ちょぼ焼 末広
6月に4泊5日で熊本を食べ歩いてきました。4月の熊本地震の傷も癒えていない状態でしたが、逞しく営業を再開している店も多々あり。その熊本で食べた焼きそば類をこれから三週間に渡ってご紹介します。
7月1日から「九州ふっこう割」が実施され、この機会に熊本を訪れてみようという方も多いでしょう。よかったら熊本を訪れる際の参考になさってくださいませ。
熊本に「ちょぼ焼」と呼ばれるコナモンがあるのをご存知だろうか? たこ焼の原型と呼ばれる大阪の「ちょぼ焼」とは全く異なる独特な品で、広島風のお好み焼にちょっと似ている一銭洋食の派生系だ。神保町で大人気の焼きそば専門店みかさが、熊本で「さぶ」という店だった頃にはそのちょぼ焼を出していた。みかさのルーツを知る上でも、それがどんな品か知っておいて損はあるまい。
熊本の「ちょぼ焼」は熊本駅近くにあった「福田流ちょぼ焼き」が元祖と呼ばれている。その後継店が今回紹介する「ちょぼ焼き末広」。店舗は市街地からも程近い田崎市場の中にある。
訪れたのは6月中旬、平日のお昼時。朝、羽田を出て熊本空港からバスでホテルへ移動し、荷物を預けて昼飯にちょぼ焼。世の中狭い。客席は外にテーブル1卓、店内にカウンター10席。先客数人。持ち帰りの客もチラホラ現れた。
メニューはちょぼ焼と焼きそばのみ。素焼きは350円からで、一番人気は600円の肉玉麺野菜。「8分で食べ切ったら無料!」というチャレンジメニュー・ギャル曾根バージョンなんてのもある。ちょっと迷ってイカ・エビも入ったオールミックス(900円)を注文。セルフのお冷を汲んでカウンターに腰掛ける。
厨房の様子は見えないが、鉄板とコテの奏でるカチャカチャというリズムに期待も膨らむ。焼く様子の動画がYoutubeにあったので参考に貼っておこう。
先客や持ち帰りの分もあって、15分ほど待って出来上がり。薄く焼いた生地に具を乗せ、3つに折り畳んで、切り分けてある。出来上がりがこの大きさだから、相当デカく焼いてるんだろうなあ。
生地はモチモチした食感。麺は中太麺で、これもまた別な意味でモチモチの食感。乗せる前に刻みながら炒めているのか、一本一本が短い。それと一緒に豚肉の細切れ、ゲソ、エビ、キャベツ、モヤシなどが炒められ、揚げ玉、そして賽の目に刻んだタクワンが入っている。このタクワンの甘味や食感が面白いアクセントになっているのも、ちょぼ焼の特徴だろう。
玉子は生地の端に伸ばして、接着剤的な役割も果たしているようだ。トッピングの青海苔と紅生姜は卓上から。特製ソースはサラッとしていて醤油のような風味。このソースがちょぼ焼最大の特長か。初めて経験する味わいで、全体の食べ応えを和風寄りにシフトしている。大分市・佐賀関で食べた薄焼きのニンニク醤油を思い出した。
そういえば真打みかさの店主・福島さんが、「熊本のちょぼ焼きには佐賀県の宮島醤油の製品が欠かせない」と仰っていたっけ……そんなことを思い出しながら食べ進める。ちょぼ焼きという語感から、軽くペロリと食べられる品を想像していたが全く違った。ボリュームたっぷりで、満足度の高いランチになった。
お会計を済ませ、満たされたお腹を抱えて外に出ると、おこぼれを狙う猫がいた。この市場のマスコットかな。ちょっと遠慮がちに佇んでいるあたりが、なんとも愛らしかった。
店舗情報 | TEL: 096-323-2230 住所: 熊本県熊本市西区田崎町430-9 田崎市場えびす街クロネコヤマト横 営業時間: 9:00~19:30 定休日: 無休 → ホームページ |
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主なメニュー | ちょぼ焼 350円~ 焼きそば 450円~ |
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