餃子の丸福 (福島県福島市)

「もし福島で食べ歩かれるなら、私の実家へも寄ってみます?」

行きつけの飲み屋で顔なじみの常連・Tさんに、そう言われたのはいつのことだろう。

「え? 何かお店やってるんですか?」
「ええ、餃子の店なんですが、焼きそばもありますよ」
「行きます行きます!」

屋号を訊いてみたら、丸福という。調べてみたら、かなり評価の高い人気店。フォーリンデブはっしーさんも訪問済みだった。これはぜひとも行かねば。

前回紹介した浪江焼麺太国アンテナショップを訪れた夜、福島駅の近くに宿を取り、訪問してみることに。店舗は駅から徒歩10分程度の距離にある。11月上旬の18時過ぎという時間帯で、あたりはすっかり暗くなっていた。

福島駅東口 餃子の丸福

暖簾を潜ると「いらっしゃいませー」と、威勢の良いお父さんの声。Tさんが「念のために」と事前に予約を入れてくださったお蔭で、カウンターにすんなり着席できたが、2階を含め既に予約で一杯とのこと。いやー、ほんと人気店なんだな。

「はじめまして、お世話になってます」
「いえいえ、こちらこそ……」

なんて挨拶を済ませてから、とりあえず生ビールとチャーシューサラダ(800円)を注文。お通しとしてクラゲとメンマが小皿に盛られて出てきた。チャーシューサラダは、Tさんからぜひにと薦められていた品だ。餃子と並ぶこの店の定番らしく、周りの客も皆このチャーシューサラダを頼んでいた。

チャーシューサラダ 800円

大きな丸皿に野菜を豪快に盛り付け、その周りに輪切りのチャーシューを並べて囲む。客に出す直前の仕上げに、お父さんがレモンをギュッとひと搾り。ほど良い塩梅で醤油が滲みたチャーシューは、さっぱりした味付けの生野菜と絶妙に合う。ボリュームたっぷりなのに、野菜メインなので割と軽く食べられた。

このチャーシューが旨いんです

続いて看板メニューの焼き餃子(500円)。福島で餃子というと円盤餃子が有名だが、丸福ではまっすぐ並べて焼き上げてある。パリパリの羽根を箸で割り、一つそのまま食べてみた。さっくり焼き上げた皮の中には、よく絞った野菜と肉がギュッと詰まっていた。熱々で口の中を火傷しそうになったが、なるほど、これは美味い。

焼き餃子 500円

しかしこちらの餃子が本領を発揮するのは、特製のタレにつけてからだ。すり下ろした生ニンニクがたっぷり入った醤油ダレ。餃子を浸して頬張ると、ガツンとくるパンチの効いた味わいが口の中に広がる。まさに後を引く美味しさとはこのことだ。一人前をペロリと平らげてしまった。

特製のニンニク醤油ダレが癖になる

餃子を半分ほど食べた段階でビールジョッキは空になる。お代わりで注文したウーロンハイが、かなりの濃さだ。がっつり飲むには嬉しいのだが、実はこの後に予定を入れていたので、2杯目は薄めでお願いした。

餃子の丸福 麺類メニュー

そしてお待ちかねの焼きそば(700円)だ。メニューには「野菜と麺の強火炒め、焼き豚しょうゆ味」と紹介されている。麺類の一番上にある何じゃろう麺(800円)という麺が名物でとても気になるのだが、焼きそばではないとのことで、今回は残念ながらパスしておこう。

やきそば 700円

焼きそばは中細の茹で麺を使用。「野菜と麺の強火炒め」という説明書きの通り、キャベツ、モヤシ、人参、玉ねぎなどの野菜と短冊切りの焼き豚を炒めてある。ボリュームはほどほど。

やきそば 700円

味付けは「焼き豚しょうゆ味」とのことで、醤油ベース。オーソドックスな中華風焼きそばだがコショウも効いていて複雑な旨味もある。安心できる美味しさだ。

ちなみにこちらのご主人は偶然にも昼間に訪れた浪江町の出身とのこと。地元を離れたのが60年以上も前なため、焼きそばはなみえ焼そばとは全く異なるスタイルだ。しかし、むしろ昔ながらの浪江の味を体感できた気がして、個人的には嬉しい。

焼きそばを食べ終えたあとに、もう一枚焼き餃子を追加。前掲の写真はこの後から注文した餃子で、タレの小皿が汚れているのもそのためだったりする。火力が強いためかタイミングによって焼き加減にはムラがありそうだ。最初の方がかなり良く焼きで、そちらも皮が香ばしくて美味しかった

「ごちそうさまでした」

お会計は4400円。東京に戻ってから、Tさんにもお礼を伝えた。ちなみにこの訪問の直後に店舗を改装したそうで、今はリニューアルしているはず。次に訪れたときには、今度こそ「何じゃろう麺」をいただこうっと。それにしても「何じゃろう麺」って、何じゃろう?

餃子の丸福

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浪江焼麺太国アンテナショップ (福島県双葉郡浪江町)

全国の焼きそばを食べ歩き、お店を紹介し続けて、この記事でちょうど1000軒目となる。あまり記念日とかキリ番とかを気にしない性質なのだが、さすがに1000ともなると、それに相応しい焼きそば店を紹介せねばなるまい。半年ほど前からどこにしようかと考えて決めたのが、浪江焼麺太国アンテナショップだ。

当ブログは2011年の8月に開設した。あの年の3.11は今でも忘れることができない。あの日を境に人生が大きく変わった人も多かろう。詳細は略すが、私がこのブログを具体化しようとしたのも、実はあの震災がきっかけだったりする。

このブログを始める数年前から全国各地の焼きそばを食べ歩いていた。ただ、浪江焼きそばは未食のままで、例の原発事故が起きた。浪江町には避難指示が出され、もちろん飲食店は全て閉店。その後、イベント二本松南相馬などで浪江焼きそばを食べる機会は何度かあった。ただ、「この焼きそばを現地で再び食べられる日は来るのだろうか?」、そんな疑念はずっと付きまとっていた。

浪江町役場

そして今年、2017年。3月31日に浪江町の「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」の避難指示が解除された。帰還する町民の生活を支援する目的で、それに先立つ昨年の秋、2016年10月27日に浪江町役場の敷地内に『まち・なみ・まるしぇ』という仮設商業共同店舗施設もオープン。その施設の1店舗として浪江焼麺太国アンテナショップも営業を開始した。5年ぶりに浪江の町で焼きそばが食べられるようになったわけである。

浪江町役場 まち・なみ・まるしぇ

私が浪江町を訪れたのは11月上旬、平日のお昼時のこと。浪江焼麺太国アンテナショップは平日昼間しか営業していないので、どうしても土日祝日は外さねばならなかった。国道6号線から浪江町役場に向かって右手側に『まち・なみ・まるしぇ』はある。プレハブが並ぶ仮設店舗で、突き当りにはB1グランプリなどでおなじみの太王の顔ハメパネルがあった。

浪江焼麺太国アンテナショップ

浪江焼麺太国アンテナショップはその右手に店を構えていた。見覚えのある幟がはためいている。「何事も馬九行久(うまくいく)」。「浜通り、もとどおり」。そんなキャッチフレーズを思い出して感慨深い。

浪江焼麺太国アンテナショップ 券売機

注文は食券方式で、店頭に券売機がある。なみえ焼そばは並盛が600円、大盛が700円で、持ち帰りもあり。それからB1グランプリでできた縁なのだろう、本庄ハムフライや北上コロッケなんてのもある。品切れだが、東北の焼きそば系B級グルメの持ち帰りも揃っていて、東北エリアの町おこし団体の絆を感じさせる。

浪江焼麺太国アンテナショップ 店内の様子

店内は割と広く、フロアにはテーブルが8卓並んでいた。平日にも関わらずツーリングのグループもいて、半分の席は埋まっていた。壁にはB1グランプリの表彰状や浪江町の復興の歩み、なみえ焼そばを味わった子供たちからの感謝のイラストが展示されている。いろんな想いが込められた店なのだ。

テーブルには「宝剣おてもと」と一味唐辛子

卓上には「宝剣おてもと」という名の割り箸が。それとソースに、なみえ焼そばには欠かせない唐辛子が置かれている。なみえ焼そばを食べ歩く際は、この唐辛子に個性が出ているので注目して欲しい。元祖とされる縄のれんという店では、一味にニンニクを加えた二味が使われていたそうな。また、二本松の杉乃家では七味ニンニクだった。こちらでは一味唐辛子を使い、「君も一味に!」なんてコピーを付けている。B1グランプリ伝統のダジャレ精神だ。微笑んであげよう。

鉄板で豪快に炒めてます

厨房に面したカウンターで食券を手渡すと鉄板で調理開始。モヤシと太麺を豪快に炒めていく。一言断って、写真撮らせていただいた。目の前で湯気を立てながらワッシワッシと炒め、そのうえ焦げたソースなんかが香ってくると、やはり食欲がストレートに刺激されるなあ。

なみえ焼そば(並) 600円

注文から7~8分で出来上がり。麺はうどん並みの極太麺。「これってうどんじゃないの?」と勘違いする人も多いだろうが、かん水が入っている中華麺であって、うどんではない。具は頭と髭根を取ったモヤシと大きな豚バラ肉。甘めのソースでコッテリ気味に炒めてある。

うどん並みの極太麺はモチモチ

麺は柔らかでモチモチだ。モヤシのシャキシャキした食感とのコントラストが楽しい。豚肉は厚みもあって食べ応えがある。青のりも紅生姜もないシンプルな構成だが、それこそがなみえ焼きそばの真骨頂なのだ。

一味唐辛子でスパイシーに味変

一味唐辛子は思った以上に尖った辛さだ。ベースの味付けが甘めなので、スパイシーな味わいがアクセントになる。焼きそば自体の美味しさに加え、ついに浪江で食べられる日が戻ってきたかと感無量である。ここまでの道のりは関係者の気苦労も多かったことだろう。ほんと頭の下がる思いだ。

『まち・なみ・まるしぇ』はもちろん土産物も置いているが、基本的には地域の人たちの生活を支える品々の販売がメインだ。できるだけお金を落としたかったが、バイクだったこともあり土産物などをあまり購入できず。せめてこうして宣伝だけでも微力ながら協力させていただこう。

「浜通り、元通り」という願いはあれど、完全に元通りというわけにはいかないだろう。まだまだ立ち入りできない地域や通行できない道路区間もあり、観光客を大量に受け入れるような体制もできていない。しかし、除染作業も着実に進んでいるし、興味ある方はこの地を訪れていただきたい。そしてアツアツ・モチモチのなみえ焼そばを、一人でも多くの方にぜひ現地で味わってもらいたいなあ。

浪江焼麺太国アンテナショップ

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東洋水産本社 マルちゃん焼そば3人前 (東京都港区)

当ブログの焼きそば店紹介記事も今回で999回目。1000回を目前に控えたこの機会に、どうしても取り上げておきたい焼きそばがある。1975年(昭和50年)に発売され、いまや全国の家庭に普及している、東洋水産の「マルちゃん焼そば3人前」だ。身近な焼きそばというとカップ焼きそばを思い起こす人が多いが、このチルド商品の影響力が過小評価されている気がしてならない。

マルちゃん焼そば 3人前

マルちゃんとは、去る8月に東洋水産さんがスポンサーの札幌テレビ『どさんこワイド』に出演させていただいたご縁がある。また、先日発売された光文社「フラッシュ(FLASH)」に寄稿した『焼きそば革命100年史!』と題した文章でも、「マルちゃん焼そば3人前」を取り上げたばかり。せっかくなのでこの機会にと直接取材を申し込んでみたところ、ありがたいことに快諾してくださった。個人ブログとしては、恐らく異例な対応だろう。

東洋水産 本社ビル

そして先日、品川の東洋水産本社にお邪魔し、お話を伺ってきた。受付で名前を伝えると、通されたのはマルちゃん製品がずらっと並ぶ会議室。壁にはマルちゃんのトレードマーク。この部屋、テレビで見たことある気がする。NHK「あさイチ」の撮影で使われた部屋かな。

マルちゃん製品がズラッと並ぶ部屋にて

広報担当の山本さんと名刺を交換して早速インタビュー開始!

塩崎「はじめまして。今日はありがとうございます」
山本「こちらこそ、弊社商品を取り上げてくださってありがとうございます」
塩崎「『マルちゃん焼そば3人前』は子供のころから食べていたこともあり、実は前々からいろいろとお伺いしてみたかったんですよ」
山本「そうなんですね、ありがとうございます」
塩崎「まず、あまり知られていませんけど、『マルちゃん焼そば3人前』って日本で一番売れている麺類なんですよね?」
山本「はい、POSデータによると、そうなんです!」

日本一売れているマルちゃん焼そば

こちらこちらのサイトで、全国のPOSデータ(商品の売上実績データ)を分析したランキングが公表されていて、私も実は随分と前から個人的にチェックした。それによると生麺・チルド麺だけでなく袋めんやカップ麺を含めた「麺類」というジャンルで、年間で最も売り上げが高いのが「マルちゃん焼そば3人前」なのだ。

さらに細かく見ていくと、いろいろ興味深いこと気付く。例えば5月から9月くらいまでの期間は「揖保乃糸」に抜かれて、2位に甘んじる。暑さに加えてお中元のシーズンということもあるだろう。また年末の短期間は年越しそばの需要が伸びて、同社のカップそば「緑のたぬき」が1位になったりする。ただ、それらを勘案しても、一年を通してみれば「マルちゃん焼そば3人前」の売り上げは断トツと呼べるほど高い。

いわば日本で一番食べられている麺が、東洋水産の「マルちゃん焼そば3人前」なのである。ラーメンやスパゲティより焼きそばが売れているとは、私もちゃんと調べるまで思ってもみなかった。

塩崎「しかも『マルちゃん焼そば』はテレビでのCMを一度も打ってない、っていうのが凄いですね」
山本「はい。当社でも『赤いきつね』『緑のたぬき』『マルちゃん正麺』などドライ製品(=乾麺)は、ご存知の通りテレビCMを打っているんです」
塩崎「ですねー、よく拝見しています」
山本「一方で『マルちゃん焼そば』など、チルド製品は一切テレビに出稿していないんですよ」
塩崎「あー、ドライとチルドという区分で、戦略に違いがあったんですね!」
山本「当初は小売店の店頭で実演販売などを通じて認知を広め、現在に至ります」
塩崎「なるほど、美味しさが地道な販売と口コミで広まったって感じですね」

お土産にいただいた非売品の下敷き

1975年(昭和50年)、当時の家族構成を基準にした3人前1パックで売り始めて以来ほとんど味は変わっていない「マルちゃん焼そば」。ただもともとは単に「焼そば」という商品名で、「マルちゃん焼そば」という商品名に落ち着いたのは、2012年と意外に最近のことだそうだ。「焼そば」時代は一般名詞の「焼きそば」と区別しにくいため、社内では「さんやき」と呼ばれていたという。「3人前の焼きそば」が「さんやき」の由来だろうとは思うが、そこは定かではない。

塩崎「実は私もこれまで食べ歩いていて、居酒屋や喫茶店などで『マルちゃん焼そば』を使うお店が何軒かあったんですよ。中には焼きそば専門店もあったりして」
山本「えー、そうなんですか!?」
塩崎「で、訊いてみると『食べ比べた結果、マルちゃん焼そばに落ち着いた』『他が割引していてもマルちゃんの方が美味しいから』と仰るお店が多いんです」
山本「わー、嬉しいですね! ありがとうございます」

マルちゃん焼そばはベースの麺がしっかりしているため、あれこれアレンジしても受け止めてくれる点も支持される理由だろう。独自にひと手間工夫しているという人も多いし、いろいろな味や極太麺など商品のバリエーションも増えている。また、東洋水産が監修したマルちゃん焼そばレシピの本もある。

マルちゃん焼そばレシピ

塩崎「マルちゃんの焼きそばというと、『やきそば弁当』『焼そばバゴォーン』など、カップ焼きそばは地域限定商品が割と多いですよね」
山本「そうですね、たしかに」
塩崎「チルド麺の焼きそばにも、そういうローカルな地域限定商品て、あるんですか?」
山本「はい。九州・沖縄限定では『ちゃんぽん麺焼そば』、また中国・九州で『瓦焼そば』という商品を販売しています」
塩崎「えー、知らなかった! ちゃんぽんと瓦そばですか。面白いですねー」

ちゃんぽん麺焼そば&瓦焼そば

塩崎「そういえば、富士宮やきそばなど、ご当地焼きそばのチルド麺ってマルちゃんでは見かけないですね」
山本「ええ。『マルちゃん焼そば』のシェアが既に高いので、チルドのご当地焼きそばを新たに販売しても……」
塩崎「ああ、自社の似たような商品同士が競合してシェアを奪い合う、俗にいう『カニバる』ってやつですね」
山本「そうなんです。特に富士宮やきそばのある静岡は、北海道と並んで特にシェアが高い地域なので」
塩崎「なるほど、新商品をわざわざ投入する必要性がないんですね。納得です」

マルちゃんだしの素 鰹あじ

静岡が話題に上ったところで、商品棚に陳列されていた「だしの素 鰹あじ」へと話が移った。私の母が味噌汁などを調理するときは、必ずこれを使っていた想い出の品だが、「西伊豆町で作っています」という右上のコピーに、この場で初めて気が付いた。そっか静岡で作られていたのか。広報の山本さんも静岡のご出身で、やはりこの「だしの素 鰹あじ」が定番だったとのこと。東京ではあまり見かけないけど、こういうところでもマルちゃんの味になじんでいたんだなあ……

塩崎「マルちゃんというと、海外の商品展開も盛んですよね。メキシコでは 『簡単にできる』『すぐできる』という意味合いで『Maruchan』という言葉まで生まれたとか」
山本「そうですね。ドライ製品だけでなく、『マルちゃん焼そば』も海外で販売しています」
塩崎「あ、ローマ字の『NAMA YAKI-SOBA』ですね! ニュージーランドの食料品店で見た覚えあります! 冷凍庫に入っていました。いつもの味が世界中で食べられるってのは嬉しいですねー」

輸出用マルちゃん焼そば

山本「それと最近はインドでも会社を作って、『A&M』というブランドで乾麺の販売を始めました」
塩崎「へー、インドで即席麺というと『マギー』さんが競合相手になりますね」
山本「面白いのが欧米だと即席麺はあくまでもスープが主体で、麺はスープの具という位置づけなんです。それがインドだと、スープ麺より焼きそば的な商品の方が売れるんですよ」
塩崎「ほー! 言われてみれば、インドではチャウメンなど焼きそば系の麺料理はありますが、スープで食べる習慣はないですね。面白いなあ」

海外で展開するドライ製品

インド特有の手食文化が関係しているかも知れないが、それでもスープはあるものなあ。地域によってそういう差異があるってのは、世界的な企業ならではの知見だなと感心してしまった。

塩崎「最後になりますが、今年の8月8日、『マルちゃん焼そばの日』では札幌TV『どさんこワイド』さんでお世話になりました」
山本「いえいえ。こちらこそ、ありがとうございました」

STVどさんこワイドにて

塩崎「ところで東洋水産さん以外にも『8月8日は焼きそばの日』と仰っている方がいるって、ご存知でした?」
山本「え? そうなんですか? やはり『焼(8)く』『焼(8)く』から?」
塩崎「それが、まるしょうという焼きそば専門店の関口社長と仰る方なんですけどね……」

こちらの記事の内容を説明したら、とても興味を持ってくださった。

山本「へー、面白いですねー!」
塩崎「ぜひ、『マルちゃん焼そばの日』という枠をさらに広げて、『焼きそばの日』としてアピールしていただけると私としては嬉しいです(笑) 今後も一緒に焼きそばを盛り上げましょう!」
山本「はい!(笑)」

マルちゃんのブランドマーク、かわいいですよね

インタビューのついでに、こちらから伝えたいこともあれこれ言えて気が済んだ(笑) 取材を快く受けて下さってありがとうございました。

ソース焼きそばを語るうえで外せない東洋水産『マルちゃん焼そば3人前』。日本を代表する焼きそばの一つとして、これまで以上に注目していきたい。

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広東炒麺 南国酒家 東京駅店 (東京都千代田区)

前回、東京駅にできたタイ風焼きそば=パッタイの専門店、マンゴツリーキッチン・パッタイを紹介した。しかし、東京駅には他にも焼きそばを屋号に冠する店がある。1961年(昭和36年)創業の広東料理店・南国酒家が運営するブランドのひとつ、「広東炒麺・南国酒家」の東京駅店だ。

夜の東京駅

前々から気にはなっていたのだが、これまで行く機会が無かった。しかし、この機会に東京駅繋がりで食べておこうと思い立ち、マンゴツリーキッチン・パッタイを訪問した夜に行ってみた。朝も夜も東京駅で焼きそばを食べるという、なんとも濃厚な一日である。

広東炒麺 南国酒家 東京駅店

広東炒麺・南国酒家の東京駅店は、八重洲北口改札寄りの1階、北側自由通路に繋がるレストラン街にある。客席はテーブル4卓、カウンター15卓。平日の20時前という時間帯で、テーブル席はほぼ埋まっていた。一人と告げるとカウンター席に案内された。

広東炒麺 南国酒家 メニュー

屋号は「炒麺」だが、メニューは焼きそばだけでなく烩麺(あんかけそば)やチャーハンもあった。寒い季節のためか、周りはつゆそばの注文が多い。しかし、まずはやはり定番からだろう。原宿の本店で人気という五目具だくさんあんかけやきそば(1250円)を注文した。

生ビール(中)550円

一緒に注文した生ビールの中(550円)がすぐに出てきた。続いて具沢山あんかけ焼きそばもほとんど間を置かずに出てきた。早い。

五目具だくさんあんかけやきそば 1250円

麺は黄色い細麺。かん水入りのゴワゴワした麺で、ところどころ焼き目が付いている。揚げ焼きか、あるいはもっとパリッと焼かれているかと思ったがそうでもない。その麺に、メニュー名通り、具だくさんのアツアツ餡がたっぷり掛かっている。

具沢山のあんがたっぷり

味付けは醤油ベースで、出汁主体のマイルドな味わい。具は赤チャーシュー、肉、エビ、イカ、白菜、玉ねぎ、小松菜、干し椎茸。漢字表記の「八珍菜炒麺」そのままに8種類の豪華な具が使われている。素材の包丁使いや油通しの加減など、仕事も丁寧だ。

麺は柔らか目

「広東炒麺(廣東炒麵/广东炒面/Cantonese Chow Mein)」は、一般的にはカタ焼きそばを指すことが多い。これまでに何度か触れてきたが、カタ焼きそばはアメリカ生まれで、もともと広東になかった料理だ。ただ、明治時代に中華料理が日本に入ってきた時点で、既に広東料理の一品に組み込まれていた。そのため日本では当たり前のように広東料理として扱われているのが面白い。

周りが赤いチャーシュー、好きなんです

後半は卓上に置かれていた酢やカラシも足してみた。味変しても美味しい。個人的には周りが赤いチャーシューが入っている点に、テンションがあがる。付け合せのスープはトロミのついたカキたまスープ。優しい味わいだ。

ビールと焼きそばで会計は1800円。定番の人気商品だけあって優等生的な美味しさの焼きそばだった。季節限定にもっと冒険的なメニューもあったので、いつかそれらも注文してみたい。あと、もう少し麺をカリッと焼いたのが好みなので、今度はよく焼きを指定してみようっと。

広東炒麺 南国酒家 東京駅店

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【雑誌掲載】光文社・FLASH(フラッシュ) 12/5発売

雑誌掲載のお知らせです! 明日、12月5日(火)に発売される光文社の写真週刊誌・FLASH(フラッシュ)にて、3ページのソース焼きそば特集が組まれます!

普段の雑誌掲載は話題のお店を紹介する系の記事が多いのですが、今回はソース焼きそばの歴史について、第1次~第4次ブームという区切りを軸に、ガッツリ原稿を書かせていただきました。

3ページという制限はありますが、たぶんここまで濃厚なソース焼きそばの通史が書かれるのは、初めてだと思います。ぜひ皆さん、手に取ってご一読してくださいませ~。

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マンゴツリーキッチン パッタイ (東京都千代田区)

今年も東京都内で何軒か焼きそば専門店が誕生した。中でも面白いなと思ったのが、バンコク生まれのタイ料理店・マンゴツリーが、今年8月30日に東京駅でオープンしたパッタイ(ผัดไทย/Pad Thai)の専門店、マンゴツリーキッチン・パッタイだ。

グランスタ丸の内 マンゴツリーキッチン パッタイ

訪問したのは11月下旬、平日の8時過ぎ。営業時間が朝7時からなので、客先オフィスへの出社前にモーニング目当てで寄ってみた。店舗は東京駅の地下、改札外のグランスタ丸の内の中にある。JRだと丸の内地下中央口改札から出ると近い。

マンゴツリーキッチン パッタイ モーニングメニュー

午前10時まではモーニングメニューで三品のみ。パッタイは通常価格が780円のところ、モーニングだと600円だ。客席は2人掛けのテーブルが7卓と、カウンター席が3客。レジでパッタイを注文し、奥のテーブルに着席。この時間なのに先客が5人もいて、持ち帰り注文をする客もいた。意外と朝から利用されているんだな。

パッタイ(モーニング価格 600円)

調理は中華鍋やフライパンではなく、鉄板を使用しているようだ。パッタイ専門店なので、その方が効率的なのだろう。注文から5分ほどで配膳された。パッタイとスープ。卓上にはクルワンプルーン(เครื่องปรุง)と呼ばれる4種の調味料(砂糖・ナンプラー・唐辛子・酢)と、ガーリックオイルが置かれていた。では、いただきます。

幅広のセンヤイを使ってます

麺はもちろんクェッティオと呼ばれるライスヌードル。パッタイで通常使われるのはセンレック(เส้นเล็ก)と呼ばれる中太の平麺だが、こちらでは幅広のセンヤイ(เส้นใหญ่)・クェッティオを使っている点が興味深い。一緒に炒められている具は、玉子・厚揚げ・モヤシ・ニラ。砕いたピーナッツ(トゥアリソン/ถั่วลิสง)と干しエビがトッピングされ、小粒のライム(マナオ/มะนาว)が脇に添えてある。

乾麺ではなく生麺を使うのがこの店の特徴

こちらの最大の特徴は、乾麺ではなく生麺のクエッティオを使っている点だ。東中野・ロムアロイでも、「生麺の方が美味しいんだけど、日本では乾麺しか手に入らない」なんて仰っていた。マンゴツリーではそれを日本の工場と提携して独自開発したそうな。同じライスヌードルで、チョップスティックスというベトナム料理店が生麺のフォーを提供しているが、タイ料理ではたぶん日本初だろう。

タイの国民食、美味しいです

食べてみると生麺ならではのモチモチ食感。調理するのも扱いづらそうな気がするが、確かに美味しい。味付けはやや甘めで、王道的なパッタイだ。玉子や厚揚げのコク、小エビの旨味が味わいに厚みを加える。野菜のシャキシャキした歯応えも、生麺のモチモチ食感とのコントラストが楽しい。

ライム(マナオ)を絞るのも良い

さらに添えられていたライムを絞ると、爽やかな味わいに一変する。クルワンプルーンからも、砂糖(ナムターン/น้ำตาล)以外の魚醤(ナムプラー/น้ำปลา)、唐辛子(プリックボン/พริกป่น)、お酢(ナムソム/น้ำส้ม)など足して、好みの味に調える。唐辛子が予想以上に辛かったが、この味変も美味しい。ガーリックオイルも合った。

スープはさっぱり風味の鶏出汁スープ。朝からタイ料理というのも初めての経験だ。なかなか楽しかった。

以上、東京駅からでした

パッタイ専門店というと高円寺の屋台、Adwee Laraweeを思い出すが、まさかその次が都心も都心の東京駅とはなあ。ランチやディナーでは他のバリエーションも出しているらしいので、機会があれば試してみたい。

マンゴツリーキッチン パッタイ グランスタ丸の内

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スパイス&ハーブ居酒屋 やるき (東京都中野区)

三浦カレー焼きうどんとは異なるが、都内でもカレー焼きうどんを提供している店は多い。新中野にあるスパイス&ハーブ居酒屋・やるきという店もその一つ。店主はインド人らしいが、果たしてどんな品だろう?

新中野 スパイス&ハーブ居酒屋 やるき

11月上旬の平日、夜19時半ごろに訪問。鍋屋横丁を南に下ってゆくと、「やるき」の屋号が刻まれた看板が暗い歩道で光っていた。この記事によると、店主がかつてあの「やるき茶屋」でバイトをしていたのが屋号の由来らしい。「やるき茶屋」社長も公認とか。

客席は1階と2階に分かれている。普段から予約しないと入れないほどの人気だそうで、この日もほぼ満席。こちらが一人なのが幸いして、カウンターの常連さんが詰めてくれ、無事に着席できた。

スパイス&ハーブ居酒屋 やるき メニュー

「スパイス&ハーブ居酒屋」を標榜するだけあって、メニューには「スパイシー」という形容詞が頻出している。ベースが居酒屋メニューなので、「きっとこういう味なんだろうなあ」と想像できるものが多い。どれも酒が進みそうだ。

生ビール 380円

居酒屋ということで、まずは生ビール(380円)を注文。アサヒスーパードライの中ジョッキだ。グビグビっと喉を潤す。このビール、スパイシーな料理に合うためか、海外の人に受けがいいんだよな。

スパイシーおでん 450円

最初のおつまみはスパイシーおでん(450円)。具は大根、こんにゃく、しらたき、さつま揚げ、ちくわ、ゆで玉子。スパイシーなお出汁に浸り、パクチーがトッピングされている。そこまで辛くないが、無難な美味しさ。程よいスパイス加減で身体が温まる。

ウォッカラッシー 450円

お代わりでいただいたのは、ウォッカラッシー(450円)。名前の通り、ウォッカをラッシーで割ったものだが、もともと癖がない蒸留酒なせいか、アルコールをほとんど感じず、普通のラッシーのように飲めてしまう。ある意味ヤバい酒だな。

タンドリーチキンやきとりとスパイシー鶏レバー

常連さんに勧められるまま、タンドリーチキンやきとり(180円)とスパイシー鶏レバー(180円)をオーダー。どちらも一切れ一切れが大ぶりで、ボリュームたっぷりの串物だ。味付けはやっぱりスパイシー。ジューシーな鶏肉とレバーで酒も進む。コーン茶割り(330円)を追加。

カレー焼きうどん 600円

そして本命、カレー焼きうどん(600円)を注文。麺は標準的な茹でうどん玉。具は挽肉、キャベツ、人参、ピーマン、玉ねぎ。唐辛子。大まかにはいつも見慣れている焼きうどんだが、挽肉の量がかなり多い。

挽肉たっぷりのスパイシーな焼きうどん

味付けは期待通りスパイシー。つまみに良し、〆に良し。同じ中野区のジャサナ(JASANA)というインド・ネパール料理店では「フライドうどん」という変わり種があったけど、こちらはだいぶ日本よりの焼きうどんだ。

たまたま隣合った常連さんや、厨房の店員さんとワイワイ楽しめた。これが酒場の良さだよなあ。1時間ちょっとの滞在で、お会計は2990円。この後、地元に戻って行きつけの店・SANDで少し飲み直した。

「今日、何軒目ですか?」
「2軒目です、新中野のやるきって店で……」

そんな会話をしてたら、横のお客さんが「わ、今日のランチ、そこでした!」と混ざってきて、ここでもワイワイ。世間は狭い。

やるき

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蕎麦処 うち田 (神奈川県横須賀市)

三浦市の北に位置する横須賀市にも、三浦スタイルのカレー焼きうどんを提供する店がある。三笠公園の裏手にある、蕎麦処うち田という和蕎麦屋だ。葉山に支店もあったようだが、そちらは残念ながら既に閉店してしまっている。

横須賀市 三笠公園近く 蕎麦処 うち田

訪れたのは7月中旬の良く晴れた平日。前回紹介したよし乃から、少し時間を空けハシゴで訪問。裏通りに面したマンションの1階にずらっと商店が入っていて、うち田はそのテナントとして営業していた。ちょうど一年前に、すぐそばの横須賀米軍基地にあるManchu WOKへ来たっけなあ、なんて思い出しつつ入店。

横須賀市 蕎麦処 うち田 店内の様子

店舗は町中のお蕎麦屋さんらしい和風の造り。客席はテーブル6卓、座敷3卓。昼下がりでピークは過ぎたのか、4割ほどの入りだった。周りを見ると、そばと丼物のセットが人気のようだ。

蕎麦処 うち田 メニュー

メニューに焼きうどんは無いが、カレー焼うどん(900円)があるってのも珍しい。目的の品を注文すると、「一応厨房に確認してみますね」という返事。そっか、この真夏に熱々のカレー焼うどんなんて、そうそう出ないもんなあ……

「できるそうです」
「ほっ。じゃお願いします」

そんなやり取りのあと、奥の方からジューっと焼く音が聞こえ、やがてカレーの香りが漂ってきた。そして待つこと10分弱。

「お待たせしました、お熱いのでお気を付けください」

湯気が濛々と立ちのぼる熱々の鉄板が、どーんと目の前に置かれた。これ、絶対火傷するやつだわ。

生玉子は別容器で提供されます

麺はもっちり、太めの柔うどん。具は豚肉、エビ、キャベツ、玉ねぎ、人参、干し椎茸、筍と盛りだくさん。青のりが掛かっているのは三浦スタイルで初めて見た。生卵が別容器で提供されるのも初めてだ。

カレー焼うどん 900円

とりあえず生卵を中央へ落としてみた。味付けは塩が効いてて、カレー粉は風味付け程度。ほとんど辛さはない。個人的にはもうちょっとスパイシーなのが好みだが、こちらの方が万人受けするかもしれない。

もっちり、太めの柔うどんを使用

熱々で、鉄板に接している麺や野菜は焦げ目が付いてる。玉子も崩したらすぐに固まり始めた。混ぜると味わいがまろやかになり、一体感も出る。味付けは異なるけど、こうしてみると上州屋のカレー焼きうどんにそっくりだ。

玉子を崩すとすぐ固まり始める

具がどれも、そばやうどんでおなじみの品々なのが面白い。特に厚みのある干し椎茸の噛み応えと、滲み出る旨味が印象に残った。エビも大きくて食べ応えがあった。今回は生卵を上に乗せたが、すき焼き風につけて食べても美味しそうだ。

大きなエビが嬉しい

満足してお会計。三浦カレー焼きうどんも、これで4軒食べ歩いたことになる。実はもう1軒リサーチ済みで何度か訪問したのだが、タイミングが悪いのか、いつも臨時休業に当たってしまった。そちらもいつか紹介したい。

うち田

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よし乃 (神奈川県三浦市)

今週はカレー焼きうどん! 三浦半島から2軒、東京から1軒ご紹介します!


ずいぶん前に、三浦半島のカレー焼きうどんを紹介したことがある。最も有名なのが上州屋という店で、その近所のまるい食堂でも似たようなカレー焼きうどんがあった。

三浦市 よし乃 入口

その記事で「もしかしたら三浦市の食文化として密かに成立しているのかも知れない」と書いたが、どうも図星だったようだ。数は少ないが他にもカレー焼きうどんを提供する店が見つかった。後述するが元祖の店もあったようだ。ただ、地元の人はこの食文化に誰も気づいていない。とりあえず「三浦カレー焼きうどん」と仮に名付けて話を進めよう。

三浦市 よし乃

三浦カレー焼きうどん(仮)を提供する店の一つが、三浦市立病院の近くにあるよし乃という食事処。訪れたのは7月中旬の暑い日だ。三浦市立病院に隣接した薬局の脇を抜けた、その奥に入り口がある。一応は表通りに幟が出ているけど、看板はない。たぶん、地図を頼りに訪れないと見つけられないと思う。

三浦市 よし乃 店内の様子

店舗は古民家風。鉄骨なので古い建物ではなさそうだが、とても落ち着いた雰囲気だ。客席はカウンター4席、小上がり2卓。店は女性二人で切り盛りしていた。平日のお昼時で若い女性の2人連れがランチを食べていた。

三浦市 よし乃 メニュー

メニューは定食や麺類などが中心。和風な店なのにタイ料理のガパオも置いていて、ちょっとビックリ。記載されている営業時間を見て、夜も営業しているのを初めて知った。目当てのカレー焼きうどん(880円)を注文すると、厨房から炒める音が聞こえてきた。

カレー焼きうどんは15分ほど掛かって配膳された。お盆の左にメインディッシュのカレー焼きうどん。右の小皿には玉子焼きと煮豆の付け合せが盛られている。

カレー焼きうどん 880円

麺はツルツルシコシコのうどん玉。具は豚肉スライス、キャベツ、玉ねぎ。そして三浦半島でのお約束通り、生卵が中央にドーンと陳座ましましている。上州屋のように熱々の鉄板ではなく、こちらでは陶器のお皿を使っていた。

三浦独特のカレー焼きうどん

カレーは思ったより濃いめ。しっとりと水分多めの仕上がりで、スパイシーなカレー風味もしっかりついている。市販のカレー粉と言ってしまえばそれまでだが、そのシンプルさも含めて、三浦のカレー焼きうどんの味わいなのだ。キャベツや玉葱は地元産だろうか、甘味があって美味しい。生卵を崩して絡めれば、旨さ倍増だ。

ツルツルシコシコのうどん玉

この生卵が三浦カレー焼きうどんの最大の特徴だ。いろいろ調べたところ、三浦にあった田毎(たごと)という蕎麦屋が、このスタイルの元祖らしい。田毎は既に閉店して久しいが、田毎で働いていた方が件の上州屋を創業し、カレー焼きうどんが人気メニューとして定着したようだ。

うどんを食べ終えたら、結構な量のカレー汁が皿に残った。同じ焼きうどんでも、汁気の多寡など店それぞれで違うようだ。追加注文してご飯を投入したいけど、次の予定もあったのでそれは控えておいた。

海釣りにちょうどよい

あとからきた常連さんが、隣のカウンター席で昼からビールを飲んでいる。自分も一杯飲りたいが、この日はバイクでの訪問だったので断念。機会があれば夜にゆっくり飲み目的で訪れたいな。

よし乃

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温州軒 (静岡県下田市)

南伊豆で最大の町、下田にも何か特徴的な焼きそばがあるんじゃなかろうか。そう信じてネットでさんざっぱら探したが、ピンと来る品は見つからず。まあ、ラーメンやカレーならともかく、「訪れた土地で必ず焼きそばを食べる」なんて人はほぼ皆無だから、情報が無いのも仕方あるまい。

下田市 中華料理 温州軒

ただ、変わり種でなくてもせめて1軒くらい、老舗の中華屋さんでも紹介しておこう。そう考えて訪れたのが今回紹介する温州軒(おんしゅうけん)だ。店は入り組んだ町中にある。ちょっと離れた場所に駐車場があり、そこにバイクを停めて店まで歩く。

温州軒 店頭の食品サンプル

店頭のガラスケースには食品サンプルが置かれていた。また入り口に右手の壁には、岡持ちを携えたタヌキのイラストが描かれている。これがこの店のマスコットか。ユーモラスで可愛らしい。

温州軒 店内の様子

店内はいかにも昔ながらの中華食堂という趣。客席はテーブルが2卓と、小上がり5卓。土曜の昼前という時間帯で、先客は家族連れが一組のみ。ただし出前の注文も入っているようで、厨房は忙しそうにしていた。

温州軒 メニュー

さてメニュー。焼きそば類は3種類あった。定番のソース焼きそば(650円)。それと中華屋らしくカタヤキそば(750円)。そしてチキンいためそば(650円)。ん? チキンいためそば? 聞きなれない品だな……

「すみませーん」
「はーい」
「このチキンいためそばってのは、焼きそばですか?」
「焼きそばですけど、ケチャップ味になります。それと豚ではなく鶏肉です」
「ほほー、じゃそれを」

興味津々で見慣れぬメニューを注文。5分も掛からずに配膳された。早い!

チキンいためそば 650円

麺はストレートの細麺で、かなり柔らかい。具は鶏肉・キャベツ・人参・ニラ・タケノコ。注文時に言われた通り、味付けはケチャップなのだろう。赤みがかってて、しっとり仕上げ。それが小さめの楕円皿にてんこ盛りになっている。

かなり柔らかい細麺をケチャップ味で

食べてみるとナポリタンぽい味わいで、粉チーズとかタバスコがふと欲しくなる。そしてちょこちょこ入っている鶏肉が良いアクセントになっている。要はチキンライスの焼きそば版で「チキン炒めそば」か。なるほど、納得。ありそうで無かった焼きそばだ。面白い。

チキンライスの焼きそば版

皿は小さめだが、ボリュームがなかなかあり、特に麺の量が多い。テーブルには色々な調味料が置かれている。終盤、ケチャップ甘さにちょっと飽きたので、コショウを足してみたらなかなかいけた。

テーブルの調味料類

ケチャップ味の焼きそばというと沖縄のケチャップ焼きそばが有名だが、町中華からのこういうアプローチがあるとはなあ。実際に訪問してみると、こういう珍品があるから油断できない。ネットでは得られない情報にこそ、価値がある時代なんだなとしみじみ思う。

温州軒食堂

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