好美屋
もんじゃと言えば月島、月島と言えばもんじゃ。浅草や町屋より歴史は浅いが、今や東京を代表するB級グルメの観光スポットなのは事実だ。その月島で現在のスタイルのもんじゃ焼を始めたのが今回紹介する好美屋である。こちらの二代目店主へのインタビューによると、昭和29年に今の月島もんじゃの原型となる品を提供し始めたそうだ。
月島もんじゃと、他のエリア、例えば浅草や町屋のもんじゃとの違いは大きく2つ。まず、キャベツの切り方が他に比べて大きい"粗切り"であること。そして、最初から味をつけた状態で提供しているということです
なるほどなるほど。そのスタイルのそばもんじゃを一度食べておこう。ということで今から3年ほど前、2013年の5月祝日の昼時に訪問。ちなみに現在は夜営業のみのようだ。
もんじゃ焼の店が軒を連ねる月島西仲通り、通称・もんじゃストリートを訪れたのは5月5日のこどもの日。GW中なら東京から人が減るだろうと思っていたのだがとんでもない見当違いだった。歩行者天国のメインストリートには人が溢れ、あちこちの店頭では順番待ちの列ができている。月島へは10年以上前に知り合いに一度連れられて来たきりだが、ますますもんじゃの店が増えた気がする。(訪問後に知ったけどこんな問題もあったんだね)
目的の好美屋は歩行者天国の終端近くにあった。暖簾の「元祖」の文字が輝いている。店頭で待っているのはカップル一組だけだったが、結局入店までに30分以上掛かった。店は奥に細長く、右手にテーブル3卓、左手に小上がり3卓という客席構成。家族連れとカップルですべての席が埋まっている。注文が飛び交う中をお店の人は忙しそうに駆け回っている。
メニューはもんじゃにお好み、鉄板焼きの他、おつまみ類が何点か。最もシンプルなもんじゃでも700円と安くはないが、まあ観光地だから仕方あるまい。おしぼりを受け取って月島路地ビール(600円)と、そばも入っている特製もんじゃ(1050円)を注文した。そば入りなのでかろうじてこのブログの趣旨に叶うはず。
すぐにビールとタンブラーが運ばれてくる。少し独特な風味でなかなか美味しい。観光気分で飲むにはちょうど良い。続いて店主が材料の入ったボウルを持ってきた。
「(ご自分で)焼きますか?」
「いえ、お願いします。慣れてなくて」
すぐさまキャベツその他の具材をボウルから鉄板中央に落とし、その山を崩して土手を構築した。
その真ん中に残りの生地を注ぎ、両手の小手で土手と混ぜ混ぜ。徐々に平らに均してゆく。最後に青海苔を振り掛けて作業完了。
「55秒待ってからお召し上がりください」
秒単位の微妙なタイミングを指定して店主は去って行った。しばしスマホの時計と睨めっこ。もういいだろうと頃合いを見てハガシでいただく。
具はキャベツに豚肉、生イカ、干しエビに中華麺。ソースと出汁が利いてて駄菓子的な旨さだ。熱々のやつをチビチビ頬張り、ビールで流し込む。唐辛子を掛けるとさらにビールが進む。
鉄板に面した生地が焦げてきた頃合いを見て、オバちゃんが大きなヘラでひっくり返してくれた。
「火はもう止めてあるので、ごゆっくりどうぞ」
もんじゃはパリパリの焦げ煎餅が醍醐味だろう。その香ばしさに思わず生ビール(580円)をお代わり。食べ終えてお会計は2230円。もんじゃにしては高く感じるけれども、観光地と考えると十分納得できる値段かな。全体的にボリュームはあったけど、ほとんど汁ッ気なのですぐにお腹は空くだろう。
次々と客が来店する中で、精一杯おもてなしする店の方々の接客も好印象だった。「一度は月島でもんじゃを食べておきたい」という方にはこちらをオススメするようにしようっと。
店舗情報 | TEL:03-3531-7061 住所:東京都中央区月島3-15-10 営業時間:17:00~22:00(土日祝 16:00~) 定休日:火曜(祝日の場合は翌日) → ホームページ |
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主なメニュー | 特製もんじゃ(豚肉・生イカ・そば) 1050円 月島路地ビール 600円 |
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