兩喜號 總店
台北の地下鉄・萬華駅に龍山寺という仏教の寺院がある。1738年に建立された台北最古の古刹で、昼夜ひっきりなしに参拝客が訪れている。
「萬華」(ワンホワ/ばんか)という地名は「艋舺」(バンカア/もうこう)という古い表記もあり、龍山寺も正式には「艋舺龍山寺」と呼ぶらしい。今回の旅ではこの寺の裏手に宿を取った。
18世紀に福建人が上陸して定住を始めたのがこの艋舺で、台北で最も古い町域として知られている。龍山寺の門前から西に伸びる廣州街は、毎夜交通規制が敷かれ、艋舺夜市というナイトマーケットが開催されている。
各種飲食店はもちろん、衣類や雑貨、ゲームの露店が並び、人とスクーターでごった返している。車道の露店だけでなく、両側の歩道の飲食店も人々で溢れている。
艋舺夜市での人気店のひとつが、今回紹介する兩喜號 總店だ。1921年の創業で、店舗の外壁には屋号とともに二杯のイカが大きく描かれている。少し離れた場所に西園店という支店もある。
店頭ではビーフンの山が湯気を立てている。この店では焼きビーフンを「米粉炒」と表記しているが、中華鍋で炒めるような工程はなく、茹であげて調味料と和えているだけのよう。
その手前に置かれたメニューを手にとって見た。メインは海鮮を使った「焿」(とろみのついたスープ)だ。それに加えて米粉炒(焼きビーフン)や滷肉飯(ルーローハン)、小皿料理などのサイドメニューが載っている。
この店はテイクアウトだけでなく、奥に座席があってイートインにも対応している。スタッフの一人に声を掛け、イートインしたいとジェスチャーで伝えたら、伝票を渡されて空いてる席に案内してくれた。
注文は、テーブル番号と注文したい品数を自分で伝票に記入する方式だ。今回は兩喜號魷魚焿(スルメイカのとろみスープ/小60NTD)と米粉炒(焼きビーフン/40NTD)に「1」と書き込んだ。
伝票をスタッフに渡し、そのタイミングで支払いを済ませる。合計100NTD。日本円で500円弱。めっちゃ安い。伝票は調理場へ通され、2品ともすぐに運ばれてきた。さっそくいただこう。
米粉炒は店頭で湯気を立てていた山から取り分け、皿に盛り付けられたもの。具はモヤシだけで肉はなし。味付けもあっさり、ごくシンプルでもろ自分好みだ。
トッピングされているのはニンニクチップとニンニクペースト。これを混ぜて、モッサモッサと食べるとめっちゃウメーン! これまで食べた炒麺と同様にシズル感がある。台湾では焼きビーフンも汁っ気があるのが好まれるのかな。
兩喜號魷魚焿(スルメイカのとろみスープ)は、屋号を冠した看板メニューだ。水分で戻された肉厚のスルメと、紡錘形のイカのすり身団子が入っている。
レンゲで啜ると、スルメの旨味がスープにたっぷり滲みていて、とってもウマい。ボリュームとインパクトが両立していてお得感がある。香菜も良いアクセントだ。
食べ終わると器の底に「大吉」の文字が記されていた。兩喜號の「喜」は、こういった縁起担ぎもあるのかな。
ちなみにビールなどは置いておらず、飲みたい場合は近所のコンビニやスーパーで購入して持ち込む必要がある。台湾の飲食店での基本の基だが、うっかり忘れていて失敗した。行かれる際はご注意を!
店舗情報 | 住所: 台北市萬華區廣州街245號 営業時間: 16:00~23:30 定休日: なし → ホームページ |
---|---|
主なメニュー | 兩喜號魷魚焿 大 90 小 60 米粉炒 40 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません