お知らせ 8/21 ハヤカワ新書『あんかけ焼きそばの謎』発売 「ほぼ日の學校」で糸井重里さんと焼きそば対談! WEB配信中! 【雑誌掲載】月刊「潮」11月号(10/5発売) 【コラム】支那料理屋のヤキソバ考(後編)2018年3月10日2021年7月17日 このページで公開していたコラムは、内容を精査した上で、Kindle本『焼きそばの歴史《下》:炒麺編』にまとめ直しました。恐れ入りますが、興味のある方はそちらをお求めください。 コラムPosted by SaltyDog
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お邪魔します。近代食文化研究会さんからご紹介をいただきました。
「チャプスイ」についてお調べだそうですが、「中華文人食物語 (集英社新書) 南條竹則(英文学者)」の「チャプスイの話」に考証が有ります。
李鴻章来米以前からアメリカにはあったとされ、原型は広東・台山元祖の野菜炒めの大衆食の雑砕と雑燴の2種類だったとします。
もともとからご飯や麺に掛けるものであったようで、アメリカでは会飯(かけ御飯)や麺の物もチャプスイと云うとされ、内臓肉なども用いられます。
自分が調べた範囲では日本での「八宝菜」は大正前期までは別の様々な料理に付けられていた多くの素材を用いた煮物や盛り合わせ、時には漬物を指す程度の意味だったようですが大正後半にはチャプスイと同一視されはじめていたようです。現在の「八宝菜」に近いあんかけになります。日本人好みにアレンジされたものだといえます。
ただし昭和初めにはアメリカ系中華料理店「「アメリカン・チャプスイ・ハウス・レストラン アスター」があったとされ、(現在の銀座アスター)日本中華「八宝菜」の成立は複雑だといえます。
ちなみに日本の文献での「八宝菜」は知っている限り「和漢精進料理抄 元禄10年」にあるものが一番古いものですがチャプスイとは異なります。
それと「上海料理」についてですが中国政府により1950年代に編纂された「中国名菜譜」の日本語訳(中山時子1974)によると、「中国名菜譜」は全11集ありそのうち3集が北京、2集が広東料理にあてられていて1集が「辺境数州」の他5集のうち1集が上海料理にあてられています。
その意味では重要度としては7位以内にあると「中国名菜譜」では考えられているとみてもよいかもしれません。
摂津国人様、コメントありがとうございます!
貴サイト、以前から時折参考にさせていただいておりました。
チャプスイについては、手元にある「銀座アスター物語」でも摂津国人様と同様のことが語られていますね。アスターと同年の昭和元年に創業した横浜中華街の「一楽」という店では、現在のメニューでも「五目あんかけ焼きそば」が「Chop-suey Fried Noodles」、「五目うま煮かけご飯」が「Chop-suey On Rice」と英語表記されているんですよ。創業当時からその表記だったかは不明ですが、複数のルートで流入していたのかも知れませんね。
https://tabelog.com/imgview/original?id=r0826726088834
それと「中国名菜譜」についても調べてみました。1958年から60年代に掛けて順次刊行されたようですね。
「中国名菜谱」商业部饮食管理局
第一辑 北京特殊風味
第二辑 北京名菜点之一
第三辑 北京名菜点之二
第四辑 広东名菜点之一
第五辑 広东名菜点之二
第六辑 山东名菜点
第七辑 四川名菜点
第八辑 苏,浙名菜点
第九辑 上海名菜
第十辑 福建、江西、安徽名菜点
第十一辑 云南、贵州、广西名菜点
第十二辑 湖南、湖北名菜点
北京や広東は複数あり、上海は9冊目。江苏菜・浙江菜よりは後ですが、「福建、江西、安徽」より前で、一冊丸々充てられているのが意外でした。参考になりました!