パンチの効いた味わいだ。あえて味噌ダレを使わずに食べるのもありだと思う。能書きにあったように消化が良いためか、軽々と胃の腑に収まってゆく。

ヒーワン(魚丸) 800円

そしてヒーワン。漢字表記の「魚丸」は魚肉のすり身で作った団子のことで、「ヒーワン」はその台湾読みだ。団子の歯応えと香りが素晴らしく、澄んだスープは滋味に溢れている。浮いているのはネギかと思ったが、この風味はセロリか。コショウが良い仕事をしていてかなり美味しい。喉に引っかかりやすい焼ビーフンには欠かせない相棒といえるだろう。このスープならヒーワングランプリ優勝だな。

パイナップルケーキ(鳳梨酥) 180円

ビーフンとヒーワンをペロリと平らげてお会計。その際、デザートとして台湾でおなじみのパイナップルケーキ(鳳梨酥/180円)もひとつ購入した。久しぶりに食べたが、しっとりした餡の甘味と酸味で食後の満足度アップ。こういう歴史ある店は、コストパフォーマンスとは全く別次元で評価したいなあ。SF好きな方、聖地巡礼にいかがでしょう?

山珍居

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無添加 焼きそば BAR チェローナ (東京都港区)

またまた都内に新規オープンの焼きそば専門店が! 今回は別の記事の予定だったんですが、予定変更してその新店の訪問記でーす。


つい先日の5月20日、『無添加 焼きそば BAR チェローナ』という焼きそば専門店が港区の白金高輪にオープンした。そう、「シロガネーゼ」で知られる高級住宅地のエリアだ。本格的な中華料理店の焼きそばはあっても、いわゆるソース焼きそばとは縁遠い土地柄で、当ブログの焼きそばMAPでもスッポリ空白地帯になっている。

東京都内では昨年暮れから焼きそば専門店が次々とオープンしている。また港区だと昨年7月に広尾で開業した焼きそば専門店・BROWNも記憶に新しい。焼きそば好きとしては実に嬉しい傾向だ。

このチェローナ、A5ランクの黒毛和牛をお値打ち価格で食べさせる「ミート矢澤」系列の店で、昼は焼きそばオンリー、夜はタパスとお酒がメインという業態とのこと。期待が高まる。

無添加 焼きそば BAR チェローナ

新規オープンの知らせを受けてその週末の日曜、ランチタイムに早速訪問してみた。最寄駅は地下鉄の白金高輪駅。4番出口から麻布通りを200mあまり歩くと狭い間口の店舗がある。客席はカーブを描いたコの字カウンターで10席ほど。カウンターの形に合わせ、天板には鉄板が設えられている。

無添加焼きそば、こだわりの食材

ほぼ満席で奥の方のカウンター席へ案内された。自分のあとも客足は途切れず。このエリアの日曜ランチでこの入りなら上々の滑り出しだろう。壁には焼きそばへのこだわりをまとめたポスターが貼られている。また黒板には夜営業のためのメニューがビッシリ書いてあった。

チェローナ 焼きそばメニュー

ランチタイムは焼きそばのみ。普通盛りが950円、大盛りが1050円。焼きそばにしては高めの価格設定だが、場所が場所なのと、無添加の食材にこだわっているため、どうしてもこういう値段になるのだろう。追加のトッピングを選べるが、目玉焼きはデフォルトで付いてくるということで、焼きそばの大盛りを追加トッピングなしで注文した。

チェローナ 夜メニュー

ちなみに夜のメニューはこんな感じ。「ミート矢澤」系列なのできっと肉料理も間違いなく美味いんだろうなあ。機会があればそちらもいつか試してみたいなあ。

茹で上げた麺は鉄板に広げて動かさないのがコツ

さて焼きそば。注文が入ると同時に麺を茹で始めた。タイマーのアラームを合図に麺を湯切りして、冷水で洗って締める。その麺を熱した鉄板に広げ、その脇で豚肉と目玉焼きを焼く。広げた麺は動かさず、その上にキャベツを乗せ、さらに焼きあがった豚肉も一口大に刻んで乗せる。

目の前で出来上がっていくライブ感が楽しい

ときどき麺の焼き加減を確認し、じっくり充分に焼き上げたところでソースを掛けてひっくり返し、混ぜ炒め。鉄板に大きなクッキングシートを広げて焼きそばを盛りつけ。旨味粉(魚粉)・青海苔・天かす・目玉焼きをトッピングし、紅生姜ならぬ刻み甘酢生姜を脇に添えて出来上がり!

無添加焼きそば 大盛 1050円

麺は中太でツルツル・シコシコ、まさにアルデンテな茹で加減。ちゃんと焼き目も付いているのが嬉しい。具の豚肉やキャベツ・玉子はもちろんのこと、鉄板に引く油から青海苔・旨味粉・天かす・甘酢生姜に至るまで、食材は全て無添加にこだわっているだけあって、それぞれが個性を主張している。特に豚肉とキャベツは一切れが大きく存在感満点。

全ての要素にこだわった焼きそば

もちろんソースもオリジナルの無添加ソース。やや甘めで後口スッキリ。リッチな麺に引けを取らない、フルーティな美味しさ。卓上にある辛味ソースは関西のドロソースを思い出させる刺激的な味わいだ。辛いだけでなくまろやかさもあり、途中で適量試してみることをオススメしたい。

刺激的な辛味ソースも美味しい

両面焼きとは違うが焼き方は日田風っぽくもあり、味付けは関西風っぽくもあり。それでいて屋台の焼きそば的なジャンクさも感じられる。天かすの風味と目玉の黄身のコク、甘酢生姜の爽やかさ。かなり研究された焼きそばだなあという印象を受けた。

生麺で並盛が150g、大盛りが225gあり、ボリュームも自分的には満足できた。あぺたいとみかさかぶきちまるしょうなど、生麺を茹でて作る焼きそばは1人前を焼きあげるのにどうしても時間が掛かり、客席の回転数に限界がある。その点を勘案すると、このくらいの価格帯にも納得していただけるのではなかろうか。

クッキングシートだと食べるのに時間が掛かっても焦げ付かずに済む。その辺の気配りも白金に相応しいホスピタリティだ。目の前で出来上がっていくライブ感も楽しいし、この焼きそばなら、シロガネーゼの有閑マダムたちのお眼鏡にもきっと適うことだろう。ちなみに地名の「白金」は本当は「しろかね」と読む。濁らないのでご注意を。

無添加焼きそば BARチェローナ

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