宝来亭 (大阪府大阪市)

8月に食べ歩いた関西の焼きそば特集、5週目でーす。


大阪市東成区の今里には「今里焼きそば」と呼ばれるご当地焼きそばがある。極太麺を使った後掛けソースの焼きそばで具は玉ねぎと牛肉のみ。バブル時代に一度失われたその味を復活させた焼きそば専門店・長谷川は、このブログを開設して間もない頃に紹介させていただいた。さらに宝来亭という大衆中華料理店でも、その今里焼きそばが食べられると知り、この機会に訪れてみた。

今里新橋通商店街 中華料理 宝来亭

訪問したのは関西滞在5日目。お盆休みに差し掛かろうという8月中旬、平日の午前11時過ぎのこと。地下鉄今里駅を降り、今里筋の一本西にある今里新橋通商店街を歩く。近鉄電車の高架の手前、右側に目的の店はあった。「今里焼きそば」の幟がおいでおいでをしている。

宝来亭 店内の様子

「いらっしゃいませー」

店内は奥に長く、昔ながらの大衆中華という雰囲気。客席はカウンターのみで15席ほど。早い時間帯なので先客なし。ご夫妻と息子さんらしき3人で切り盛りしているようだ。

宝来亭 メニュー

ラーメンは450円、餃子は250円と、価格帯はとてもリーズナブル。先週取り上げたフライ麺=カタ焼きそばは、店内メニューだと「フライそば」という表記だった。ご当地ラーメンの高井田ラーメンも置いてある。

今里焼きそばにはいろいろなオプションも

目的の今里焼きそばは中と大の2サイズがあり、それぞれ500円と600円。玉子入りやライス・味噌汁付きの定食、焼き飯付きのセットもある。お腹の空き具合からすると大を食べたいのだが、この後の予定が控えているため中サイズにしておいた。

ソースやコショウなど出してくれます

調理は年配のご主人が担当。中華鍋を熱して油をなじませ。玉ねぎと牛肉を煽り炒めて別の器に取って置く。再度油をにじませ。茹で上げておいた麺とさっきの具を混ぜ炒める。スープを少し足し、色々と味付け。更に混ぜ炒め盛り付けてできあがり。

今里焼きそば 500円

麺はうどん並みの極太麺。具は玉ねぎと牛肉のみ。化学調味料と塩コショウだろうか、そのまま食べるとごく薄い味付けだ。しかしこれが後掛けソースで一変する。

極太麺と牛肉・玉ねぎ……以上っ!

以前、長谷川のおっちゃんにレクチャーされた通り、ソースを2~3遍グルグル廻して、しっかり掛けた。麺を頬張ると……あー、この美味しさだっ! 極々シンプルなはずなのに、味の深みがぐっと増して食欲をガシガシと刺激する。ほんま美味しい。気付けば貪るようにかきこんでしまった。うーん、足りない。やっぱ大にしとけばよかったかなー。

ソースをしっかり掛けましょう

高井田ラーメンも極太麺が特徴なので、もしかしたら同じ麺を使っているのかな。どうしても気になり、不躾ながらお店の方に訊いてみたところ、高井田ラーメンの麺とは違って、玉子が入った卵麺を使っているとのこと。なるほど、しっかり使い分けているのね。教えて頂きありがとうございました。

こちらのお店が今里焼きそばを始めたのは、5年くらい前のことらしいが、こうやって古い味が残るのは焼きそば好きとしては、とても嬉しい。長谷川さんともども、末永くこの味を伝えて欲しいなあ。あー、また食べたい!!

宝来亭

タグ , , , , コメントを見る

焼きそば専門店 寿座 総本店 (東京都大阪市)

7月に新橋の広島焼HIDE坊でオタフクソース社の方々と飲んだ際、「来月大阪へ行くんですよ」とお伝えしたら、幾つかオススメの店を教えていただいた。その一つが道頓堀にある焼きそば専門店・寿座(じゅざ)。大阪市内に数店舗を展開している鉄板串料理店・鉄板神社が母体で、創業は2013年8月8日。今年で3年になる新進気鋭の店だ。

大阪 道頓堀に架かる戎橋

8月中旬、平日の20時半ぐらいに訪問。常に観光客で賑わっている戎橋の南東側、かに道楽やカールおじさん、づぼらやなどのド派手な看板が並ぶ道頓堀通りへとやってきた。そのづぼらやの向かい側の脇道を入ったとこに焼きそば専門店・寿座はある。表通りの巨大看板群には及ばないがこのファサードもなかなか派手だ。

道頓堀 焼きそば専門店 寿座

客席はカウンターのみで、広い厨房を囲むようにコの字で20席ほどが設けられている。入店の時点で半分ほどが埋まっていた。外国人客の割合も高い。スタッフ四人ほどで廻していたが、外国人への接客も流暢で素晴らしい。後で聞いたところ英語・中国語・韓国語だけでなく、インドネシア語・タイ語もOKとか。すげー。さすが大阪、商人の鑑だなー。

寿座 焼きそばメニュー

メインの鉄板の正面の席へと促され、着席してメニューを確認。焼きそば専門店なので焼きそばメインなのは当然なのだが、東京のまるしょうを彷彿とさせる種類の多さだ。定番のソースだけでなくトマトに豚キムチにコチュジャン。生玉子につけるすき焼き風なんてのもある。バラエティ豊富で、季節限定も含めるとなんと10種以上の味付けが選べる。ソースにしようか迷ったが、結局1番人気のトマト焼きそば(980円)と生ビール(540円)を注文した。

生ビール 540円

メニューに書いてある通り、こちらのトマト焼きそばはパスタ麺を使用している。当ブログでは対象範囲が広くなりすぎるのを懸念して、ナポリタンやロメスパはなるべく取り上げないようにしている。しかし今回は店が焼きそばと謳っているから、これは完全に焼きそばなのだ。

真正面なので調理の様子が良く見えます

さて、ちょうど正面だし、せっかくなので調理の様子を見てみよう。通常の焼きそばの場合は、水で解した麺を鉄板に開げて、しばらく放置し焼き目をつけていた。その横でキャベツに蓋を被せ蒸し焼きに。豚肉を焼き、一口大に切り分け、キャベツと豚肉を麺の上に乗せる。ボウルに予め計られたソースを掛けて混ぜ炒めてできあがり。なるほどこれが基本形か。

トマト焼きそば調理の様子

一方、トマト焼きそばはパスタ麺を使用するためか、ちょっと変わった手順だった。麺は焦がさないよう最初からキャベツの上に載せ、豚肉とトマトは別に焼く。一口大に切り分けた豚肉をキャベツ・麺と合体し、塩とソース、マヨネーズで味付けして混ぜ炒め。焼きそばを皿に盛り付け、トマトをトッピングしてできあがり。

焼きそばは平たいお皿では無く、深さのある器で供された。そして焼きそばを注文すると熱々の特大スープがもれなく付いてくる。スープを先に出してくれるので、これを啜りながら酒を呑むのもなかなか乙だった。ではでは、焼きそばをいただこう。

トマト焼きそば 980円

麺は平打ちパスタのリングイネを使用。かんすい入りの中華麺とはひと味違うツルツル・シコシコ、アルデンテな食感が楽しい。具は前述の通り、豚肉・トマト・キャベツ。青海苔や鰹節などのトッピング類は無し。

トマトとソースとマヨネーズが合いまった濃厚な味わい

ソースは大阪らしい甘口ソースだ。そこに熱せられたマヨネーズのコクとトマトの旨味が加わって、かなり濃厚な味わいになっている。ザク切りキャベツの食べ応えもよい。確かに焼きそばなのだがイタリア料理っぽくもあり、何とも面白い一皿だ。

麺は平打ちパスタのリングイネを使用

付け合せの牛すじスープも甘口だが、しつこい味わいではない。出汁の塩梅といい、すじの噛みごたえといい、よい口直しになった。この出汁なら2番人気のすき焼き焼きそばってのも期待できそうだ。

牛すじスープも美味しい

食べている間もあれこれ観察してしまったが、リーダー格の店員さんが他のスタッフへの指示する際に、「~をお願いします」「~してください」調の丁寧語を使い、分かりやすく大きな声でやり取りしていた。飲食店での店員同士のやり取りは店の雰囲気に大きく関わってくるが、見ていてとても好印象だった。二重丸◎。

ちなみにぐるなびの公式サイトでは「大阪初の焼きそば専門店」と謳っているが、今里の長谷川や高槻のカメハウスがあるので、少なくとも初ではない。ただ、大阪で焼きそば専門店がとても希少なことは確かである。

お客さんが言うてたのなら嘘ではないな

メニューの表紙には「この間お客様に日本で一番おいしいと言われました」という宣伝文句が載っていた。ははは、気が利いてる。お客さんの言葉だから嘘ではないし、確かに美味かった。ほかの焼きそばをお代りしようか迷ったけど、それは次の機会にとっておこう。

寿座  総本店

タグ , , , , コメントを見る

【メシコレ】六本木・千日前やきそば

メシコレの新記事です! つい先日、このブログでもご紹介した六本木の新店を取り上げました!

生卵をつけるスタイルが特徴!「大阪風」焼きそばの専門店が六本木に上陸

実はあれからもう一度訪問しまして、ちゃんとおじやセットも食べて来ました。メシコレの記事もあとでその辺を追記するかも知れません。よかったらお読みくださいませ~!

コメントを見る

【ラジオ出演】9/23 TOKYO FM「クロノス」

もう一つラジオ出演のお知らせです! 明後日9/23(金)、TOKYO FMの「クロノス」という番組に、早朝7:20ごろから7分ほど生出演する予定です。

【出演番組】クロノス@TOKYO FM
【放送日時】2016/9/23(金) 早朝6:00~9:00
【出演コーナー】7:20頃~
【公式サイト】http://www.jfn.co.jp/ch/

全国のJFNネット局でも聴取できるはずですので、地方の方も良かったらお聴きください!

コメントを見る

【ラジオ出演】9/22 bayfm「パワーベイモーニング」

ラジオ出演のお知らせです! 今年1月にも出演させていただいたbayfmの「パワーベイモーニング」という番組。明日、9/22(木・秋分の日)の早朝6:45から7分ほど電話で生出演する予定です。

【出演番組】パワーベイモーニング@bayfm
【放送日時】2016/9/22(木・秋分の日) 早朝5:00~9:00
【出演コーナー】6:45頃~
【公式サイト】http://web.bayfm.jp/pbmorning/

最近の焼きそば専門店オープンラッシュについて語るかも? 祝日ですけど早起きされた方はぜひお聴きくださいませ。

コメントを見る

だるまや (大阪府松原市)

大阪滞在4日目だが、今回はまだ串カツを一度も食べていない。せっかくだから、できれば焼きそばと一緒がいいなあ……なんて欲張って店を探し、見つけたのが松原市にある昭和22年創業の老舗、だるまや。串カツとお好み焼きの人気店で、値段がとにかく安い。訪問後に知ったのだが、ケンミンショーの大阪C-1グランプリという企画でも紹介されたらしい。「値段は上げへん。揚げんのは串カツだけや」とは、けだし名言である。

近鉄南大阪線 河内天美(かわちあまみ)駅

だるまやの最寄駅は近鉄南大阪線・河内天美(かわちあまみ)駅だ。前回紹介した北浜の龍門を出て、地下鉄堺筋線で動物園前まで移動。ポケモンを探しながら、あべのハルカスまでのんびり歩く。近鉄南大阪線・藤井寺行の各駅停車に乗り、6つ目の河内天美駅で下車した。

松原市 天美商店街

この辺りは奈良盆地から発して大阪湾に流れ込む大和川の流域だ。大阪市にも堺市にも交通の便が良いベッドタウンで、東京郊外にある私鉄のローカル駅と同様、駅から伸びる天美商店街もこじんまりしていて、のどかな雰囲気だった。

松原市 だるまや 本店

目的のだるまやに到着したのは13時半ごろの昼下がり。だるまやは本店と別館、少し離れた3号店の3店舗がある。本店を覗いてみると店員さんが客席で仕込中で、「あっちでお願いします」と斜向かいにある別館へ促された。

松原市 だるまや 別館

平屋木造の本店とは対照的に、別館は自動ドアの3階建て。しっかりした造りの新しめの店舗だ。先客に家族連れが居たが、入れ違いでお会計を済ませて帰っていった。平日の昼下がりで偶々空いていたが、ランチや夜、週末はきっと大混雑なんだろうなあ。

キリン一番搾り 530円

着席したらとりあえずビールと串カツだ。生ビールはアサヒだが、瓶ビールにはキリン一番搾り(530円)もあるので後者を注文。串カツは2時間前に食事したばかりだし、まずは3本くらいで様子を見ようと、肉(1本60円)、玉ねぎ(1本40円)、レンコン(1本40円)の3品を注文した。

だるまや 串カツメニュー

注文した後、「それにしてもほんまに安いなあ」と感心しながら串カツメニューを眺めて、「1品5本から」という但し書きに気付いた。「あ、これはもしや……」と思ったら矢先に不安が的中。「お待たせしました」と3品15本の皿が運ばれて来た。そうかそうか、そういうことか。なるほどね。はいはい、やっちゃいましたね。がんばりましょう。

3本のつもりが15本来たの図

テーブルには2種ソースが置かれているが、そのうちの刷毛の無い方を手元に引き寄せる。これにズボっと串を漬けるスタイルで間違いなかろう。大阪人の鉄の掟、「2度漬け禁止」を厳守して食す。んまい。肉はジューシーで玉ねぎは甘く、レンコンはシャキっと。酸味の効いたソースがそれぞれの個性を引き立てる。

2度づけ禁止!

ちなみに肉はもちろん牛肉。「肉いうたら牛肉」も大阪人の鉄の掟なのだ。15本出されて最初はビビったが、割とすんなり食べきることができた。しかし、まだ終わりではない。ここまで来たからには焼きそばを食べねば。

だるまや コナモンメニュー

焼きそばは無印とミックスの2種がある。それぞれ並サイズが360円と480円。やはり焼きそばも安いのだ。すでにかなり満腹なのだが、根性でミックス焼きそば(480円)を追加注文。ここは店の人が焼いてくれた。見た目が高校生くらいに見える若いお姉さんだったけど、鮮やかな小手さばきも堂に入ってて格好いい。

焼きそばは店の方で調理してくれます

鉄板に油を引いて、まずイカ・豚・エビを焼く。そこにキャベツとモヤシを乗せ、混ぜて炒める。ゆがいた麺を投入してさらに混ぜ炒め。ソースで味付けして出来上がり。チリトリでテーブルの鉄板に持ってきてくれた。

ミックス焼きそば 480円

麺は茹で上げたばかりの太麺。具はイカ・エビ・豚・キャベツ・モヤシ。味付けはバランスの良いソース味。ちらっと見た限りだが、2種類のソースをブレンドしているようだ。茹でたて麺のもちっとした食感が溜まらない。そして中央に生卵。そう、ここのミックス焼きそばはこの生卵が特徴なのだ。

生玉子を絡めた焼きそばって美味しいのです

玉子は最初は生のまま麺に絡め、ズズッと啜ってすき焼き風にしていただいた。梅田の美舟や鶴橋のあじくらやでもそうだったが、生玉子をまとった麺は喉越しやコクが増して、美味しさが何割かアップする気がする。さらにこの店は鉄板の熱が加わるため、食べている間に玉子が半熟状を経て徐々に固まってくる。それによる食味の変化も面白い。

いやあ食べた食べた。食べ終わってから青海苔や削り粉を掛けてないことに気付いたけど、まあ今さら仕方あるまい。これだけ飲み食いしてお会計は1710円。うーん、ほんま安いなあ。ごっつぉさんでした。今度来るときは空腹で来て、ガッツリ食べるぞー。

だるまや

タグ , , , コメントを見る

中華料理 龍門 (大阪府大阪市)

土曜日に六本木の新店・千日前やきそばを号外的に紹介しましたけど、本編は先週に続いて今夏の関西食べ歩き特集です!


大阪ではカタ焼きそばのことを「フライ麺(めん)」と呼ぶ店が多い。特に古い大衆中華店では、その傾向があるようだ。関西滞在4日目のランチは、そのフライ麺を食べに北浜の中華料理店、創業30年という龍門へ足を運んでみた。

北浜 中華料理 龍門

訪れたのは8月中旬、平日の11時半ごろ。蔦に覆われた青山ビルは大正時代に建てられた国登録有形文化財。その建物に入ってすぐ右手、地下に降りるめっちゃ狭い階段が龍門の入り口だ。登龍門ならぬ降龍門である。最後の一段だけ高さが違ってて、コケそうになった。訪れる際はご注意を。

登龍門ならぬ降龍門

店内は入り組んだ作りで奥の方までテーブルがある。テレビ前の4人掛けテーブルへと促され、相席で着席。ちょうどリオ五輪の開催中で競泳男子の800mリレー決勝が中継されていた。店員の姑娘たちはそちらが気になって落ち着かない様子である。

中華料理 龍門 メニュー

メニューはテーブルに無く、壁に貼られていた。こちらの店は天津カレー炒飯(790円)なる品が一番人気らしく、それに続いて焼きそば(690円)=あんかけ五目焼きそばも良く出ているようだ。しかし冒頭で述べた通り今回の目的はフライ麺(690円)。天津カレー炒飯も五目焼きそばも気になったが、予定通りそのフライ麺を注文した。

フライ麺 690円

先にスープが出され、注文から5分も掛からずにフライ麺も運ばれてきた。麺は太めの揚げ麺。普通の五目焼きそばは中細麺だったが、揚げるとこの太さになるのだろうか? 餡はかなり甘めの醤油餡。具は牛肉・白菜・玉ねぎ・人参・きくらげ・たけのこ。

かなり甘めの醤油餡です

揚げた麺は嵩が増えるため、実際以上にボリュームを感じる。餡の粘度はそんなに高くないが、水分自体が少なめで、麺は最後までカリカリのままだった。肉はごくわずかだけど、この値段だし、野菜がたっぷり使われているので不満は全くない。

揚げ麺は最後までパリパリのまま

付け合せのスープはかき玉子のスープで、賽の目に刻まれた絹豆腐も入っていた。ゴマ油が薫る熱々トロミつき。ちょうど良い塩梅で、手ごろな箸休めになる。餡が甘いため、卓上の酢を掛けて途中で味変もしてみた。甘さが多少和らいで、最後まで飽きずに食べることができた。五目餡もこの甘い餡だろうけど、やはり酢や辛子がほしくなるだろうな。

つけあわせのかき玉スープも美味しい

ところで、なぜ大阪でフライ麺と呼ぶようになったのか。これは勝手な想像だが、大阪の中華料理業界は神戸の中華街から伝わった福建系の混ぜ焼きそばが主流で、後発のカタ焼きそばはそれと明確に区別するために「フライ麺」と呼ぶようになったのではなかろうか。ちょうど広東料理がベースの横浜周辺で、あんかけ焼きそばが「やきそば」として先に広まり、混ぜ焼きそばは「チャーメン」と呼ばれるようになったのと逆の現象だ。以上は個人的な意見に過ぎないのだが、どの店が最初にフライ麺と呼び始めたのか、気になるところではある。

伝票には「炸麺」の文字

ちなみに伝票には「フライ麺」ではなく「炸麺(炸面)」と書かれていた。日本の辞書では「麺を油で揚げた中国料理の総称」とされていて、この表記を採用している中華料理店も多い。しかし中国では「麺(面)」が小麦粉の生地を指すため、あちらの検索エンジン=百度(baidu)で「炸麺(炸面)」を検索すると、ドーナツ系の揚げ菓子ばかりでてくる。フライ麺と同様にこの「炸麺」という表記もどのあたりから始まったのか気になって仕方ない。

日本チームの銅メダル獲得を確認してお会計。暑い日に熱々のカタ焼きそばを食べたので、外へ出たらすぐ汗だくになった。今度来るときは龍門名物の天津カレー炒飯を食べてみたいなー。

中国料理 龍門

タグ , , , , コメントを見る

千日前やきそば (東京都港区)

またまた焼きそば専門店オープン! 今度は六本木です! 当ブログは月水金の更新と決めてますけど、大阪特集の途中でもあり、敢えて号外的に臨時更新してみましたー。


いつものようにネットであれこれ焼きそばの情報を検索していると、なんと六本木に新しく焼きそば専門店ができたという情報をみつけた。屋号は千日前やきそば。名前の通り大阪風の焼きそばが売りで、9月10日にオープンしたばかりとのこと。矢も楯もたまらず、急きょ訪問してみた。

9/10オープン! 六本木 千日前やきそば

訪れたのは9/16、金曜の正午前。後述するが今のところ夕方には麺切れしてしまうそうなので、もし行くなら早い時間帯が良いだろう。場所は六本木ミッドタウンの斜向かいの裏路地。「必至で営業中」と染め抜かれた派手な幟が並んでいて、前を通って見逃す、なんてことはなさそうだ。

千日前やきそば 券売機メニュー

こちらの店は食券制。入った左手に券売機がある。メニューは屋号を冠した千日前やきそば、おじやセットや卵かけご飯=TKGなど。アルコール類は発泡酒や缶酎ハイなど300円均一。「シャンパン各種 15000円」というのもあった。六本木らしい遊び心だなー。そういえば都立家政の高田光幸というラーメン屋でも、ドンペリ(白・3万円、ピンク・5万円)を売っていたっけ。

千日前やきそば 店内の様子

とりあえず初訪問なので看板メニューの千日前やきそば(850円)をポチッとな。客席はカウンターのみで背中合わせに2列あり。キャパは10人程度で先客2人。壁には通天閣や食い倒れ人形が描かれていて、店内はいかにも大阪らしい華やかさだ。

かなり研究された調理手順という印象

厨房に近い席に腰掛けたので、調理の様子をチラチラ覗き見してしまった。まず鉄板にスパイスをまぶしてキャベツと揚げ玉を炒める。脇で豚バラ肉を焼く。茹で上げた麺を手前のスペースに広げ、しばし待つ。頃合いをみてソースで味付けしながら麺とキャベツと混ぜ炒め、器に盛り付けて出来上がり。

千日前やきそば 850円

麺はその場で茹で上げた太麺を使用。ところどころにきっちり焼き目も付けられている。店内メニューの裏面の説明によると、大阪の太陽製麺所で作られた特注麺とのこと。具はキャベツと揚げ玉。さらに食べ応えのある豚バラ肉と小口切りの青ネギをトッピング。脇には刻んだ紅生姜を添えてある。

大阪・太陽製麺所の特注麺を使用

ソースは甘口がベースだが、かなりスパイシー。どろソースやスパイスを独自にブレンドしているそうだ。シコシコもちもちした麺のリッチな食感といい、スパイスや揚げ玉の風味といい、あちこちにこだわりを感じる。焼きそば単体でも十二分に美味しい。しかし、ここの焼きそばはそれだけでは終わらない。

生玉子をつけると本領発揮!

実はこの千日前やきそばは生玉子をつけていただくスタイルが最大の特徴だ。使っている卵は大阪のオレンジエッグというブランド品。溶き玉子をくぐらせた麺は味わいがマイルドになって、コクも増す。なめらかな喉越しも楽しい。

「梅田の美舟さんや鶴橋のあじくらやさんぽい食べ方ですねー」と水を向けたら、「あじくらやさんご存知なんですか!」とお店の方が驚いてらっしゃった。お店の方の話によると、あじくらやさんは昔っからの馴染みのお店なんだそうだ。なるほど、玉子につけるスタイルはその辺りから来てるのね。先月食べたばかりの大阪風玉子付け焼きそばが、その翌月に東京の六本木で食べられるようになるなんて、これがシンクロニシティってやつだろうか。

おじやセットも美味しそう……

食べ方の説明など、店員さんの接客も丁寧で好印象だった。いまは麺の数が限られているため夕方5時くらいには売り切れてしまうが、そのうち夜も営業したいとのこと。「達人のススメ」というビラに書かれていたおじやセットの説明文が実に美味しそうだったので、次回はこっちにしてみよう。

六本木はソース焼きそばから縁遠い場所だったが、こうして専門店ができたなんて感慨深い。それにしても焼きそば専門店の新店ラッシュ、いつまで続くのだろう。どの店も研究熱心でハイクォリティ。新しい時代の流れが着実に来ているなー。

【※2016.9.21追記】おじやセットを食べて来た。玉子を半分ほど残すようにして、焼きそばをあらかた食べ終わってからお店の方に声を掛けるとご飯をくれる。玉子と一緒に御飯の上に焼きそばの残った具を乗せ、お店の人が熱々の出汁を掛けてくれておじやのできあがり。

おじやセット

出汁とソースの風味が味わい深い。〆にちょうどよい、滋味あふれる一杯だ。焼きそばを食べていると汁物が欲しくなるが、その願いを意外な形で叶えてくれた。

おじやセット 1000円

ついでに焼きそばの調理方法で私が事実誤認をしている点も教えていただいたので、この文章も少し手直し。昼間、六本木に行くことはなかなかないけど、ぜひまた寄らせていただこうっと。

千日前やきそば

タグ , , , , コメントを見る

きじ 本店 (大阪府大阪市)

関西滞在3日目の夜は、2年ほど前に大阪へ越してきた友達と差し飲みすることになった。選んだお店は、新梅田食道街にあるお好み焼き屋・きじ本店。ミシュランにも掲載された超有名店で、東京の丸の内や品川にも支店がある。

新梅田食道街 きじ 本店

8月上旬の平日。新梅田食道街へ着いたのは18時過ぎのこと。店の外まで伸びている行列にとりあえず並ぶ。10分ほどで団体客が退出して、待っている客は全員一度に入ることができた。

生ビール(モルツ) 450円

狭い階段を上り、手狭な感じのカウンターの端に2人で並んで腰掛ける。とりあえず生ビール(モルツ・450円)とジンジャエール(200円)で乾杯。

きじ本店 メニュー

注文する品の選定は自分に任された。価格帯がリーズナブルだ。東京にも支店があるけど、あっちにくらべると3割くらい安い。苦手なものはないかを確認して、モダン焼(770円)とスジ玉(850円)に決定した。

モダン焼はこの店の名物だ。小麦粉を溶いた生地を使わず、玉子だけで焼き上げるという独特なスタイルで知られている。樹脂製のコップに生卵を割り入れ、出汁を注いでスタンバイ。

玉子と出汁と焼きそばをボウルで混ぜる

焼きそばが焼きあがったら、そのコップの中身をボウルにあけ、焼きそばをガーッと混ぜて鉄板に落とす。焼きそばは既に調理済みなので、ここからの調理はスピーディだ。

ボウルの中身を鉄板に広げ……

玉子に火が通った頃合いを見て、全体をひっくり返す。この時点での見た目はオムそばのようだ。しかし、そこにソースを塗って青海苔を掛ると、あら不思議、モダン焼の出来上がりである。

ひっくり返すとオムそばっぽい

麺は中太の蒸し麺。具はイカ・豚・キャベツ。それらで作った焼きそばを玉子で綴じているわけだ。コテで切った断面をみると、麺と玉子が混然一体になっていることがよく分かる。

モダン焼 770円

ソースはただ甘いだけでなく酸味やスパイスも効いたタイプだ。玉子自体にも出汁の味がついていて、多層的で複雑な味わいだ。この形状なので麺をズルズル啜るわけにはいかないが、小さくコテで切り分けて、熱々のをバクバクいただくのもまた違った食感で面白い。

モダン焼の断面図

焼きそばと玉子をかき混ぜるといえば、和歌山県御坊市のせち焼きも全く同じスタイルだ。もしかしたら御坊の元祖せち焼・山下で「焼きそばを卵でせちごうて(かき混ぜて)」とリクエストしたお客さんってのは、ここのモダン焼を食べたのかも知れないなあ、なんて思ったり。

コテで食べるとより美味しく感じます

飲み物を飲み干したので、チューハイレモンを一杯ずつお代わり。そうそう、スジ玉も忘れちゃならない。こちらはモダン焼と並行して作り始めたが、焼くのに時間が掛かるため、少しあとから出来上がった。

スジ玉は生地を広げて大葉を乗せて……

スジ玉は混ぜ焼スタイルのお好み焼だ。キャベツと卵・出汁を混ぜた小麦粉の生地を、鉄板に落として丸く形を整える。その上に大葉を一枚乗せ、牛スジの炊いたんと青ネギをドサッと盛り付ける。

牛スジの炊いたんと青ネギをドサッ

鉄板側が焼きあがったら、ひっくり返してさらに焼く。じっくり焼き上げて、最初の面を上に戻す。マヨネーズを真ん中にポンと乗せ、それを混ぜるようにソースを刷毛で塗って出来上がり。好みで一味をと薦められ、友達の了解を得てたっぷり掛けてみた。

スジ玉 850円

大阪ならではの厚みのあるフワッフワのお好み焼きだ。これもやはりコテでいただく。大葉の峻烈な風味が、ソースやマヨネーズに負けずに主張してくる。牛スジの触感・味わいも楽しい。うーん、これも美味いなあ。

厚みのある生地は大阪ならでは

お会計は3070円。一人1500円ちょっとという安さが嬉しい。大阪だとお好み焼きは基本的に一人一枚。こちらのお好み焼きもちょうどそれに見合うボリューム感だった。そばとお好みの両方でも、ちょっと頑張れば食べられそうだ。これなら一人で食べに来てもいいなあ。

ちなみにその後は同じ新梅田食道街にある樽・金盃へとハシゴ酒。エッグと焼みそは相変わらずの美味しさだった。

きじ 本店

タグ , , , , , コメントを見る

あたりや (兵庫県尼崎市)

私が焼きそば担当として末席を汚させていただいている食べあるきオールスターズ「食べあるキング」。通称、食べキン。月に一回の定例会を設けたり、様々なコラボ企画など催していただいたり、各ジャンルに精通した方々の専門的な知見を得られる貴重な場だ。

阪神電鉄 出屋敷駅

その食べキンで野菜や農畜産物を担当されているベジアナ・小谷あゆみさんは兵庫県・尼崎のご出身。彼の地なら昔から馴染みのお好み屋さんがあるに違いないと思って訊ねたところ、「あたりや」というお店を教えていただいた。最寄駅は阪神電鉄・出屋敷駅。創業は昭和26年(1951年)というから、今年で65年という歴史ある老舗だ。さらに、こちらの記事によると、元々は焼きそば屋としてスタートしたらしい。おー、これはぜひとも行っておかねば。

尼崎市 出屋敷駅前 お好み焼 あたりや

というわけで前回の中華料理・麒麟(Kirin)を出たあと、ポケモンを探しつつ阪神電鉄の深江駅まで歩き、出屋敷駅へと移動。改札から徒歩1分ほどの店舗へ着いたのは、13時を回った昼下がりのことだった。

あたりや 店内の様子

間口が狭いので小さな店かと思ったが、入ってみたらめっちゃたくさん鉄板台が並んでいる。奥の方は向こうの路地まで続いていて、裏手にも出入り口があった。昼休みはとうに過ぎている時間帯なのにかなり混んでいる。奥の方の鉄板台に着席。

あたりや メニュー

メニューはもちろんコナモン中心。標準的なお好みは「豚焼」という表記で、卵が入ると「豚玉焼」になる。卵が貴重だった時代の名残だ。たこ焼もあるが、これはあの丸っこいやつではなく、たこ入りのお好み焼のことだろう。そして焼きそばではなく「そば焼」という表記。長田あたりでは多いが、この辺でもそう呼ぶんだなあ。

「チャンポンそば焼(900円)、ください」
「おそばのチャンポンですね」
「それと小ビール(400円)も」
「キリン? アサヒ?」
「キリンで」

しかしなぜかアサヒの瓶を持ってきた。「あれ? アサヒでしたっけ」と疑問形で渡される。

「キリンでしたけど、アサヒでもええですよ」
「すんませーん」

既に栓は抜かれているので、まあ仕方あるまい。こんなやり取りも楽しいものだ。グビリと飲って8月の日差しで火照った身体をクールダウン。

ビール小 400円

ところで今回注文したチャンポンそば焼。これまでも全国各地のいろいろな焼きそば系の「チャンポン」を取り上げてきたが、この辺りのお好み屋で「チャンポン」というと、海鮮主体のゴージャスな具材を指す。同じ兵庫県でも姫路市まで行くと「チャンポン」は焼きそばと焼きうどんの混ぜ焼きになったりして、ややこしさが半端ない。

そのゴージャスな具材を含む材料一式の盛られた皿が運ばれてきた。「すんません、お兄さん、よろしくお願いしますー」と皿を置いて去っていく。あ、自分で焼くのね。なるほど、了解。天辺には味の素がキラキラ煌いているが、適量の化学調味料は全く気にしない主義なので問題なし。

材料どーん! 味の素キラキラ!

まずは鉄板に油を引き、麺を左半分のスペースに広げる。野菜を皿に残して、右半分で豚肉と海鮮を焼く。海鮮の加熱は控えめにしたかったが、豚肉と一緒盛りだったので良く焼きになってしまった。コテで豚肉を一枚ずつ剥がすのにも慣れないとなあ……

麺と具を別々に焼くの大事です

頃合いをみて麺をひっくり返す。本来ならここで麺と豚肉・海鮮を混ぜ炒め、空いた右側にキャベツを広げ、麺をその上に乗せて少し蒸すというのが望ましいメソッドだ。しかし慌ててしまって、海鮮の上にキャベツをドサっとやってしまった。あーらら。

最終的には混ぜ炒め

こうなったら仕方ない。「時すでにお寿司」とか言いつつ、そのまま混ぜ炒め、麺と合体してソースで味付け。青海苔と削り粉をトッピングして出来上がり。完成してみれば、どう作ろうが大差ないと自分に言い聞かせていただきます。

チャンポンそば焼 900円

麺は太い蒸し麺でシコシコした食感。具は豚肉・イカ・エビ・タコ。野菜はキャベツのみ。短冊切りやざく切りではなく、お好みに使うのと同じ粗みじん切りで、かなり細かめに刻んであった。相対的に海鮮の存在感が強調されている気がする。

シコシコ太麺と甘口ソースがマッチしてます

味付けは卓上のお好みソースだ。控えめの味付けにしたつもりだが甘口で濃厚。食べ応えのある麺と豪華な具でビールが進む。味の素も効いているんだろうけど、馬鹿舌なので正直よくわからん。汗だくになって食べ終えた。お会計は1300円。

「あーうまかった、ごちそうさんでした」
「おおきに、いつもありがとう、またきてな」

地元に愛される老舗お好み屋さんは最後まで好印象だった。ビールの銘柄を間違えても、魔法の粉がキラキラしてても、微笑ましくて許せてしまう。この辺のそば焼きという呼び方も好きだなあ。小谷さん、いい店を教えてくださって、おおきにありがとー!

あたりや

タグ , , , , 2 Comments

中華料理 麒麟 Kirin (兵庫県神戸市)

今夏の関西食べ歩き特集、3週目でーす。


全国をひと通り回ったつもりでも、まだまだ知られていない焼きそばってのはあるものだ。神戸市近辺で食べられている「ビーフシチュー焼きそば」もその一つ。シチューと言っても洋風ではなく中華風の牛肉旨煮。焼いた麺にそのシチューを掛けた焼きそばを提供している店が、神戸市内にちらほらあるのだ。たぶん発祥は南京町だと思うが、東灘区の麒麟(Kirin)という中華料理店が評判良さげなので、足を延ばしてみた。

甲南山手 中華料理 麒麟 Kirin

訪れたのは関西滞在3日目のこと。8月上旬の平日のお昼時。店はJR甲南山手駅と阪神電鉄・深江駅のちょうど中間あたりの住宅街にある。駅から10分ほど歩いて、正午前に到着。ランチタイムは12時開店なのだが、下調べの情報通り開店前から客が数人待っていた。

中華料理 麒麟 Kirin 店内の様子

正午少し前にオープンして客が順次案内される。客席は丸テーブルが2卓にカウンターが8席。開店直後は席に余裕もあったが、少し経つと続々来客して混み合ってきた。なるほど、早めに来て正解だったな。店員さんは3人。厨房に店主、洗い物はお母さん。接客担当のチャキチャキしたお姐さんは奥さんかな。

麒麟 Kirin ランチメニュー

カウンターに詰めて腰掛け、メニューを確認。麺類が焼きそばだけでスープ麺なしってのは、中華料理店としてとても珍しい。当初の予定通り、その中からビーフシチュー焼きそばを注文。

「少しお時間が掛かりますが」
「ええですよ」

周りはホンコン焼きそばの注文が多く、特に男性客にはホンコン焼きそば1半=1.5玉の大盛りが人気のようだ。出てきた品を見たところ、五反田・梅林の肉ソース焼きそばのような山盛りで食べ応えがありそうな品だった。食べてないので味の詳細は不明だが、恐らくモヤシやニラを使った香港風の醤油焼きそば(豉油皇炒麺)なのだろう。人気なだけあって美味しそうな焼きそばだった。

ほかの客が食べている姿を羨ましげに眺めながら待つこと10分弱。「お待たせしました」と、ビーフシチュー焼きそばが配膳された。おー、こっちも美味そうだ。

ビーフシチュー焼きそば 1000円

麺は半揚げの細麺。端はカリカリで中心部は柔らかいままという理想的な状態だ。ホンコン焼きそばもこの麺なのかな。それにビーフシチュー=牛肉の旨煮がたっぷりと掛けられている。

牛肉の旨煮がメチャウマ

旨煮=餡の具は牛肉の角切りと白菜、小松菜。味付けは醤油風味で甘じょっぱい。柑橘類の香りもしたので陳皮を使っているかも知れない。絶妙なトロミ具合で、香ばしい細麺に牛肉のコクと野菜の甘味が一体化している。めちゃ旨い。

絶妙なトロミ具合で麺と餡が一体化

そして特筆したいのが牛肉だ。でかい牛肉の塊がゴロゴロ入っていて、とてもリッチな気分にさせてくれる。ほどよい柔らかさで、噛み応え・食べ応えも満点。多幸感とともに咀嚼し、嚥下する。これ、もっと流行ればいいのに。

こんなにでかい牛肉がゴロゴロ

皿の端に盛ってある辛子や、卓上のお酢を掛けても美味しい。ちなみに卓上には醤油と酢に加え、青タバスコも置かれている。シチューと言う呼び方といい、微妙に中華っぽくなくて面白い。

なぜか青タバスコがあるのも面白い

食べ終える頃には店内は満席になっていた。次の客と入れ違いにお会計をお願いして店を出た。いやー、期待以上に美味しい焼きそばで大満足。駅から離れているけど、来てよかった。ホンコン焼きそばもいつか食べてみたいなー。

中国料理 Kirin

タグ , , , コメントを見る

寿寿 (大阪府大阪市)

BABYMETALのライブは18時入場、19時半に開演。いつも通りMCもないままぶっ続けで10曲を披露し、約1時間で終了した。前から2列目でモミクチャにされ、クタクタである。参加条件の白塗りメイクを会場の外で落とし、さーて、晩飯だ。

東心斎橋 お好み焼 寿寿

向かったのは東心斎橋にあるお好み焼店、寿寿。ここの焼きそばが口コミサイトで好評価だったので、一度行ってみたいと思っていたのだ。

2階に上った左手が入り口

グリコのネオンが輝く戎橋を渡り、道頓堀の北3本目の通りを東へ進む。繁華街の雑居ビルで看板発見。2階の暖簾を潜る。

こじんまりした店内は厨房を囲むL字型の鉄板カウンターが設えられていた。こざっぱりした感じのマスターから「いらっしゃいませ」と声が掛かる。先客はなし。

何はさておき生ビール

何はさておき、とりあえず生ビール(500円)を注文。ライブのあとで喉が渇いて美味しい。でも身体はアルコールより水を欲していたようだ。

「すんません、お冷もください」
「はい、どうぞ」
「暑すぎて、ビールより水を飲みたくて」
「はは、わかるわ」

大阪の飲み屋さんで標準語を使うと、どうしても会話が途切れがちになる。関西弁をしゃべれるようになりたいなあ……

寿寿 メニュー

それはさておき、注文だ。お好み焼屋なのでメニューはもちろんコナモンがメイン。焼きそばのイカ豚ネギかけ(1150円)というのを食べてみたかったが、ちょうどお盆前で仕入れを極力控えているため、新鮮なネギを切らしているそうな。「じゃ、ネギなしでお願いします」と、イカ豚焼きそば(900円)にシフトした。

焼きそばの麺をその場で茹でてくれるのだ

こちらの焼きそばは茹でたての生麺を使うのが特徴だ。注文が入ると沸かしておいた寸胴で麺を茹で始める。その間に鉄板で具材を調理。油が客側に飛ばないよう、ステンレスの板で覆ってくれる心遣いが嬉しい。

油が飛ばないための心配りが嬉しい

まずイカと豚を焼き、ある程度火が通ってからザク切りのキャベツを投入。さらに茹であがったばかりの麺を加えて混ぜ炒め、味の素とウスターソースで味を調えてできあがり。カウンターの脇に置いてあった青海苔と鰹節をトッピングしてみた。

イカ豚焼きそば 900円

麺は茹でたてストレートの太麺。モチモチ・シコシコした食感で、ほどよいコシもある。味付けは香りの良い甘口ソースだ。量はほどほどだが、キャベツもイカも一切れ一切れが大きくて食べ応えがある。期待通りのハイレベルな大阪焼きそばで、たまらずビールをお代わりした。

茹でたてのストレートの太麺が美味い!

焼きそばを食べ終え、次はお好み焼かとん平でもと思ったが、ライブの疲れが出たのか無性に眠くなってきた。常連らしき女性客が入って来たのと入れ違いに、後ろ髪を引かれる思いでお会計(後ろ髪ないけど)。ビール2杯と焼きそばでお会計は1900円。今度来るときはもっと色々食べてみたいなあ。

寿寿

タグ , , , コメントを見る

あじくらや (大阪府大阪市)

梅田の美舟で昼飯を食べて一旦なんばの宿に帰還。休憩し、準備を整えてから、BABYMETALの白ミサが行われるなんばHatchへ向かった。ライブグッズの先行販売は意外とスムーズで、16時には白ミサ限定Tシャツを購入できた。開場まで時間があるので、軽く腹ごしらえをしておきたいなあ。

鶴橋 お好み焼 あじくらや

開場時間から逆算し、急ぎ足で向かったのは鶴橋にあるお好み焼店・あじくらや。難波から近鉄で鶴橋駅へ移動して徒歩数分。玉造筋沿いの店舗へ着いたのは16:15くらいのことだった。

店内は意外と広く、鉄板のボックス席が10卓ほど並んでいる。中途半端な時間だし客はいないだろうと思ったが3組ほどいた。大阪でのコナモンの人気をなめてたわー。

あじくらや お好み焼メニュー

着席してメニューを確認。お好み焼のページには薄焼きの一種「洋食焼」も載っている。富士宮ではお好み焼きを今でも「洋食焼」と呼んでいるが、どちらもお好み焼きの原型=一銭洋食の名残だろう。興味を引かれるが今日の目的は焼きそばだ。

あじくらや 焼きそばメニューの一部

この店にも幾つか焼きそばはあるのだが、特に生卵をつけて食べる焼きそばが名物らしい。名付けて焼きそば・いか豚なま玉子づけ(並・930円)。前回紹介した梅田の美舟で、全く同じスタイルの焼きそばを食べてから4時間くらいしか経っていないが問題ない、良くあることだ。その生卵焼きそばと生ビールの小(400円)を注文した。

生ビール 小 400円

生ビールはキリンラガーだ。グビッと煽って一息ついた。この日も猛暑で、ビールがいつも以上に美味い。こちらはお好みも焼きそばも店の方で焼いてくれる。特に焼きそばが自慢の品で、その場で湯がいた生麺を使う。

あじくらや 調理の様子

厨房で茹で上がりのアラームが響き、ジャーッと鉄板からコテで混ぜ炒める音が聞こえ始めた。先に生卵が運ばれ、注文から10分ほどで濛々と湯気を立てた焼きそばが配膳された。

焼きそば いか豚なま玉子づけ 並 930円

麺はモチモチかつシコシコとした腰のある極太麺。前述の通りその場で湯がいた生麺で、麺自体が旨い。具は豚肉、イカ、キャベツ。どの具もひと切れが大振りで食べ応えがある。紅生姜は確認されてトッピング。青ノリと花がつおは卓上から適量を掛けてみた。

湯がきたての生麺が美味い!

味付けはフルーティーな甘口ソースだが、すっきりしたくどくない甘さだ。惜しげもなく良い素材を使った正統派の大阪風焼きそばという印象を受けた。文句なく旨い。とくに麺のレベルが高い。

玉子をつけるとこんなに美味しくなるのねー

そしてつけ卵。念入りに溶いてつけて食べる。うーん、すき焼きを思い出させる甘口ソースと生卵のハーモニーが堪らない。美舟もそうだったが、熱々の焼きそばが少し冷えて食べやすくなるのも地味に嬉しい。あっという間に食べ終え、ビールも飲み干した。ちょっと足りないくらいがちょうどよい。

ライブの開場時間もあるのでささっとお会計を済ませて、なんばに戻る。鶴橋風月・本店がある駅周辺も今回は通り過ぎてしまった。今度はゆっくり飲みに来たいなあ。

あじくらや

タグ , , , コメントを見る

美舟 (大阪府大阪市)

関西特集、2週目。6日間の2日目は大阪市内の焼きそばです!


実は8月に関西へ行ったのは、BABYMETALの大阪ライブが目的だった。会場はなんばHatch。キャパ1500人というBABYMETALにしては小さめの会場だ。「白ミサ」と名付けられた会員限定のライブで、参加者は全員白塗りしなけらばならず……まあ、細かい説明は置いておこう。

梅田 阪急東通り お好み焼 美舟

そのライブが開催される8月上旬、某日のこと。物販前の腹ごしらえにやってきたのは梅田の阪急東通りにある美舟(みふね)さん。昭和23年創業の老舗お好み焼店だ。大荷物禁止、小さい子供連れ禁止、反マヨネーズ派。この3点は訪れる際に覚えておこう。

美舟 店内の様子

11:45くらいに口開けで入店。店内には鉄板台が10卓ほど並べられ、レトロ感満載。2階へ上がる階段の脇にはきたなうまい店のあのトロフィーも飾られていた。「こちらへどうぞ」と促され、左手の1.5人用の鉄板台に着席。

美舟 メニュー

メニューはもちろんお好み焼が中心。豚焼やイカ焼、焼きそばなど基本的な品々は850円だ。コナモン屋で素の焼きそばが850円だと少し高く感じるが、ここのはイカと豚が最初から入っているので、追加トッピングは不要。トータルで見ればちょっとお得である。

そしてこの店の焼きそばは生卵も一緒に頼むのが定番らしい。溶いた生玉子に極太麺の焼きそばをつけ、ずずっと手繰るのが美味しいのだとか。というわけで焼きそば(850円)と生卵(100円)を注文。お冷と一緒に運ばれてきた生卵は、小粒ながら濃厚そうだ。

極太焼きそばを生卵と!

焼きそばに生玉子というと想夫恋をはじめとした日田系焼きそばがまず挙げられるだろう。ほかにも全国あちこちの店でやっているが、ほとんどがトッピングで、別添えにしてつけ麺風に食べるスタイルは大阪以外だとあまり見かけない。東京だと庚申塚のいっぷく亭くらいかな。

さて焼きそば。こちらでは、お好み焼は自分で焼くスタイルなのだが、焼きそばは店の人が焼いてくれる。厨房の手前にある鉄板でおばちゃんが焼いているのを斜め後ろから遠目に観察した。

焼きそばは店の人が焼いてくれます

イカと豚を焼き、麺と混ぜ炒める。脇にキャベツをどさっと盛り、その上に麺を移動。少し蒸し焼きにしたあと、ソースで味付けしながら混ぜ炒めて出来上がり。チリトリで運ばれ、目の前の鉄板に乗せてくれた。

焼きそば(並盛) 850円+生卵 100円

麺はうどんを思わせる極太麺。具は豚肉・イカとざく切りのキャベツ。天カスや削り粉は使われてなさそうだ。卓上から青海苔と花ガツオをトッピング。まずはそのままズズッと手繰る。

うどん並みのモチモチ極太麺

味付けは濃厚な甘口ソース。みりんもブレンドされているのだろうか、ちょっとべとつく感じの甘さである。熱々・モチモチの極太麺と相まって、うどんすきのような味わいだ。ちなみに前述した通り、こちらは反マヨネーズ派。マヨネーズをお願いすると対応が悪くなるかも知れないのでご注意を。

生玉子をつける=美味い

そして生卵をつけてみた。おー、こりゃ美味い! 老舗なのに新食感。まさに、すき焼きに玉子をつけて食べるのと似た味わいだ。濃厚な味が少しまろやかになり、卵のコクも加わってより一層後を引く。そのまま食べてももちろん美味しいが、生卵を絡めるのがここの焼きそばの真骨頂だなあ。

ズルズル、ハフハフ言いながら焼きそばを平らげてお会計。あとから4人入ってきたが、全員お好み焼きを注文していた。梅田から至近の老舗なので、出張組の利用も多そうだ。次はお好みも食べてみたいなあ。

美舟

タグ , , コメントを見る

焼きそば専門店 イカリ (兵庫県神戸市)

前回紹介した南京町のYUN YUNで焼ビーフンをいただいたあとは、老祥記の近くにある中国茶専門店・天福茗茶で小休止。エアコンの利いた席に腰掛け、冷たいタピオカティーを喫んで少し体力が回復した。さて、次の店へと移動しよう。

新長田 焼きそば専門店 イカリ

JRに乗って向かったのは新長田駅から徒歩数分、複合施設・アスタプラザファーストの1階にある焼きそば専門店・イカリ。元々はすぐ隣の須磨区板宿でお好み焼店をやっていた。店内に貼られていた新聞記事によると、2010年の春にこちらをオープンしたそうな。

JR新長田近く 鉄人28号モニュメント

ご存知の方も多いだろうが、神戸市長田区は横山光輝の出身地でもある。そのため横山氏の作品が町興に活用されている。特に新長田駅の近くの公園に屹立する身長18mの鉄人28号モニュメントは有名だ。ほかにも三国志の武将像などがあちこちにあり、それを探してめぐるのも面白い。

さて、焼きそば専門店イカリ。看板には「新長田鉄人付近足湯横店」と書いてあるが、いまのところ店舗はここしかない。客席はカウンターが5席、テーブル2卓。午後2時近くの入店で先客は2人いた。

焼きそば専門店イカリ メニュー

メニューはぼっかけ焼きそば・豚焼きそば・そばめしのみ。前回も述べた通り長田あたりでは「そば焼」と呼ぶのが一般的だが、余所者でも分かるよう「焼きそば」にしているのだろう。注文したのはぼっかけ焼きそばの普通サイズ。料金500円を先払いし、セルフのお冷を汲んでカウンターに腰掛ける。

ぼっかけ焼きそば、調理の様子

入店時に店長さんがセルフ席を外していて、焼き手は別の店員さんだった。熱した鉄板にスジコンと麺を置き、ちょっとソースを垂らす。キャベツをドサッと乗せて混ぜ炒めてできあがり。

ぼっかけ焼きそば 500円

麺は中細の蒸し麺。具は牛スジぼっかけ=スジコンとキャベツ。キャベツはかなりの量が入っており、千切りほどではないがかなり細く刻んである。そして青ネギのトッピング。青海苔は卓上のを掛けてみた。

ぼっかけに青ネギのトッピング

味付けは看板にも大書されていたばらソースだ。屋号はイカリだがイカリソースではない。特有のフルーティーな香りと酸味、スジコンの甘じょっぱさが独特の風味をもたらしている。いりちゃんよりは濃いが、長田タンク筋よりは薄めかな。同じ長田でも味の濃淡には結構な差があるのね。

ばらソースのほどよい味付け

ちなみにここも自分の好みでソースを掛ける長田スタイル。卓上のソースはお好み用だろうか、粘り気のある甘めのソースだった。適量を垂らして味変すると一層美味くなる。

お好み用の甘口ソースで好みの味に

並盛なのでボリュームはほどほどだったが、スジコンのコリコリした食感も楽しく、長田の味を充分に堪能できた。関西では貴重な焼きそば専門店、末永く頑張ってほしいなあ。

ついでに少し歩いて5年ぶりに丸五市場を覗いてみた。いりちゃんの女将さんは相変わらず元気そうだ。今回は腹一杯で残念ながら食べられなかったが、健在なのをこの目で確認できて一安心。遠からぬ再訪を誓いつつ、コナモンの聖地・長田を後にした。

ちなみにこの夜から、なんばの某ビジネスホテルに5連泊。この日の夜は在阪のバイク仲間と正宗屋(相合橋)で差し飲みしました♪

イカリ 新長田鉄人付近足湯横店

タグ , , , , コメントを見る