みかさ
今週から比較的近年に開業した首都圏の焼きそば専門店、あるいは焼きそばが主力の店を特集してお送りします。このブログを始める前からその辺の動向をチェックしてはいたのですが、開業から2~3年で閉店してしまう店も多いのが実情です。まあラーメン屋をはじめ、他の飲食店もそんなものなのでしょうけど、できれば長続きしてその地域の味として定着して欲しいものですね。
さて、まずは神保町のこちらから。
神保町の白山通り沿いに「みかさ」という焼きそば専門店がある。開業は2013年11月なのだが、暖簾には「創業昭和五十九年」の文字が躍る。元々は熊本で営業されていたそうで、その辺の経緯はこちらのサイトに詳しい。
1年くらい前から数回訪問してみたが、売り切れ次第終了のためタイミングが合わずに降られ続け。今年の6月中旬にようやく初訪問を果たすことが出来た。
訪れたのは平日の11時半ごろ。9席のカウンターは既に満席で1人が順番待ちをしていた。ランチタイムは行列もできるほど人気なのは知っていたが、こんなに早い時間でここまで混んでいるとは予想以上だなあ。
注文は食券制。焼きそばはイカエビ入りとノーマルがあり、味付け(塩・ソース)とサイズ(小・並・大)を選べる。ちょっと悩んでイカエビ入りのソース・大(850円)を選択。並と大が同価格なのが嬉しい。
厨房は男性三人で回している。10分ほど待って順番が周り着席。すぐに焼きそばの皿が運ばれて来た。
麺はコシの強い自家製平打麺。「北海道産の地粉100%」を謳っていて、量も惜しみなく盛られている。その麺とモヤシ・キャベツをソースで炒めて皿に盛り、生のネギ、肉と玉子、イカ・エビ、青海苔がトッピングされていた。カウンター上にはイカ天カス・紅生姜・辛子マヨが置かれているので、それらもお好みで載せてみよう。
ソースは甘口を予想していたが意外なピリ辛だった。スパイシーで癖になる味わいだ。肉はカリカリに焼かれ、玉子はワザと崩した感じ。この辺の加減が絶妙である。更に上から後がけソースも掛けられていて、かなり濃厚な口当たりである。ボリュームたっぷり。肉と玉子だけでも満足度が高いので、イカとエビは無くても良いかも知れない。
焼きそばを半分ほど食べ進めてふと何か思い出した。厨房にチラリと見える製麺器にも既視感を覚える。
「あれ? これどこかで食べた覚えが……?」
思い出したのは熊本市の坪井川公園近く、国道三号線沿いにある「やきそばGENNKI」という店だった。帰宅後に自分のブログを読み直して「みかさ」との共通点を確認してみる。自家製の平打ち麺、カリカリの天カス、ソース味と塩味・イカエビなどのメニュー構成、大盛り無料サービス……。これは偶然とは思えない!
焼きそば専門店の「やきそばGENNKI」はその前身が「さぶ」という店で、現在は経営者がさらに変わり「たけちゃん」という屋号で営業している。「みかさ」はこの系譜の初期に絡んでいるのでは、と当たりをつけた。その事実関係の確認も兼ねて、7月上旬、平日の口開けを狙って再訪してみた。しつこい性格ですみません。
今回は塩焼きそばを大盛りで注文。出来上がりは一見シンプルに見えるが、塩ダレは複雑な味わいで食べ飽きない深みを感じた。添えられたレモンを絞るのも良し。自家製麺の美味しさを味わうならソースより塩の方が向いているかも知れない。
さて、他のお客さんも居なかったので気になっていた件を訊いてみた。
「ええ、『さぶ』は自分がやっていた店です」
おお、やはりそうだったのか! 東京へ進出する際に「さぶ」をスタッフに渡して「やきそばGENNKI」になり、さらに「たけちゃん」へと変わったらしい。熊本の店のことを訊かれて店主が驚いていたが、熊本と神保町の点が繋がって自分でもビックリした。「全国の焼きそばを食べ歩いているからこそ気付けたんだなぁ」と我ながら嬉しくなる。いろいろと直接お聞きできて良かった。
「ご馳走様でした、また来ます!」
ソースも塩も、斬新な味わいの焼きそばだった。そして大盛りの満足感・満腹感。首都圏で長続きしている焼きそば専門店は、この満足感・満腹感が肝要な点だと感じている。みかさはもちろん、文句なし! 行列ができるのも頷ける。未経験の方はぜひ並んででも一度体験して欲しいなあ。
店舗情報 | TEL:03-3239-5110 住所:東京都千代田区神田神保町2-24-3 営業時間:11:00~売切次第終了 定休日:日曜 |
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主なメニュー | やきそば 小 500円 並700円 大 700円 イカエビ入り 小 650円 並 850円 大 850円 缶ビール 300円 |
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コメント一覧
こちらの紹介記事を読んでさっそく今日食べにいってみました。シンプルにソース小を試してみましたが、なかなか美味しいですね。とくに麺を味わうことのできる貴重なお店です。ソースはちょっと濃厚で後がけソースはいらないかなと思いましたが。まぁ、美味しさの基準は人それぞれですから、これがお店の特徴ということで。また足を運んで見たいと思います。こんな近所に美味しいお店があったとは知らず、ご紹介記事に感謝しています。
蛇足ですが、その足で馬喰横山のあぺたいとにも行ってきました。他の店舗よりカリカリ度が高くこれぞ両面焼きという感じで私のお気に入りになりました。
引き続きいろいろなお店の探訪記事楽しみにしています。
みっくさん、コメントありがとうございます!
そうですね、私もソース味は濃く感じるのですが、学生が多い神保町という地域では濃厚な方が受けるのかも知れませんね。ぜひ塩味もお試しください。
あと、記事にはしてないのですが、あぺたいと馬喰横山店でも一度食べたことがあります。本店で食べてからだいぶ時間を隔てていたので差異については分からなかったのですが、そういう視点は興味深いですね。いつか連食して食べ比べてみたいです(笑)
ありがとうございました!
行って来ました!
で、ネットの情報もと思いあれこれ・・えー!
熊本のさぶ!私も知ってますよ!
それで今日、再訪。
そしたら、現在、このオーナーすでにこの繁盛店を弟子に譲って出て行ったとの事。
なんかすげーって言うかなんでやろ?って言う感じですね。
で、新ネタも入れましたよ。
このオーナー、高田馬場で超越バージョンの焼そば店をまた出すか、出したからしいです。
今度はオーナーが消える前に行かなきゃです。
その店見つけたら、またレポートお願いします。
やきそばんさん、コメントありがとうございます!
ええ!? まじっすか!? めっちゃ気になります。
情報仕入れて訪問せねば……
あと熊本の「さぶ」をご存知な方も
首都圏ではとても貴重だと思います。
値千金のタレ込み、ありがとうございました!(><)